2017年6月17日土曜日

柳川の民宿

柳川藩の城址を幾筋もの水路でいまだ護る、水辺の景色が美しい町、福岡県柳川。筑後川がたどり着く有明海に抱かれたこの土地でのお目当ては、日本一の干潟がもたらす独特な恵みです。
「今や希少となってしまった、有明海の干潟がもたらす独特な幸を食べていただきたいんです。柳川でしか食べられないものを味わっていただきたいという思いで、懸命にやっています」

そう話すのは、高度成長期の昭和40年代に、女性のための民宿からはじまった旅館「阿久根(あくね)」の女将、阿久根芳子さん。ご主人と長男の3人で、客室3つの旅館と食事処を切り盛りしています。
メカジャ、ワケノシンノス、ワラスボ、サブロゲ…。聞いただけではどんなものか想像がつかないこれらは、貝類やイソギンチャク、小さいけれど怪獣のような歯をもつ魚など、どれも干満差が最大6mという有明の干潟がもたらす珍味。ムツゴロウしかり、一見グロテスクに映るかもしれませんが、食べてみると実に美味なのです。粕漬けにしたり煮しめたり、焼いたり揚げたり酢でしめたり、もちろんお造りでもと、阿久根夫妻のもてなしには限りがありません。

修繕を重ねながら、ていねいに使われてきた痕跡が気持ちいい築200年の古民家の料理宿。重曹泉のお湯にゆっくり浸かれば、熟眠の夜が待っています。

晩餐は、はじめてづくしの珍味。翌朝のご飯がまた美味しいこと

ムツゴロウの煮びたし、ウナギのとろろ蒸し、ワケノシンノスの醤油煮。4種類の海藻でつくるところ天は、阿久根自慢の合わせ酢で。

柳川・阿久根のお湯ガイド

お風呂に使っているのは、地下水を沸かしたお湯。肌あたりがやわらかく湯冷めしにくい重曹泉(炭酸水素塩泉)で、皮膚疾患や火傷にいいとされる美肌の湯。ヒノキの香りがすがすがしいお風呂は、最近新しくしたばかり。

阿久根はここにあります!

西鉄天神大牟田線「西鉄柳川駅」より徒歩約8分(「西鉄福岡(天神)駅」から「西鉄柳川駅」まで約50分)

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