「ポジティビティとは?」
ポジティブ心理学での、そもそも、ポジティビティとは何?
ポジティビティは、「笑顔で耐えよう」とか、「心配するのはやめよう。
いつも機嫌よくしていよう」などというモットーのようなものでは
ない。そんなものは単なる表面的な捉え方なのでしょう。ポジティビティ
は人間心理のもっとずっと深いところを流れているもので、感謝、
愛情、楽しみ、喜び、希望、感謝など、幅広い肯定的な感情を含んでいる。
そして、幸せになるための大切なポイントの1つは、日常生活において、
ネガティビティを減らしてポジティビティを増やすこと。
ネガティビティとは、自己否定的な心の状態のことであり、
ポジティビティとは、自己肯定的な心の状態のこと。
ポジティブ感情の代表的な10の感情は、以下のものと言われている。
喜び(Joy)、感謝(Gratitude)、安らぎ(Serenity)、興味(Interest)、
希望(Hope)、誇り(Pride)、愉快(Amusement)、鼓舞(Inspire)、
畏敬(Awe)、愛情(love)
ただし、この中でも、「愛情」は他のポジティブの感情を全て含んでその上に
ある上位の感情と言われている。
例えば、前向きな人の話や様々な活動を見たり、聞いたりすると、
「しっかりやらなきゃ!」と強く思うのですが、それがポジティブ感情であり、
多分、多くの人は、
・ポジティビティは気分がいい
・ポジティビティは精神の働きを広げる
・ポジティビティはリソースを形成する
・ポジティビティはレジリエンス(立ち直る力)を強化する
・ポジティビティがネガティビティよりも3:1で超えると自身の繁栄になる。
しかし、心理学者は
・ポジティブ感情の特徴として、
しっかりつかもうとすると壊れてしまう。本当に移ろいやすい、微妙
なもの。ただし、それが積み重なると人生の進路を変えるほどの力を持つ。
・ネガティブ感情の特徴として、
その大きな1つが、ネガティブ感情と特定の行動との結びつきとなる。
例えば、怖れ → 逃走本能、怒り → 攻撃本能、 憎悪 → 忌避行動
というように、特定の感情が特定の行動の誘因となることが生存に結び付き、
感情が人間にとって重要なものとなったとの事。
最近、元気な企業の経営者と話していると、「最後は人であり、如何に人
を企業の中で、活性化し、有用な人に育てられるか?を考えている」
と言う話が多い。継続的な、そして、極めて重要な課題である。
最近、個人的にも、社会的レベルでも有効と言われ、その活用と効果に
期待をもたれているのが、ポジティブ心理学である。
ポジティブ心理学は、人間の健康面・人間の強みなど側面に焦点をあわせて、
科学的検証も行い、豊かな潜在能力、人間の美徳、楽観的な感情、幸福感、
未来志向などを探求するなど、心理学者セリグマン氏が提唱した新たな心理学。
セリグマンが「同じ劣悪な環境の中でも、その環境に負けずに、成功していく人
とダメな人が居ること」への疑問から、ポジティブ心理学が考えられたとの事。
多くの実証結果がある様だが、例えば、「尼さん研究」として有名なもので、
修道院という閉鎖的な場所に暮らし、生活環境が同じであることから研究対象
として好都合な尼僧たちを調査した結果、最もポジティブ度の高かった尼僧たち
と最も低かった尼僧たちとでは生存率に大きな開きが見られることがわかった、など。
そのため、ポジティブ心理学は現状の改善を目指すが、社会自体の改革を
目論むものではなく、その実践は現行の制度と共存する形で導入される。
職場レベルで言えば、従業員個人および組織の生産性を上げると同時に、
仕事への満足度を高めることが主点となるが、生産的であることと満足感を味わう
ことが両立する関係となるような価値志向の創出が主題となる。
様々な実験、検証から、組織の活性化、個人の意識改革には、有効との実績もあり、
その活用熱は高まりつつある。
個人的にも、一日を日記を書くように再現し、その時のポジティビティから自身の
行動を改善していく「一日再現法」や意識的に判断を加えることなく今この瞬間に
注意を払い認識する事で不要なネガティビティを抑える「マインドフルネス」などは、
自分の生活改善への有益な実践手法にもなっている。
多くの人が各自感じる「幸せ」とはどのようなものでしょう。セリグマン
は、以下の3つの基本要素を考えて、定量的な把握をしようとした。
・喜び⇒楽しい人生
・夢中になること⇒良い人生
・意味を見出すこと⇒意味ある人生
例えば、
意味ある人生とは、自分が考える大切なものに、どれだけ自分が貢献できているか
を指す。自分が大切だと考えるものに、どれだけ自分が役立てていると感じて
いるかが、幸せ度合いを左右する。
幸福感を高めることには、
先ずは、従来の大きな誤解を改めることが肝要である。
「頑張って成功したものにのみ幸せが訪れる」のではない。
「幸せな感情を持ち続けるものに成功が訪れる」のだ。
如何に日常の中で、ポジティブな感情(幸せな感情)を保ち、高めることが
重要であることを再認識する必要がある。
「幸せ」は、以下の3つの要素を満足するもの(セリグマン)
・喜び
・夢中になる
・意味を見出す
即ち自分にとっての幸せとは、
「自分の可能性を追求して努力する時に感じる喜び」となる。
ポジティブ感情が多く幸せである人の人生は充実している。
ポジティブ感情がその認識や行動の幅を広げると、人はより創造的に
なるだけで無く、将来も含め、有効な知的資源や社会的な資源、
身体的な資源を生み出して行ける。
自身の「幸せ」を客観的にみるのに、「日常の幸福度テスト」なるものを
セリグマンが提示している。これなどを使って自分なりに確認するのも
面白いのでは。
更に、幸福感を持続して行くには、日々の自分が、どの様な感情を持つのかを
理解しておく必要がある。
それには、7つの方法がある。
①何かを楽しみにする。
1週間先のデートでも、休暇でも、楽しみな予定を考えてみる。
②意識して人に親切にする。
ある研究者によると、1週間の中で、1日だけ、5つの親切な行為を行うと
その人の幸福度は、非常に高まるとの研究もある。
③ポジティブな感情が生じやすい環境をつくる。
先程のgoogleなどの職場環境の有効性と共に、ネガティブな感情を
起こさせない環境作りも考えるべきである。
④運動する
⑤お金を使う
モノを買う行為では無く、経験を買うという意識に変える。自身の知識や
スキルアップへの投資である。
⑥固有の強みを発揮する
24の性格的な強みからその人が持つ固有の強み上位5つを見つける
総合的な調査方法がある。これにより、自身の強みをキチンと
認識し、行動する。
⑦瞑想する
5分間の瞑想により、人はより安らかで満ち足りた気分となり、
知覚と共感が高まる。先ほどのマインドフルネスのエクササイズに使われる
やり方が参考となる。
いずれにしろ、各自が出来る範囲でやってみる事が肝要であろう。
「ポジティブを組織活性化へ適用」
個人のポジティブ感情を高めることは重要であるが、これを組織の活性化に
使えないかと言うテーマがポジティブ心理学にはある。
以前にも述べたが、セリグマン氏は、
「ポジティブ心理学は現状の改善を目指すが、社会自体の改革を目論むもの
ではなく、その実践は現行の制度と共存する形で導入される。
職場レベルで言えば、従業員個人および組織の生産性を上げると同時に、
仕事への満足度を高めることが主点となるが、生産的であることと満足感を味わう
ことが両立する関係となるような価値志向の創出が主題となる」である。
その大きな成果として
ロサダラインによる組織活性化の考え方がある。
ロサダ博士の研究チームは、60のマネジメントチームがそれぞれ年間の経営目標
や戦略を組み立てる様子を会議室のマジックミラー越しに観察し、各チームが
どのような言葉を用いて議論したかに注目して
1)ポジティブかネガティブか(励ましなど協力的で前向きな言葉が聞かれたか、
または皮肉や嫌味などの後ろ向きの言葉が聞かれたか)
2)自分向きか他人向きか(目の前の発言者やグループに言及したか、またはその場
に不在で自社にも関係のない人物やグループに言及したか)
3)探求か弁護か(状況改善に向けて質問を行ったか、または発言者自身に偏る議論に
終始したか)、
という三つのチェックポイントから分析した。
その結果、60のチームのうち25%に相当する15のチームをハイパフォーマンス
チームとして特定したのだが、彼らは確かに生産性、顧客満足度、上司や部下、同僚
からの社内評価という三つの主要な経営指標においても高得点をマークした。
さらにこれらのチームについてポジティブ感情(P)とネガティブ感情(N)の割合を
算出したところ、P:N=約6:1という、ポジティブ感情が際立つ形での比率が見られた
(ただし、ポジティブ度が高ければ高いほどよいということはなく、あまりに高い値
では逆に障害が出る)。
ちなみにいずれの経営指標でも低い得点を見せた、全体の30%に相当する18の
ローパフォーマンスチームでは、ポジティブ感情比が1を割ってP:N=約0.75:1
(ちなみに離婚に至る夫婦の場合はP=0.5)、そして経営指標の得点にばらつきが
