2016年1月24日日曜日

5Sとポルフって

生産管理システムの再構築や営業力見直しの個別支援で、企業を訪問する場合、
まず、見せていただくのが、現場の状況、社員の挨拶を含めた日頃の態度である。
5Sの習慣は、活気のある企業、経営実績の上がっている企業では、まず、キチンと
されている。以前には、私自身不勉強な点もあり、5Sをコンサルとされている方の
実践の場やお話を聞かせても頂いた。シツコク、キチンとやっていくことの難しさは、
中々に大変である。
1)改めて、5Sは、
①「整理」とは、要るもの、要らないものを分けて、要らないものを捨てること。
②「整頓」とは、安全、品質、能率向上になるよう物をおいて、表示すること。
③「清掃」とは、ゴミなし、汚れなし。清掃、点検すること。
④「清潔」とは、整理、整頓、清掃(3S)の状態を維持すること。
⑤「躾」とは、社会人、組織人として行うべきことを正しく守る習慣付けのこと。
これは、製造の現場は当然として、事務系の中でも、同じである。
ある会社の調査をみると、
事務室にある書類を「要る」、「要らない」に分けて見ると、その割合は、半分程度。
さらに、この要るを現在の仕事にどうしても必要な書類と使用頻度が落ちて書庫
などの外に出しても良い書類に分けると、その割合は2:3になる。
つまり、事務室を整理すると、そこの書類の80%を追放できるという結論になる。
「いつか使うだろう」の場合は、殆ど使用しないと考えたほうがよく、捨てる勇気を持
つことも「整理上手」のコツである。「もったいない」も同様である。
整頓は目で見る管理であり、見える化の基本であろう。
ここで大切な事は、「誰でも、どこに、何が、いくつあるか、すぐに分る」という置き
方になっているか、どうかという点である。
街でよく見かける看板、これを現場に掲げる方法を多用するのがよく、設備に貼る、天
井から吊るなど現場に最良の方法で対処する。棚や置き場には所番地を付け、誰でも、
簡単に集配できるように工夫する。
清掃、清潔は、整理、整頓の継続性を高めることにあり、躾は、人間性の向上を考えた
基本中の基本である。
そんな中で、最近、PPORF(ポルフ)と言う5Sを含めた企業体質の定量的な改善
手法について、話を聞いた。中々、面白いが、実施には、結構根性が要る。
2)ポルフとは、
生産力向上、企業体質改善を強化するための20の項目と、それを実現するための手法。
一つ一つを単独に進めるよりも、同時にバランスよく進めることが高い効果を生むとし
ている。
定期的に、各項目ごと5点満点で自己採点をし、3年程度の中期計画をもとに
改善を進めていく。
■ポルフ20項目
経営基本、不良撲滅、コスト低減、工程短縮、技術開発の5大項目に選別される。
1.整理・整頓・清潔・清掃 (4S)
2.職制の整流化・目標管理
3.小集団活動
4.中間仕掛り量の減少
5.段取り替え迅速化
6.作業改善(製造のVA)
7.監視作業ゼロ
8.職場間のつなぎ
9.機械設備の保全
10.作業規律 (5Sの躾に近い)
11.品質保証体制
12.外注体質強化支援
13.宝の山案内図によるムダ追放
14.改善コーナー・自己改善能力
15.多能化・人員配置変化対応
16.工程管理
17.能率管理
18.マイコン利用
19.省エネ・省資源
20.新技術・固有技術
具体的には、例えば、1番の4Sのためのチェックシートは14項目あり、それを
巡回グループがあるエリアを廻り○、×を付けていきます。○の数×5点がシート
点数となります。また、○となるための基準も設定する必要があります。
各項目はチェックシート項目の全てが○となった場合、5点評価となり、ポルフ
評点が100点となります。
一般的に20項目評価点の合計が20点アップすると生産性倍増の体質になるとの事。
ポルフでは、全員が目標を共有化し全社的な視野に立って改善していく。
経営目標と一体化し達成を実現出来る。
①意識改革
働きがいのある明るい職場作り
トップダウンとボトムアップのドッキング
目的指向型への変革
マーケットイン(後工程はお客様)の考え方定着が図れる。
②企業(製造)体質の強化
物的生産性の向上
工期短縮、仕掛り品の減少、多能化により「変化即応型の企業」になる。
設備稼働率の向上
品質向上、クレームの減少
安全の確保
中小企業でこれを本格的にやるには、かなりの体力がいる。もう少し、簡易版が
あれば?と思うが。

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