2017年6月2日金曜日

等持院

嵐電北野線の等持院(とうじいん)駅から静かな住宅街を散策すること約10分、足利家ゆかりの「等持院」に着く。沿線に洛西の名刹が点在し、住宅地を縫うように走る嵐電は、500円の1日フリー乗車券を求め、目的の社寺まで歩くのがおすすめ。
等持院は、室町幕府を開いた足利尊氏(あしかがたかうじ)が天龍寺の夢窓疎石(むそうそせき)を開山に迎えて衣笠山(きぬがさやま)の南麓に創建。そして歴代足利将軍の菩提寺として発展した。境内の霊光殿(れいこうでん)には、足利尊氏の念持仏と伝わる地蔵菩薩像を正面に、左右には足利歴代の将軍と徳川家康の木像が安置されている。その容貌は実物に忠実につくられているというが、一体一体個性的に表されている。たとえば金閣寺をつくった3代義満は、じつに福々しい顔だ。
 
庭園は西芳寺(さいほうじ)、天龍寺の庭園をつくった夢窓疎石の作と伝わるが、後世に幾度も改修されている。方丈の北側に尊氏の墓所があり、それを境に東西ふたつの池を中心とした庭が展開する。
 
書院から西側の庭園に降り立ち、高台に立つ茶室清漣亭(せいれんてい)に向かう。この茶室から見下ろす芙蓉池(ふようち)と方丈の眺めも味わい深い。清漣亭の東には樹齢400年余という有楽椿(うらくつばき)があり、早春から3月までピンクの花を咲かせる。苑路(えんろ)を進むと東庭に至る。ここは大小ふたつの島で亀島をなす心字池(しんじいけ)があり、閑静な佇まいを見せる。池の周辺には四季折々の花が咲き、いつ行っても目を楽しませてくれる優しい庭である。

等持院

住所/京都市北区等持院北町63 地図
TEL/075-461-5786
拝観時間/9時〜17時(受付は16時30分まで) ※無休
拝観料/¥500

0 件のコメント:

コメントを投稿