見られた残りの混合型チームにおいてはP:N=約2:1という比率が算出された。
ロサダ博士がこのときの3タイプのパフォーマンスチームについて数学モデルを
用いてグラフ化している。P/N比を検討していくと、数学の世界では真実が美と
して表現されることを想起させられるかのような美しい蝶のような形が浮かび出る。
結果的に、平均レベルで人間がうまく機能するためにはP:N=約3(2.9013):1の
割合を保つことが重要であることがこの研究から判明した。
社員がうまく機能するP/N比の実現を目指して、ポジティブ度を上は約3または
それ以上)から下は約1という「ロサダ・ゾーン」を目安にしての企業向け
トレーニングが行われ、成果を挙げている。
例えば、70人の社員が居れば、ポジティブ感情の強い人を60人ほどにすれば、
組織としては上手く成果を上げていくが、50人ほどでは、停滞する可能性が
高い事になる。
人々の人生が上昇スパイラル(気分は高揚し、生き生きしている。行動は自由
で独創的で、どんどん成長していく)に乗り繁栄に向かうか、下降スパイラルに
乗って沈滞に向かうかの形勢をどちらに傾けるかの転換点がこの数字です。
何人かの学者が微妙で捉えどころのないポジティビティだが、その日常での頻度
が3:1を超えると繁栄に向かうことを実証的データに基づき確認したと
言われている。
ポジティビティとネガティビティは対称的ではなく、ネガティブ感情は
ポジティブ感情よりも強く感じられるため、ネガティビティを日常で頻繁に
感じていると誤解しがちだが(心理学ではこれを「ネガティビティ・バイアス」
と呼ぶ)、実際には多くの人たちの日常の大半は、「ほどほどにいい状態」
にあると言う。それでも、大多数の人たちの比率は約2:1、うつ的な状態にある人
(1割程度)は1:1かそれ以下であり、繁栄に向かう3:1以上の人は5人に
1人以下という結果が報告されている。
「ポジティビティ比に転換点がある」というのは、画期的な視点となる。
ポジティビティの効果が微弱であることは、分かっていたが、学者の中には、
「たとえ、かすかでも何らかの効果はあるはずなのに、それがさっぱり現われない
ときがある」と言われてもいた。
転換点という考え方は、これらの現象に解を与えた。
3:1以下のとき、ポジティビティは、ネガティビティの強大な力に圧倒されて
何もできない。3:1を超えたときにようやく、非力なポジティビティは数の力で
何とかネガティビティに打ち勝つことができる。ポジティビティが蓄積され、
組み合わさって、転換点に到達すると、そこまできてようやく、驚くべき効果が
生活のなかで実感できるようになる。また、上手くいっている夫婦のポジティブ比は
凡そ5:1であり、うつ病患者のポジティブ比は凡そ1:1とのデータもある。
それぞれが独自に研究されてきたものだが、結果には一貫性があった。
面白い人間行動であり、人間とは奥深い。
ただし、ここで注意すべきは、比が「3:0」ではないところであり、ネガティビティ
もまた大事となる。ネガティビティなしの「繁栄」などはない。どれほどポジティブな
人でも、大切な人や物を喪失すれば、涙を流すのは当然でであり、不当な行為に対して
怒り、危険を恐れるのお自然なこと。汚い物や残虐行為を目にすれば、不快になる。
3:1という比のよいところは、さまざまな人間の感情を包括する幅を持っている
こと。何でも多ければ多いほどいい、というものではないと心理学者は言います。
ポジティビティも多過ぎれば、それなりに問題が起こるでしょう。
第一、望むと望まないとにかかわらず、ネガティビティは私たちの生活に入り
込んでくる。実際、「繁栄」する人生を作るために「適切なネガティビティ」
はなくてはならない要素となる。
ポジティビティとネガティビティが適度な割合で組み合わさった場合は、
これら相反する力が、人を力強く現実的にし、腹の据わった状態にする。
適切なネガティビティが、必要に応じて引き戻してくれるため、現実を
見失わずに済み、心から感じるポジティビティが浮力を与え、「繁栄」に
向かって押し出してくれる。
具体的に組織をロサダラインレベルにするには、ネガティブ指向とポジティブ指向
の人の配置が重要ではあるが、以下の点を配慮する必要もある。
1)ポジティブ感情がおき易い環境作り
これは、以前の記事にも書いたので省くが、たとえば、googleなどの企業や
ベンチャー企業の職場環境(遊び感覚のスペースなど)を楽しいものに整えたり
しているのも、社員が束の間ではあるが、幸福感を味わうたびに、ポジティブ感情
が生じ、創造性と革新性が高まるからであろう。
このポジティブ感情アップのお陰で、有効な解決へのヒントも出てくる。
2)関係性を高める
周りの人々とどのような関係を築けているかという、関係性。
人間が生きていく上で、他者との関係性がその人の人生に与える影響は絶大であり、
その関係をどれだけ楽しく、お互いに支え合えるような関係を築けているか。
3)意味付けをキチンとする
自分の人生に意味を見出せているかは、よく生きる上で重要となる。
周りから見るとどんなに大変に思えるようなことであっても、自分が考える大切なもの
に貢献できていれば、その人にとっては幸せな人生となる。
人が生きていく上で意味を見出すということが大事となる。
4)達成目標を与える。
生きていく上で大きな目標、小さな目標たくさんある。
目標を達成することで、私たちの人生は満たされて行く。
目標を持って生き、その目標を達成することで、人生を豊かにすることが出来る。
単純に頑張ろう精神ではなく、個人、組織活性への要因、要素を明確にすることで、
より効果的なアプローチも可能となるのではないだろうか。
こんな事例もある。
ザンダー氏は、自らが講師を務める音楽院で、毎年、新年度のはじめ
に、60人の音楽家の卵たちに「A」という文字を書かせる。「A」という文字
とともに成績が授与される学年の最後の日の日付も書かせる。そして
学生自身に説明させ、「A」をもらった自分に「惚れさせる」。「取れないので
はないか」とささやきかける自分の声を完全に念頭から追いやるようにと指導する。
結果的に、学生たちは外からの期待に添うように頑張るのではなく、「A」という新
たな「未来の現実」の中に自らを見出して頑張るようになるという。
また、ショーン・エイカーは、「幸福優位の7つの法則」で個人、組織が上手く
活動できる7つのポイントを述べている。
ここでは、以下の3つについて確認したい。
・心の持ち方を変えていく。
自分の能力を信じることができる人は成功する。仕事に対するポジティブな
心の持ち方は、パフォーマンスに影響するだけでなく、能力を向上させる。
人の生き方に仕事の意味や自他の期待が影響する。
例えば、社員に自身の「職務記述書」の書き換えをしてもらい、自身の人生
の目標について考えてもらう。
・ピグマリオン効果の適用
誰かの可能性を信じれば、その可能性を高める。組織とそのメンバーの能力を
アップする。
ただし、リーダは以下の心がけが必要となる。
①部下の知性とスキルは、固定したものではなく、努力によって、改善できる
と信じていること。
②部下が仕事に意味と満足を見出したいと思っていることを信じている。
③自身の日々の行動や言葉によって部下にその信頼を伝えている。
・ソーシャルへの投資(仲間の大事さ)を奨める。
仕事ができるようになるには、自分ひとりで集中ればよいと思いがちだが、
それは間違っている。仲間を持っている人の方が、いい仕事ができる。
ストレスや困難な状況を打破するには仲間が必要だ。
人間関係はレジリエンスの最重要要素のひとつだ。学習の時間、仕事の時間を
ふやせすことだけではよい仕事はできない。仲間が大事。仲間が生き残りと
繁栄を約束する。
組織の活性化している企業では、人間関係への投資をキチンとしている。
例えば、社内寄付制度や社員支援基金など、具体的な施策を実施している。
また、社員同士の絆が自然に生じるような時間と場所の提供をしている。
最近、人の能力とは凄いものとあらためて考えさせられている。しかし、組織を
預かるものは、往々にして自身の狭い智慧と器量の中で、組織を動かしている。
出来れば、ポジティブ心理学の考え方を取り入れ、自身の考えもあらためて
新しい活気ある組織を創ってもらいたい。
「老醜に勝つ!先ずは8つの行動」
男性の健康寿命は、70.5歳とのこと。
そして、この寿命を伸ばす最大の要因は、社会参加をキーワードとした個々の
意識アップのようである。ただ、男性の場合は、単に集まるような事には、
ほとんど関心が薄い。できれば、最後まで、仕事をしたいという気持が強い。
即ち、自身の役割分担を明確にして、それに、合わせた社会参加の形が
一番、望ましいようである。でも、受身ではその参加すらままならない。
現役を退いたとはいえ、「意識、知識、行動」の壁を破る事は必要である。
私自身の想いである老醜70歳も心の元気さがなくなる時期なのである。
そして、これは、心の持ち方が大きい。この考えは、ポジティブ心理学の
基本と同じであろう。
すでに、高齢者と呼ばれる65歳以上は、3000万人以上となり、
この人々とともに、国は衰退して行くのか?
