2016年7月28日木曜日

ポジティブサイコセラピー

自身を高めるということでは、禅をはじめとして、様々な手法が多くの先達たちに
よって考案されてきた。個人的には坐禅の4回ほどの体験やNLPなどのいくつかの
心理学の体験や知識の習得、をしてきたつもりではあるが、振り返れば、その痕跡
さえ怪しい。しかし、7,8年前に知ったポジティブ心理学は、自分の特性にも
あっているのか、専門の方の指導はまだ受けていないものの、以下にある
サイコセラピーのいくつかを実践することにより、自身の変化を感じている。
ここで、ポジティブサイコセラピーの概説を述べることにより、少し理解をしてもらえ
れば、
と思っている。もっとも、本格的な実践はいまだできず、少々頼りない話でもあるが。
なお、ポジティブサイコセラピー治療マニュアルが出ているとのことだが、邦訳は
ないとのこと。できれば、その詳細に触れてみたいとの思いもあるが。

その概説
1)ポジティブなリソースの確認
日本語で800文字程度の「ポジティブな自己紹介」を描く。そのなかで、自分が最高
だった
時の物語を具体的に語り、自分の最高の強みをどのように活用したかを説明する。

2)ポジティブな自己紹介によって自分の徳性の強みを特定し、以前にどのような
状況でそれらの強みが自分の役に立ったかを話し合う。
VIAテストにより自分の徳性の強みを特定すること。

3)徳性の強みによって快、エンゲージメント、意味意義が促進される可能性のある
具体的な状況に集中的に取り組み。
「良いこと日記」を描き始める。その日記に、毎晩、その日に起きた3つの良いこと
を書くこと。

4)抑うつが持続する場合の良い記憶と悪い記憶の役割について話し合う。
怒りや恨みの感情を書き出すこと。それがどのように抑うつの原因になっているかを
書き出す。

5)怒りや恨みの感情をニュートラルな感情に変える、あるいは一部のひとにとっては
ポジティブ感情にも変えることのできる強力な手段として「ゆるし」の実践を
導入する。
「許しの手紙」を書いて、相手の罪やそれに関連した感情を説明し、相手を許す
と誓うこと。ただし、この手紙は相手に送らない。

6)感謝について限りないありがたい気持ちとして話し合う。
今まできちんと感謝の気持ちを示したことのない人に感謝の手紙を書き、その手紙を
相手に直接届けること。

7)「良いこと日記」や強みの活用を通して、ポジティブ感情を高めることの重要性を
再確認すること。

8)最低限の条件で満足するの方(満足者)が極限まで追求しないと満足しない追及者
よりもウェルビーイング状態にあるということを話し合う。
自分の満足度を向上させる方法を再確認して、自分のための「満足計画」をつくる。

9)「説明スタイル」を用いて、楽観性や希望の実践について話し合う。
自分の前で閉まった「3つのドア(逃がしたチャンス)」について考える。
その後、どんな新しい可能性が開かれたかを考える。

10)自分の大切な人の強みを認識するように手引きされる。
ほかの人から報告されたポジティブな出来事に対して、積極的かつ建設的な反応を示す
クライアントをコーチする。さらに自分の強みと、自分の大切な人の強みをたたえる
時間を持つこと。

11)家族1人1人の持つ強みをどのように発見すればよいか、またクライアント
自身の強みがどこに由来しているのかを話し合う。
家族にVIAテストを受けてもらい、家族全員の強みを含む家系図を描く。

12)ポジティブ感情の強度と持続時間を増やすテクニックとして「深く
味わってみる」エクササイズを導入する。
何か新しい活動を計画してそれを計画通りに実行する。

13)あらゆるものの中で最高の贈り物の1つである「時間の贈り物」を
することが出来る。
自分の強みが求められることを実行して「時間の贈り物」をする。

14)快、エンゲージメント、意味意義を統合する十全な人生について話し合う。


独自の強みを活かして、積極的ー建設的な反応し続けるかを考えるというエクササイズ
もある。
反応の4つのパターン
1)積極的ー建設的  誠意と熱意をもってサポートする。
私の家内が最高の職を見つけたといってきた。に対して、
「それはよかった。新しい仕事ってどんなの?奥さんはいつから働き始めるの?
どうやってその職を得たの?

2)受動的ー建設的  控えめのサポートをする
「へえ、そうなの」

3)受動的ー破壊的  出来事をサポートする
息子から変なメールが届いたんだけど、ちょっと見てよ」

4)積極的ー破壊的  出来事のネガティブな側面を指摘する。
「そうすると誰が息子の面倒を見るの?ベビーシッターは信用できないよ。
虐待するとかの話も多いしね」。 

その対応には、
好奇心の強みを使っていろいろと質問する。
「熱意」の強みを活かして積極的に反応する。
「知恵」の強みを用いて学ぶべき価値ある教訓を指摘する。
など
受動的なスタイルでは、「どうせあなたは私の話を聞いてくれないでしょう」
というメッセージが発信される。

双方が理解しあえる会話となるには、以下の5つの段階を考えていく。
1)状況を特定し、状況を理解する
2)客観的かつ正確に状況を説明する。
3)気になることを言ってみる。
4)ほかの人の考え方に耳を傾け、好ましい変化に向けて努力する。
5)変化が起きた時に伴う利点を書き上げてみる。

詳細はマーティン・セリグマン著「ポジティブ心理学の挑戦」にある。

個人的には、日常での行いに修行があり、覚りがある、「行、住、座、臥」
という普段の人間の行動すべてが修行である、という基本となる考えは、
ポジティブ心理学と変わらないと思う。
だが、正法眼蔵の弁道話にある、
「仏法を正しく伝える宗門では、仏法が各々の資質のままに実現する誤りのない
座禅修行こそ、最上の中の最上であるとして、修行者が初めて師に参じたとき
から、焼香、礼拝、念仏、修懺、看経を用いず、ただひたすら打坐して心身
脱落することを得よと教えるのである」が、この「只管打坐」の4文字、
中々に重い。

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