私の周辺でも、自身これから、どうすべきか?悩んでいる方々が
多い。しかし、何を、どうやれば、が分からないのである。
ポジティブ心理については、セリグマン他の著作で、さらに、
深く学べばよいが、「人は、一日6時間以上、誰かと一緒にいると、
幸せになる。そして、幸せは、その人の人生の選択肢を広げる」
と言われている。
ここでは、「ハーバードの人生を変える授業」で、タル・ベン
・シャハーがポジティブの考え方をベースにした自身の行動改善、
それによる新しい自分作りのやり方について述べている。
自分たちを取り巻く世界、社会をよく理解し、状況に上手く対処する
事は、肉体的な年齢とは、関係なく、自身を1つ上へアップする事になる。
実践すべき日々の行動(今回は8つまで)
1)感謝ノートを創る。
この1週間、感謝することを毎日5つ書き留める。
書いている事を目の前に浮かべたり、書きながらもう一度その経験を
している様に感じる事が重要となる。
2)自分に有効と思う習慣を実行する。
習慣を作るには、自身の確固たる価値観により、決められた行動
を、特定の時間に行うことが必要である。これをすれば、自分がもっと
幸せになれると思う2つの習慣を考え、実行すること。
例えば、
2日に一度は、2時間を趣味に充てる。毎日30分は運動する。
週に一度は、美味しい店に、友達と出かける。 などなど
これを無意識に出来るようになるまで、続けること。
マインドフルネスの基本である瞑想を毎日10分ほど行うのもよいかも。
3)行動表を記録する。
2週間、毎日の行動を記録する。
一日の終わりに、その日に何にどのくらいの時間を使ったかを書き出す。
例えば、
テレビを見るのに2時間、昼寝に2時間、など一日の様子
が分かる程度でよい。
これを更に発展させるとポジティビティ改善の一日再現法が出来る。
4)思いやりの心を持つ。
人を助けるなど他の人に約に立てば立つほどに、自身の幸福感は、
大きくなる。誰かのために思いやりのある行動をして、感謝された時の
事を思い出す。
ただし、それを静かな場所で心を落ち着かせて、心地よい状態で行うこと。
日常の自身の幸福度を知っておく事も重要である。
5)過去のつらい経験を書き出す。
人生で、もっとも怒りを感じ、それが心のしこりとして残っている経験を書き出す。
この場合は、4日間に、毎日15分間ほどの少し時間を掛けた形で行う。
素直に自分に向かい合い、逃げたいと思うこと、そのつらさから学んだ事が活かせる。
6)自身の生活スタイルを再確認する。
先ずは、自分の時間の使い方を見直す。過去の2週間の行動を書き出して、
「止めらるもの」「断れるのを引き受けた」「インターネットの時間が多すぎた」
などを「意義ある時間」「楽しみの時間」で選別する。
将来の役に立ち、現在も楽しめる活動をしたことを思い出す。
この場合も、4日間に、毎日15分間ほどの少し時間を掛けた形で、書き出す。
例えば、
目の前の楽しみだけを求めて過ごした日々の体験
悲観的になって投げ出して自堕落な生活をしていた時期
7)自身にとって、価値ある行動
自身にとって、意義深く、楽しいこと、幸せにしてくれることをリストアップする。
例えば、
家族との夕食の時間、一人静かに音楽を聴く時間、など
その項目に対して毎月どのくらいの時間を使っているか?
を書き込む。
項目の中で、8割以上の満足感を与えてくれる項目を2割ほど選択する。
(自身の価値と実際の行動が合っているかの検証)
8)一歩踏み出す
やりたいと思っていながら、失敗を恐れて、出来ていないことを実行する。
人に親切にしたり勇気ある行動をしたりすれば、自身への考え方が変わり、
より勇気ある人間だと感じるようになる。
例えば、
地域で困っていることへの解決を進める、町内の掃除をする、地域行事に参加する
「自分を少し変えるには?何をする」
ここでは、「ハーバードの人生を変える授業」で、タル・ベン
・シャハーがポジティブの考え方をベースにした自身の行動改善、
それによる新しい自分作りのやり方についての残りの実践項目について
まとめて行く。
自分たちを取り巻く世界、社会をよく理解し、状況に上手く対処する
事は、肉体的な年齢とは、関係なく、自身を1つ上へアップする事になる。
ポジティビティを上げるには、いくつかのやり方があるのであるが、その基本
となるのは自身の強みを見つけそれを有効に使うことが重要となる。
そして、その強みとは6つのコアとなるものの認識が必要となる。
①知恵と知識に関する強み
②勇気に関する強み
③人間性に関する強み
④正義に関する強み
⑤節制に関する強み
⑥超越性に関する強み
ここでいう実践すべき行動はこれらのどれかにあたるものであり、日常の中で
これに意識と行動を高めることが自身の強みをさらに活かせることになる。
前回の8つの実践項目とあわせ、考えてもらいたい
9)感情を素直に出す
日本人は特にそうであるが、親や周りの大人から「感情を隠し、抑えるように」と
言われたであろう。ここでは、怒りや喜びなどの感情が出てきたとき、それを理解
しようとしたり、変えようとしたりするのではなく、あるがままに受け入れ、
そのままにしておく。
10)人間関係を見直す
文章完成のワークが有効である。
1つの前半文章に対して、3つの後半文章を創る。
それが、意味をなすのか、矛盾が無いか、などを考える必要は無い。
心に浮かんだままに書き出すこと。頭で考えるのではなく、見える形に
することが必要である。
最後に、書き出した文章について、自身にとって大きな意味のある
文章を選別し、それを実行すること。
例えば、
あの人との関係をもっと親密にするために、、、、、、、、、
別の考え方をするとすれば、、、、、、、、、、、、、、、、 等
ここで書かれた不安な感情を以下の形で和らげる子とも必要である。
①自身が人間であることを許し、起こった出来事とそのときに感じた
感情を素直、あるがままに受け入れる。
②その出来事がもたらした良いことが何かをジックリと考える。
③その状況を広い視野で眺めなおす。
11)親切な行動をする
適当な日を決めて、普段より5つ多く親切な行動をする。
ショーン・エイカーの7つの幸福課の中でも、是がある。
ある研究者によると、1週間の中で、1日だけ、5つの親切な行為を行うと
その人の幸福度は、非常に高まるとの研究もある。
12)感謝する。
お世話になった人に感謝の気持ちを表す手紙を書き、その人を訪問
して手紙を読み上げる。
①感謝している人の名前をリストアップ
②手紙にその人がしてくれたことを素直に書く
③その時の気持ち、今の気持ちを書く
④手紙を出す。
感謝の手紙は毎週1回書くこと。
感謝と言う行為はポジティビティアップには重要な要素であり、感謝度を
測るという手法も紹介されている。
13)自身に優しくする。
生きていく中で、自身に対して、もっと思いやりや許しの心を
持つこと。基本は10)と同じかもしれない。
以下の文章の後半を3つほど、思いつくまま書くこと。
例えば、
自分に対して、あと少し優しくするためには、
周りの人にあと少し優しくするためには、
自尊心を高めるためには、
14)本来の自分を知る。
本来の自分に戻る時間を持つこと。
信頼する友人に気持ちを語ったり、心に浮かぶあらゆることを
日記に書いたり、自分の部屋で一人で過ごす時間を作る。
以下の文章の後半を最低6つづつ、思いつくままに書く。
例えば、
自分の気持ちにあと少し正直になるためには、
自分が恐れていることにあと少し気付くことが出来れば、
あと少し本来の自分に戻るためには、
文章をジックリ見直し、実行すること。
また、この行動の一つとして、自身の「分からない」を受け入れるもある。
知らないものへの不安を畏敬の念、驚きの気持ちに変える。
「ただ歩くこと」を習慣とするのが、重要といわれている。
外に出かけ、ただゆっくりと時間を過ごす。そこから、街の
息遣い、静けさ、森の生命力など、五感を最大限に使い感じる。
以下の手順の実践で、今、自分が感じていることを感じるままに
受け入れること。
①楽な姿勢で座る。
②深く域を吸い、ゆっくりと吐く。
③自らの感情、感覚に集中する。
④自分を許し、あるがままに自身を解放す。
⑤想像の中で、様々な感情を味わう。
15)自身の可能性を信じること
我々の能力は、柔軟で、生きているうちに変えることが出来るもの。
自身の能力や技能で、何かのきっかけから低く見てしまう様に
なった経験を5つ書き出す。
ある小学生のグループにした実験では、「もって生まれた知的能力よりも
努力を褒める言葉をかけられたグループの生徒のほうがより幸せを感じた、
と言う報告がある。
16)失敗から学ぶ
失敗をしたくないので、決断をしたくないと思うのは、当然の
行動であり、それが自信の行動やポジティブへの意識を低下させている。
過去1年間で、自身の決断が直接の原因で、失敗した物の中、
最悪のものを3つ書き、その失敗によって得た気付きを書き出す。
17)現実的に出来る事を知る。
自身の今後の活動を考えた場合、したいことを全てするのではなく、
大切な自身の分野の中で、どの程度の活動が「ちょうど良い」
のかを考える。
「諦めること」が重要な姿勢であり、何を諦めるか、何が絶対必要か
を決め、絶対に必要なものを「ちょうどリスト」に書き出す。
18)幸せを阻む内的外的要因を排除する。
多くの人が、幸せになろうとするとき、最大の障害となるのは、
人が「自分には、幸福になる価値が無い」と考えてしまうこと。
以下の文章の後半部分を思いつくまま書き出す。
例えば、
私の幸せを妨害しているものは、
他人の価値観を拒否すれば、
もし私が成功すれば、
自分の価値を高く評価すれば、
分かり始めてきたことがあります。それは、
いくつでも良いので、直観的に文章を書くこと。
完成した文章を週の終わりなどに見直し、どのように行動する
のか決めること。
自分をもう少し変えて行きたいと思う方は、一日再現法と言うのがある。
以前にも紹介しているが、ここに再掲する。
人は、何か上手くやれば、幸福感に浸されるし、失敗すれば、その逆もある。
しかし、全体的に自分の高揚感(ポジティブ)を上げるには、それなりの努力が
必要でもある。
ここでは、ポジティブ比の自己診断(インターネットでの診断が出来る。
具体的には、最後にあるポジティビティ比の自己診断テストのサイトに
アクセスすること)を一日再現法と言う手法にて自身の理解を深める。
まずは、2)から4)までをやっていると次へ進めるのでは、と思う。
要はこのような行動の習慣化が重要なのでは、と思う。
その流れ
1)ポジティビティ比の自己診断テスト
自己診断のサイトを開き、個別ごとのエピソードの診断を
出来る様にしておく。
2)昨日の行動を思い出す。
ただし、この一日再現法を事前にやるとの意識は持たないこと。
1日を順序を追って思い出すと上手く行く。
3)一日を日記を書く様に、再現する。
起床から就寝までを細かいエピソードに分けて行く。
4)各エピソードに番号をつけ、その行動時間と内容についてメモをつける。
たとえば、7時から7時30分まで、食事とか10時から12時までは、資料
作成とか、、、、、、。
開始と終了時間は厳密である必要はない。
5)各エピソード毎にポジティブ比の自己診断ページにてその比を
出す。
6)全体型ポジティブ比の算出
すべてのエピソードの2以上のポジティブ項目数をまとめる。
次は、すべてのエピソードの1以上のネガティブ項目数を数える。
その比は、ポジティブ項目数をネガティブ項目数で割ったもの。
7)エピソード毎のポジティブ比の算出
最もポジティブ比の低いものから高いものへと並べる。
エピソードを個別にランク付けすることにより、自身の
ネガティブに気付くことやポジティブに気付くことが出来る。
ポジティブ比は、意志と努力によるライフスタイルの転換が
有効とわかって来ました。
状況とそれをどの様に解釈して行動するか、の組み合わせなのです。
基本は、この思考の習慣化なのです。
多くの人のポジティブ比が3:1の閾値(ある反応を起こさせる最低の刺激値)
を超えると、単に幸せで満足だと言うだけでなく、創造性が豊かで、
立ち直りが早く、生産的で、日々成長していける人になれるのです。
ポジティビティ比の自己診断テスト
https://www.positivityratio.com/index.php
サイトは、英語版なのでテスト項目を訳書から抜粋します。202ページ
今のあなたのポジティビティ比はどのくらいでしょうか?試しに測ってみましょう。
「自己診断テスト」で、現在のポジティビティ比を調べることができます。
「過去24時間にどんな感情を味わいましたか?」。1日を振り返って、
それぞれの感情を最も強く感じた度合いを「0~4」までの数字で答えてください。
0=まったく感じなかった
1=少し感じた
2=中くらいに感じた
3=かなり感じた
4=非常に強く感じた
1 面白い、愉快、バカげていておかしい
amused, fun-loving, or silly
2 怒り、いらだち、不快
angry, irritated, or annoyed
3 恥辱、屈辱、不面目
ashamed, humiliated, or disgraced
4 畏敬、驚異、驚嘆
awe, wonder, or amazement
5 軽蔑、さげすみ、見下す気持ち
contemptuous, scornful, or disdainful
6 嫌悪、嫌気、強い不快感
disgust, distaste, or revulsion
7 恥ずかしかった、人目が気になった、赤面したこと
embarrassed, self-conscious, or blushing
8 感謝、ありがたい気持ち、うれしい気持ち
grateful, appreciative, or thankful
9 罪の意識、後悔、自責の念
guilty, repentant, or blameworthy
10 憎しみ,不信、疑惑
hate, distrust, or suspicion
11 希望、楽観、勇気
hopeful, optimistic, or encouraged
12 鼓舞され、高揚感を覚え、元気づけられたこと
inspired, uplifted, or elevated
13 興味、強い関心、好奇心
interested, alert, or curious
14 うれしさ、喜び、幸せ
joyful, glad, or happy
15 愛情、親しみ、信頼
love, closeness, or trust
16 誇り、自信、自分への信頼
proud, confident, or self-assured
17 悲しみ、落胆、不幸
sad, downhearted, or unhappy
18 おびえ、恐怖、恐れ
scared, fearful, or afraid
19 安らぎ、満足、平穏
serene, content, or peaceful
20 ストレス、緊張、重圧感
stressed, nervous, or overwhelmed
自己診断テスト(英語)
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など
「やる気を育てる、マインドフルネスなど」
ここでは、自身でまずやれる実践的な項目のいくつか紹介をする。
上手くこなせば、やる気が満ちてくると思うが。
1.自然とのつながりを持つ
外に出かける。散歩やジョギング、スポーツや遊び
ガーデニングに取組んだり、動物を育てる
アウトドアスポーツをする
自然は我々をそのまま受け入れ癒してくれる。
2.マインドフルネス瞑想を行う。
1)マインドフルネスとは
インドフルネスという言葉は、行為を指して使われることもあれば、
精神状態を指す場合もある。ここでは、集中力を研ぎすます脳の
トレーニングとして、マインドフルネス瞑想という「行為」として
考える。
これには大抵の場合、いつもより呼吸を意識するという方法をとり、
こうして鍛えた脳は、瞑想後も長い間、マインドフルな「状態」で
いられるようになる。マインドフルネスの状態にある時は、自分の
まわりで起こっていることに、意識を完全に集中できている。
なお、後述するように、マインドフルネスの実践には、瞑想のほかにも
いくつか別の方法がありますし、瞑想にもたくさんの種類がある。
ポジティブ心理の瞑想でも、具体的な指示をすることになる。
2)マインドフルネスの基本
マインドフルネスとは、単純に言えば、その一瞬に全力を傾けること。
一般に言われる、マインドフルネスについては、
「今という瞬間に、余計な判断を加えず、自分の人生がかかっている
かのように真剣に、意識して注意を向けること」
と定義している。
シンプルな定義だと思うかもしれませんが、現代の混沌とした世界では、
何かに100%没頭することなど容易ではない。それは、同僚から同じ話を
聞かされて、もう3度目になるという時でも、ほんのわずかでさえ気を
そらさずに聞き入ることや、皿洗いや「バス停までの道」のような身近な
状況でも五感をフル稼働させることを意味する。
以下にその効用を上げてみる。
①常に新しいカテゴリーを創造する:マインドフルネスな状態であれば、
旧来の分類方法やレッテルにとらわれることなく、状況や文脈に注意を払い、
新たな特徴を見出すことができる。
例えば、レンガを単なる建材と見るのではなく、ブックエンドや武器、
ドアストッパーなど、いろいろな利用法を思いつくことができる。
②新たな情報を積極的に受け入れ、物事をさまざまな視点から捉える。
マインドフルネスな状態は、カテゴリーを創造できるだけでなく、常に新たな
情報を受け取り、新たな可能性に対してオープンになることも意味する。
例えば、あなたとパートナーはいつも自分のやり方にこだわって、同じこと
で喧嘩ばかりしているかもしれません。けれども、相手の視点に対して
オープンになることで変化が生まれる可能性がある。
③結果よりも過程を重視する:マインドフルネスな状態は、結果について
あれこれ心配するのでなく、ひとつずつのステップに意識の焦点を当てる
状態。
例えば、テストの出来を心配するより、その教科を本当の意味で学ぶこと。
つまり、マインドフルネスとは、すべての経験に焦点を合わせ、より意識的
になることであり、「だから何?」と思う人もいるが、マインドフルネスを
高めれば、集中力が増し、創造性や幸福感、健康、リラックス感が高まり、
もっと自分をコントロールできるようになる可能性がある。
生活上での例では、減量や健康的な食生活に役立つ。
マインドフルネスの考え方を食事に当てはめれば、五感をフルに使いながら、
一噛み一噛みを意識してゆっくり食べることになり、この食べ方を実施した
被験者たちのカロリー摂取量は、空腹時でさえ、対象グループに比べて低く
抑えられた、との研究成果もある。
残念ながらマインドフルネスは、直ぐにその成果が出るものではない。
けれども、徐々に高めていくことはできる。
マインドフルネスを実践するには、どんなに忙しくても、どんなにストレスの
たまる状況でも、いつも意識を研ぎ澄ましていなくてはいけない。
例えば食事中であれば、フォークを置くたびに、「一噛み一噛み味わって食べる」
という目標を思い出すようにするとか、職場でなら、「1時間ごとの時報」など
のリマインダーを設定して、ちょっと休憩をはさむと良い。
ほかの実践方法を見ても、感謝の心を持つ、物事をコントロールしようとしない、
など、意外に簡単なものがあり、ポジティブ心理では、他にも様々な手法を
考えている。
3)マインドフルネスの実践に向けて
具体的には、以下の6つのステップがある。
①背筋を伸ばして座り、足を組んで、視線を下に向ける。
②自然に浮かんでくる思いと、人為的な考えとを区別する。
③三繰り返し過去を思い出したり、未来への不安で気が散るようなら、
それそれを最小限に抑えるために、こう考え直してみる。
「過去も未来も、現在の私の心の中の想像にすぎない」。
④瞑想中は、ちょうど船の「錨」のように、呼吸が集中をつなぎ止めてくれる。
⑤息を吐くたびにひとつ数を数え、21まで数えたらまた1に戻ります。
⑥思いが浮かんでくるのを無理に抑えようとせず、心を自然に任せる。
この一連の手順は、マインドフルネス瞑想として知られており、
マインドフルネスを育む最高の方法のひとつ。
これは一種の脳のエクササイズで、普段の生活を送りながらでも実践できる
(続けやすくするひとつの戦略は、シャワーや犬の散歩など、毎日の日課の
最中にこの訓練を行うこと)。
3.ポジティブな感情を引き起こすポートフォリオを作る
ポジティブが高まった時、ネガテォブになった時、
その時に関係した写真、記事、その時の情景描写など、関係する多くのものを
蓄積して行き、後日、特に、ポジティブ性が高い時の記録を見直す。
以前にも出た10のポジティブ感情の喜び、感謝、安らぎ、興味、希望、誇り、
愉快、鼓舞、畏敬、愛 をもたらすもの。
「どこで何をしていたのか?」
「きっかけは何だったのか?」
「どんなことが起きていたか?」を具体的に思い出す
写真、手紙、引用文、詩、思い出の品などをポートフォリオに入れる
人生のいい瞬間を思い出す。
マインドマップ手法の基本でもある、人の連想力の活用である。
残っていた情報から、自身のポジティブ性が高い時を連想し、
現時点でのポジティブ状態を、さらに、引き上げるのである。
これを「ポジティブポートフォリオ」と言う。
ポジティブポートフォリオの作成について
・記録データのほとんどは、写真となる。
・現在のサービス機能から考えれば、pinterestが一番である。
他にも、同様のサービスはあるが、その広がり、影響具合、自身の慣れ、
などから望ましいサービスと思う。
・ポートフォリオである以上、基本軸の決め方が重要となる。
ポジティブな感情には、10(16とも言われるが)あるとのこと。
1)現在に対するのは、
・興味
・愉快
・喜び
2)未来に対するのは、
・希望
・安らぎ
・感謝
3)過去に対するのは、
・誇り
・鼓舞
・畏敬
に区別している。愛は上位の感情。
自分の心の動き動きをpinterestページで、以下の様な4象限に投稿し、
ちょっと視点でも見える。
先ほどの例の様に、9つある感情を、4つの軸に分ける事で、自分の
内的な変化をフォローするには、適切かもしれない。
例えば、家族・友達から貰った言葉・手紙・メール・カード
泣けてくるビデオ(Youtubeや自作)
過去に感動した出来事、成功した話のリスト
何度思い出しても笑ってしまう話リスト(友達・家族)
いい思い出のつまった音楽・写真 などなど
4.自分を全体的に見ていくという点でのパーソナルキャンバス化
パーソナルキャンバスはその名のとおり、ビジネスモデルキャンバスを個人版である。
9つの要素がビジネスの場合と以下のように、少し違ってくる。
①「誰の為に役に立つのか」
要するに、あなた自身のお客さんは誰なのか?ということ。
②「自身のリソース」
もっている個人のリソースはスキル、知識、関心ごとなど。
③「主な活動」
やっている仕事について書く。
④「どのように役に立つか」
①で書いたお客さんに対してどういった価値を提供しているかを書く。
例えばITシステムを構築すること自体は価値ではなく、②である。
ITシステムを構築し、その結果として業務効率が改善されるなどが価値である。
⑤「価値を認知させ、届ける手段」
①で書いたお客さんにどうやって価値を知らせるかを書く。
⑥「コミュニケーションの取り方」
どうやってお客さんと関わっているか、になる。対面での打合せ、メール、電話、
SNSなどいろいろある。
⑦「支援者・協力者」
あなたのビジネスを支援したり協力してくれる人たち。
⑧「得るもの」
ほとんどの場合は「給料」が該当するが、お金以外に何を得ているのかを意識する
コトも必要。
⑨「自己投資」
時間や学習のための費用(書籍代、研修代)などがある。
これからのキャリアで重要なこと
「誰と繋がり、何をして、誰の役に立ちたいのか?」。
特に重要なのが、キーリソースが自身(興味・スキル・個性・財産など)を示すと
いうこと。コレには、1項のポジティブ心理的な自己診断結果も大きなリソース
となる。コストや報酬の要素には、ストレスや満足度など数値化できないものを
含めることであり、2項のポートフォリオの実践も有効な手段でもある。
単に、手法的なばかりではなく、自身の心理的要素、自身を取り巻く社会環境
要素がこのキャンパス作成には、問われると思う。
それが、ビジネスキャンパス作成と大きく異なるかもしれない。
このキャンパスを有効にするには、出来上がったキャンバスのいくつかをピック
アップし、参加者全員で意見交換を行い、ワークを通して明るみになった課題を
どのように解決すべきか、参加者同士でコメントを出しあい、相互にアドバイス
を行うのが有効である様だ。キャンバスを共有することで、課題に対する解決策
を参加者同士が共有・提供し合い、自然とグループが出来上がっていく。
この様子は、課題を共有し解決することで、「ゆるやかなコミュニティ」が
生まれていくような感覚があり、今後の新たな働き方、仕事を通じての人との
繋がり方を考えさせられる。
パーソナルキャンバスの作成手順は、色々とある。例えば、現状とは全く異なる
理想のキャンバスを作成するコトも有効である。初めにキーリソース書き出し、
次にその中から1つ選ぶ。選択した1つのキーリソースに合わせて、キャンバスを
理想のパーソナルビジネスモデルへと、全て書き直していくのである。
既存のパーソナルビジネスモデルでは得られなかった「自分が何に対して情熱
を注ぐことが出来るのか」ということをワークの中で発見し、モデルを
組み立てるのである。
自身のキーリソース(興味・スキル・個性など)を軸に、「誰にどう貢献できるか」
という視点から、個人の働き方を再設計・再構築する。しかし、今後の雇用環境
では、テクノロジーの発展やグローバル化によって、雇用数や給与額が減少する
と言われている。このような変化を含め、社会変化をキチンと認識することの
必要性を改めて感じることである。
「自分の楽観の程度は?強みは?どこにある」
世界的に美徳とされているものに以下の6つがあるとされる。これは様々な文化、
宗教、風土に関わらず人類に共通したものといわれる。それには、「知恵と知識」
「勇気」「愛情と人間性」「正義」「節度」「精神性と超越性」がある。
そして、この美徳を構成しているものが以下の24項目となり、個人の性格
の強みとなる。
セリグマンの「世界で1つだけの幸せ」から自分の強みを見つけて欲しい。
1.知恵と知識
①好奇心と関心
・常に世界に対する好奇心を持っている。
・直ぐに退屈してしまう。
②学習意欲
・何か新しい事を学ぶとわくわくする。
・わざわざ博物館や教育関連の施設などに出かけたりはしない。
③判断力、批判的思考、偏見のなさ
・話題に対してきわめて理性的な考え方が出来る。
・即断する傾向にある。
④独創性、創意工夫
・新しいやり方を考えるのが好きだ。
・友人のほとんどは自分より想像力に富んでいる。
⑤社会的な知性、個人的知性
・どんな社会的状況でも適応する事が出来る。
・他の人が何を感じているかをさっちするのは余り得意ではない。
⑥将来の見通し
・常に物事を見て全体を理解する事が出来る。
・他人が自分にアドバイスを求める事はめったにない。
2.勇気
⑦武勇と勇敢さ
・強い反対意見にも立ち向かう事がよくある。
・苦痛や失望にくじけてしまうことがよくある。
⑧勤勉、粘り強さ、継続的努力
・やりはじめたことは必ずやり終える。
・仕事中に横道にそれる。
⑨誠実、純粋、正直
・約束は必ず守る。
・友達から「地に足がついている」といわれた事がない。
3.人間性と愛情
⑩思いやりと寛大さ
・この1ヶ月間に自発的に身近な人の手助けをした。
・他人の幸せに自分の幸せと同じくらい興奮する事はめったにない。
⑪愛する事と愛される事
・私には、自分のこと以上に、私の感情や健康を気遣ってくれる人がいる。
・他の人からの愛情をうまく受け入れられない。
⑫協調性、義務感、チームワーク、忠誠心
・グループの中にいるときが一番良い仕事ができる。
・所属するグループの利益のために自己の利益を犠牲にすることには抵抗がある。
4.正義
⑬公平さと公正さ
・その人がどんな人であろうと全ての人を公平に扱う。
・好ましく思わない人の場合、その人を公平にあつかうことは難しい。
⑭リーダーシップ
・口うるさくすることなく、いつでも人々に共同で何かをさせることが出来る。
・グループ活動を企画するのは余り得意ではない。
5.節度
⑮自制心
・自分の感情をコントロールできる。
・ダイエットは続いたことがない。
⑯慎重さ、思慮深さ、注意深さ
・肉体的な危険をともなう活動は避ける。
・友人関係や人間関係で、ときどき不適切な選択をしてしまう。
⑰謙虚さと慎み深さ
・人が自分の事をほめると話題を変える。
・自分の業績についてよく人に語る。
6.精神性と超越性
⑱審美眼
・ここ1ヶ月間に音楽、美術、演劇、映画、スポーツ、科学、数学など
の素晴らしさに打たれたことがある。
・この1年間美しいものを創り出していない。
⑲感謝の念
・どんなささいなことであっても、必ず「ありがとう」と言う。
・自分が人より幸福であると思うことがめったにない。
⑳希望、楽観主義、未来に対する前向きな姿勢
・物事をいつも良いほうに考える。
・やりたいことのために、ジックリ計画を立てることなどめったにない。
21)精神性、目的意識、信念、信仰
・私の人生には強い目的がある。
・人生における使命はない。
22)寛容さと慈悲深さ
・いつも過ぎたことは水に流す。
・いつも相手と五分になろうとする。
23)ユーモアと陽気さ
・いつも可能なかぎり仕事と遊びを織り交ぜている。
・面白い事はめったに言わない。
24)熱意、情熱、意気込み
・やることは全てにのめりこむ。
・塞ぎこむ事が多い。
以上の24個の質問に対して、
とても当てはまる(5点)あてはまる(4点)どちらとも言えない(3点)
当てはまらない(2点)まったくあてはまらない(1点)として採点してみる。
得点が9点か10点になる項目がその人の強気である。また、得点が6点以下の項目が
弱点となる。
これでの私の強みは、
・将来の見通し
・希望、楽観主義、未来に対する前向きな姿勢
・精神性、目的意識、信念
の3つであった。
以前にやった自身の評価(ストレングスファインダーの評価)と概ね一緒であった。
The Gallup Organizationが長年に渡って実施してきた調査によると、仕事を最も
効果的に行うのは、自分の強みと行動を理解しこのような人たちは、仕事や家庭
生活で日々求められていることをやりこなす戦略的な能力に優れています。
自分にどのような知識やスキルがあるかを確かめることによって、基本的な能力は
わかりますが、自分の本来の資質「自分だけの特長的な資質」のレポートは、
あなたのStrengthsFinderの結果に基づき、上位5つの資質を強い順に並全34項目中、
これらの資質があなたの強みの上位5つです。
「自分だけの特長的な資質」は、資質を最大限に活かし、将来の成功につなぐ
手がかりとなります。
■最上志向
優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを
平均より少し上に引き上げるには大変努力します。
■収集心
あなたは知りたがり屋です。あなたは物を収集します。あなたが収集するのは情報、
言葉、事実、書籍、引用文等あらゆるものです。
■内省
あなたは考えることが好きです。あなたは頭脳活動を好みます。あなたは脳を刺激し、
縦横無尽に頭を働かせることが好きです。
■目標志向
「私はどこに向かっているのか?」とあなたは自問します。毎日、この質問を繰り返し
ます。
■戦略性
戦略性という資質によって、あなたはいろいろなものが乱雑にある中から、最終の目的
に合った最善の道筋を発見することに長けています。
私の感覚では、最上志向は、チョット違うような気がするが、他の4つは、
なるほど!!と思っている。
なお、この5つは個人の持つ資質であり、年齢や経験で変わることは無いと、
説明されているし、ほかに評価された人でも、自身の思いから大きなズレは
ないとも言われている。
ストレングスファインダーのサイト(http://sf1.strengthsfinder.com/)
にアクセスし、「新規ユーザーとして登録するにはここをクリック」をクリックます。
アクセスコードを入力する空欄に、本のカバー裏にあるIDをすべて半角で入力し、
その後は画面の指示に従って進めてください。
? 質問は全部で180問あり、平均所要時間は25分~40分程度です。
? ひとつの質問に、20秒以内にお答えいただくシステムになっています。
実施中は、深く考え込まずに、できるだけ直感でお答え下さい。
? 最後にあなたの上位5つの資質が画面に現れます。ご自身の控えとして印刷する。
ストレングスファインダーのサイト上でIDと登録時のメールアドレスを入力して
サインインしますと、いつでもご自身の上位5つの資質を確認することができます。
自身の楽観度を知る。
楽観と希望は、仕事の業績を上げ、健康の増進に必要である。
自身の楽観度を見てみる。これもセリグマンの評価であるが、以下の設問に回答
すると中々に面白い。
1)あなたと配偶者は、喧嘩したあとで、仲直りした。
・私の方が折れたからだ。0
・私はいつも寛大である。1
2)夕食会を主催して成功した。
・あの晩、私は、特にうまくホストを務められた。0
・私はホスト役が上手い。1
3)株で大儲けした。
・私の仲買人が新しい株に賭けようと思ったからだ。0
・私の仲買人の腕がよいからだ。1
4)スポーツ大会で優勝した。
・負ける気がしなかった。0
・一生懸命練習したからだ。1
5)就職の面接で素晴らしい成果を上げた。
・面接の時、自信に満ちていたからだ。0
・私はいつも面接をうまくこなす。1
6)配偶者がロマンチックな週末旅行に連れて行ってくれた。
・彼らは、何日間か日常生活から離れたかったからだ。0
・彼らは、新しい場所を散歩するのが好きだ。1
7)重要なプロジェクトを統率するよう要請された。
・私は、同様のプロジェクトをやり遂げたばかりだ。0
・私は、優れた監督者である。1
8)配偶者の誕生日を忘れた。
・私は、誕生日を覚えるのが、苦手だ。1
・他のことに気を取られっていたからだ。0
9)図書館の返却が遅れたので、遅延金を1000円払わねばならない。
・本に夢中になると返却期間を忘れることがよくある。1
・レポートを書くのに夢中で、本を返すのを忘れてしまった。0
10)確定申告書を期限内に提出しなかったため罰金を課せられた。
・私は、いつでも、申告を後回しにしてしまう。1
・今年は申告を怠けていた。0
11)友達から傷つけられる様なことを言われた。
・友達は、いつも思いやりがなく、つい口をすべらせる。1
・友達は、機嫌が悪く、その矛先が私に向けられるのだ。0
12)スキーでひどく転倒した。
・スキーは難しい。1
・ゲレンデが凍っていたからだ。0
13)休暇中に体重が増えて、元に戻らなかった。
・ダイエットは、結局効果がない。1
・私がやったダイエットには、、効果がなかった。0
14)密かにあなたに憧れている人から花をもらった。
・私は、相手にとって魅力的な人物だ。0
・私は、誰にでも、好かれる。1
15)地域の公職に立候補して当選した。
・選挙運動に全力投球したからだ。0
・私は、何事にも、全力投球する。1
16)ボスから与えられた時間は短かったが、なんとかプロジェクトをやり遂げた。
・私は、仕事がよく出来る。0
・私は、有能な人間だ。1
17)窒息しかかった人を助けた。
・私には、窒息しかかっている人を助ける技術がある。0
・私は、危機的状況にどう対処したらよいのかを知っている。1
18)雇用主から助言を求められた。
・聞かれたことが私の専門分野だったからだ。0
・私がよい助言をするからだ。1
19)苦しい時に助けてあげたことを友人から感謝された。
・私は、困っている友人を助けるのが好きだ。0
・私は、いつも人助けをする。1
20)医者に健康状態が良好だと言われた。
・頻繁に運動するよう努力しているからだ。0
・健康に非常に気をつけているからだ。1
21)会社の権威ある賞を受けた。
・私が重大な問題を解決したからだ。0
・私が優秀な社員だからだ。1
22)大切な約束を忘れてしまった。
・時々物忘れをすることがある。1
・時々、予定表をチェックし忘れる。0
23)大事な試験に不合格だった。
・他の受験ほど頭が良くなかったからだ。1
・あまり準備をしていなかったからだ。0
24)ご馳走を用意したのに、友だちはほとんど手をつけなかった。
・私は、料理が下手くそだからだ。1
・急いで支度をしたからだ。0
25)長いこと練習して来たスポーツ競技に負けた。
・私は、運動能力が劣っている。1
・私は、あの競技が苦手だ。0
26)
ある人にデートを申し込んだら断られた。
・あの日は、ついてなかった。1
・デートに誘った時、うまく話せなかったからだ。0
27)恋愛関係にある相手から暫く、冷却期間を置こうと言われた。
・私が自己中心的すぎたからだ。1
・相手と過ごす時間を十分に割かなかったからだ。0
28)保有株がずっと低迷している。
・購入当時、私はその会社の事業環境をよく知らなかった。1
・株式の選び方を失敗した。0
29)買い物をした店で、クレジットカードが使えなかった。
・口座にもっと残高があったと勘違いすることがあるからだ。1
・クレジットカードの請求の支払いを忘れることがあるからだ。0
30)友達に腹を立ててしまった。
・彼らがいつも私をしつこく苦しめるからだ。1
・彼らは、機嫌が悪かったのだろう。0
31)パーティーで頻繁にダンスに誘われた。
・パーティーでは、いつも社交的だ。1
・私は、あの晩、絶好調であった。0
このテストには、永続性と普遍性を判断する。
1)から13)、30)、31)が永続性を確認。
簡単に諦めてしまう人は、自分に起きた災いが永続的と考える。
簡単に諦めない人は、一時的なものと考える。
テストの評価について
・永続的に悪い出来事pb
8)から13)、30)の合計点数が0か1であれば、非常に楽観的である。
合計点数が2か3であれば、やや楽観的。4ならば、普通。5、6であれば、
やや悲観的。7、8であれば、非常に悲観的。
・永続的に良い出来事pg
1)から7)、31)の合計点数が7か8であれば、非常に楽観的である。
合計点数が6ならやや楽観的。4、5であれば、普通。3ならやや悲観的。
0、1、2なら非常に悲観的。
・普遍的に悪い出来事gb
22)から29)の合計点数が0か1であれば、非常に楽観的である。
合計点数が2か3であれば、やや楽観的。4ならば、普通。5、6であれば
やや悲観的。7、8であれば、非常に悲観的。
・普遍的に良い出来事gg
14)から21)の合計点数が7か8であれば、非常に楽観的である。
合計点数が6ならやや楽観的。5、4であれば、普通。3ならやや悲観的。
1、0なら非常に悲観的である。
以上の結果からあなたの希望具合が分かる。
・悪い希望 gb+pb
・良い希望 gg+pg
希望度は、良い希望から悪い希望を引いた値で判断出来る。
点数が、10から16であれば、非常に希望的。
6から9であれば、やや希望的。1から5であれば、普通。
マイナス5から0なら、やや絶望的。マイナス5以下であれば、
非常に絶望的。
重要なのは、楽観度を高めて、希望を持てる自身を作りだすことである。
重要なのは、自分自身に反論することである。その反論をきちんと
記録しておく事。
自身の思い込みの証拠を見出し、別の選択を選び、発想の転換をし、
検証する。
「坐禅とマインドフルネスから想う事」
正法眼蔵から見る坐禅の世界とポジティブ心理にて実践されるマインドフルネス、
異なる文化の中で育った人間修養であり、私は坐禅、マインドフルネスいずれもが
数えるほどの体験であり、無我の世界に達するなど、とても感じえない体験で
しかない。マインドフルネスも専門の先生の指導を受けたわけでもない。
その浅はかなる所為である事は認識してはいるものの、その根底は何故か一つの
流れの中にあるように思える。例えば、ポジティブで言う「フロー体験」は道元
の説く坐禅の所作、「坐禅儀」「坐禅箴」の記述とは全くの別のアプローチ
であるが、そこから自分の姿を見つけるという点では、同じと思う。
また、セリグマンは、世界的に美徳とされているものに以下の6つがあるといい、
その一つとして「精神性と超越性」があるが、これは「身心脱落」に相通ずる。
「只管打座」は一般の人間にとって出来うるものなのか、大いに疑問を持っているが、
もっとも、道元禅師によれば、ただ坐ればよいのだから誰にでも出来るとの話もある、
「脚下を照顧せよ」は、ポジティブ心理の様々な自己確認、評価を具体的な項目にて
実施することと同じアプローチを違う表現で実施する事ではないか、と思う。
正法眼蔵は自身の人生訓、生き逝く道標と考え、日々の実践行為は、ポジティブ心理の
推奨する所作で深める、そんな事を今は考えている。
此処では、この2つを述べる事で、今後更に体験体感を深めてみたい。なお、
正法眼蔵の現代訳や道元の考え方などについて、和辻哲郎氏など何冊かの本を
参考にしているが、中々に難しい。
1.道元の教え、坐禅
道元は、「南無阿弥陀仏」と言う念仏を唱えることで、衆生の願い(仏の世界への
旅立ち)を叶えられるという時代に、「只管打座ーただひたすら座禅せよ」と唱えた。
そのために、「普勧座禅儀」を書いた。
「座禅は、即ち、大安楽の法門なり。もしこの意を得ば、自然に
四大軽安、精神爽利、正念分明、法味神助け、寂然清楽、日用天真なり。
すでに能く発明せば、謂つべし、竜の水を得るが如く、虎の山によるに
似たりと」と言っている。
道元の思想の根本は、
「修証一如」。
道を探り、悟りを求めて座禅すると言うそのプロセス自体の中に既に、悟りがある
と言う。「修証一如」、つまり修行することと悟りを開くことは1つである。
「正法眼蔵随聞記」には、
「道元禅師が説かれた。仏道修行で最も重要なものは、坐禅が第1である。
学問が全くない愚かで鈍根のものであっても、坐禅修行の成果は聡明な人
よりもよく現われる。だから、学びとは只管打坐して、他の行いに関わるべき
ではない。」と言っている。
また、「宝慶記」には、
「参禅は身心脱落なり、、、祇管に打坐するのみなり」とあるが、道元は
如浄に身心脱落とはなにか、と問うている。これに対して、如浄はそれは坐禅であり、
只管に打坐する時、見る、などの五感の対象への執著などを離れるからであると
答える。対象にかかわり、これに執著することが、自己と世界の真実の姿を
見る眼から覆い隠す。坐禅に打ち込むとき、このあり方から脱して、ありのままの
世界をありのままに見ることが成就するであろう」とある。
正法眼蔵全95巻の「弁道話」には、
「修証はひとつにあらずとおもえる、すなわち、外道の見なり。仏法には、修証これ
一等なり。いまも証上の修なるゆえに、初心の弁道すなわち本証の全体なり」
「修証これ一等なり」とは、修(修行)と証(証悟)とは一つ同じもの。
「本証」とは、本来の悟り。修行のただ中がそのまま本来の悟りそのものと
言っている。
この根底にあるのは、「脚下を照顧せよ」として、普段の生活まで自身の
足元をみることを勧める。単に坐禅する行為のみ留まらず、「行、住、
坐、臥」の全ての日常行為が仏道に通じると言っている。
道元の基本的なスタンスは、まずは、既存の考えを否定することではないか、とも思え
る。
例えば、
涅槃経の 「一切衆生 悉有仏性 如来常住 無有変易」は、誰にでも、仏に
なる素質を持っている、と解するが、道元は、違う。
「一切の衆生、悉有が仏性である」と説く。
一切の生きとし生けるものは、悉有の一部であり、草木虫類に至るまで、そのまま
仏性と考えている。
道元が、絶対真理を詠んだ素晴らしい歌がある。
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」
春に花が咲く、夏にはほととぎすが来て鳴く、秋には月が美しい、
冬には雪が積もる。ごく当たり前の情景で、何一つ不思議はない。
しかし、その当たり前のこと中に、夫々の現象が夫々の季節に姿を現していて、
それ以外には、季節の現れ方はないと言う絶対的真理があると言っている。
すなわち、全ての季節を夫々に共通の世界の真実がそこに現れていて、何一つ
変わることはない。そう思えば、心は非常に涼しいという境地を詠んでいる。
道元は、その92巻で、生死についても言っている。
「生死の中に仏あれば生死なし。また曰く、生死の中に中に仏なければ生死に
まどわず」生死は、生と死という2つを論じているのではない。
仏教では、生死は、生き死にのあるこの煩悩の現世を言っている。
生死の中には、元々、仏がある。すなわち、絶対的な真実を
掴んでいればすでに、現世を越えている事となり、今更、
生きる死ぬと言うことを迷う必要はない。逆に、生も死も
只それだけの事実で、ことさら悟りや救いがある訳でもない
と観念していれば、生だ死だと騒ぐ必要もない。
そして、
「生より死にうつると心うるは、これあやまり也。生は、ひと時のくらいにて、
すでにさきあり、のちあり。」
生と死は、分けて考えてはいけない。その事実を事実として徹底的に受け入れること。
先ほどの道元が詠んだ歌の境地でもある。
生きていると言うことは、死と比べて生きているといことではない。そこには、
絶対的な今しかない。
死を迎える心とは、
「生きたらばただこれ生、滅来たらばこれ滅にむかいてつかうべし。
いとうことなかれ、ねがことなかれ」
我々は、既に、生と死の中にいる。それであれば、いまさら、死や死後の成仏を願う
こともない。生の中にいて、生以外のものを願うことはできないし、死の中にいて
死以外のこともありえない。
元々、生きている日々は、最後の死へ近づく日々でもある。
「健康、健康と騒ぎ立てる」が、要するに、生きていることが本人にとって、一番
悪いのかもしれない。
達するべき己の境地とは、
「ただわが身をも心をもはなちわすれて、仏のいえに投げ入れて、仏のかたより
おこなわれて、これにしたがいもていくとき、ちからももいれず、こころもついや
さずして、生死をはなれ、仏となる。」
これは、正法眼蔵の、「生死の巻」にある、最大の真髄を言っている。
全部の自分を捨ててしまう時、本当の真相が露わになり、それが、人間を向こうから
明らかにしてくれる。だから、力んでしまうことはない。そのまま生死を離れ、
仏となることが出来る。大事なのは、ただわが身、その心をも、放ちそして
忘れること。
生死を分ける戦争のような狂気がない現在、この、「生死の巻」をキチンと理解
することの出来る人は少ない。私自身も言葉としての認識しか出来ない。
しかし、戦争時、これを真剣に、わが身で処した人々は、少なくないはずである。
昨年のような大きな病気になっても、わが身では、まだまだ、不十分。
健康な人が生死を意識しないのを、少し意識するようになったぐらいかもしれない。
正法眼蔵の、「生死の巻」
「この生死は、すなはち仏の御いのちなり。これをいとひすてんとすれば、
すなはち仏の御いのちをうしなはんとする也。
これにとどまりて生死に著すれば、これも仏の御いのちをうしなふなり。
…いとふことなく、したふことなき、このときはじめて仏のこころにいる。
ただし、心を以てはかることなかれ、ことばを以ていふことなかれ。
ただわが身をも心をもはなちわすれて、仏のいへになげいれて、
仏のかたよりおこなはれて、これにしたがひもてゆくとき、ちからをも
いれず、こころをもつひやさずして、生死をはなれ、仏となる。」
「仏となるに、いとやすきみちあり、もろもろの悪をつくらず、生死に
著するこころなく、一切衆生のために、あはれみふかくして、上をうやまひ
下をあはれみ、よろずをいとふこころなく、ねがふ心なくて、心におもう
ことなく、うれふることなき、これを仏となづく。」
この巻は正法眼蔵九十五巻の中では大変短い巻である。
しかし、道元の生死に対する見方が、短い巻の中に言い尽くされている。
この巻の書き出しの言葉は「生死のなかに仏あれば生死なし」であり、
これは修証義のはじめの言葉でもある。私たちにとって生死の問題
を究明することは重要で、だれしもこれを避けてはならない問題。
この世に生を受けたるものはいつか必ず死をむかえるのもこれは事実
であり、そして如何に死を迎えるかということが大切である。
それは如何に生きるかということでもある。
正法眼蔵諸悪莫作の巻には「生を明らめ死を明らめるは仏家一大事の
因縁なり」とあり、つまりこれこそが仏教の根本問題である。
「生死の中に仏あれば生死なし」という言葉の中に道元の生死観
が言い尽くされている。この言葉の意味は、生死というのは真理であり、
真理の外に生死はないということである。
ここでいう「中」とは「即」という意味であり、「仏」とは「真理」
という意味であります。ここに引用させていただいた言葉の大意
を現代語に訳して置く。(道元の詠み方より)
「この生死は仏の御生命であり、真理であります。これを厭い捨て
ようとすれば、仏の御命を失うことになります。生死の問題に
執着すれば、これも仏の御命を失うことになります。・・・生死を
厭うことも慕うこともなくなればそれは仏の心、つまり真理の世界
にいるのであります。身心を投げ出して生死に執着せず、」
仏の家に我が身心を投げ入れ、仏におまかせし、仏さまに導びかれて
ゆくならば、己は力をも入れず、心をも働かさなくて、それでいて
生死を離れることができ、仏となるのであります。
「仏となるに易しい方法があります。それはいわゆる悪の心を起こし、
悪行を行わず、生死に執着せず、全てのものに対して哀れみをかけ、
上を敬い、下を哀れみ、あらゆるものごとを厭い嫌うことなく、
願い慕うことなく、心に迷い煩うことなく、憂うることのない、
このような人を仏といい、外に仏はないのであります。」
これが現代語訳であり、生き死ぬということ、つまり生滅ということは
大宇宙の動かすことの出来ない真理であり、無常こそ世の道理である。
このことがわかり、而今を全機に生きるならば「生死なし」である。
これは物質的な生死は人間だれしも避けられないが、それを厭いまた
願うという執着の心を離れ、生が来れば生を、死が来れば死を心静かに
受けるという、仏に任せきりの境地に到るならば、それは
心安らかで、まさに悟りの境地というべき。
「生まれてはつひに死すべきことぞのみ、さだめなき世のさだめ
なりけり」という古歌がある。生も大宇宙の真理、死も
大宇宙の真理、一日一日、今日今時を如何に生きるかということ
が私たちに与えられた永遠のテーマであり、日々仏法僧の
三宝に帰依する生活を送りたいもの。
正しい坐禅の心得
正法眼蔵の中に、「坐禅儀」「坐禅箴」として、坐禅のやり方が具体的に
書かれている。
「坐禅は静処よろし。坐にくあつくすべし。風焔をいらしみことなかれ、
雨露をもらしむることなかれ。容身の地を護持すべし」
静かな場所でやりなさい。座布団のようなかなり分厚いもので、背骨の下に
あてなさい。風や煙があたってはいけないし、雨に打たれて行うのもよくない。
さらに坐禅するのに以上の事を意識して適当な場所を確保するべきである。
また、坐禅は「帰家穏坐」とも言われる。
日頃、世間からの様々な刺激を受け、営利的なことから日常茶飯事のことまで
追いまわし、振り回されている生活から、静かな部屋で壁に向かい坐禅する
ことで、本来望んでいる自分に帰ってくる、のだ。
この所作は、マインドフルネスのやり方と相通じている。
2.ポジティブ心理の実践、マインドフルネス
人の能力は無限である。しかし、その潜在能力は、黙っているだけでは、
何も形になって出てくる訳ではない。
セリグマンは、世界的に美徳とされているものに以下の6つがあるという。
これは様々な文化、宗教、風土に関わらず人類に共通したものといわれる。
それには、「知恵と知識」「勇気」「愛情と人間性」「正義」「節度」
「精神性と超越性」がある。
①知恵と知識
好奇心と関心、学習意欲、判断力、批判的思考、偏見のなさ
さらには、独創性、創意工夫、社会的な知性、個人的知性、将来の見通し
②勇気
武勇と勇敢さ、勤勉、粘り強さ、継続的努力、誠実、純粋、正直
③人間性と愛情
思いやりと寛大さ、愛する事と愛される事、協調性、義務感、チームワーク、
忠誠心
④正義
公平さと公正さ、リーダーシップ、
⑤節度
自制心、慎重さ、思慮深さ、注意深さ、謙虚さと慎み深さ、
⑥精神性と超越性
審美眼、感謝の念、希望、楽観主義、未来に対する前向きな姿勢
精神性、目的意識、信念、信仰、寛容さと慈悲深さ、ユーモアと陽気さ
熱意、情熱、意気込み
私自身、その形化するのに、結構有効な手法がポジティブ心理学の
様々な手法と想っている。
今回のマインドフルネスや、一日再現法、ポジティブポートフォリオなど
キチンと成果を出すには、それなりの経験者が必要かもしれないが、
1人でも、十分に出きるものもある。
それは、複雑で、不安な日々の続く今日の社会では、是非、実践
してもらいたい方法でもある。
1)マインドフルネスとは
インドフルネスという言葉は、行為を指して使われることもあれば、
精神状態を指す場合もある。ここでは、集中力を研ぎすます脳の
トレーニングとして、マインドフルネス瞑想という「行為」として
考える。
これには大抵の場合、いつもより呼吸を意識するという方法をとり、
こうして鍛えた脳は、瞑想後も長い間、マインドフルな「状態」で
いられるようになる。マインドフルネスの状態にある時は、自分の
まわりで起こっていることに、意識を完全に集中できている。
なお、後述するように、マインドフルネスの実践には、瞑想のほかにも
いくつか別の方法があるし、瞑想にもたくさんの種類がある。
2)マインドフルネスの基本
マインドフルネスとは、単純に言えば、その一瞬に全力を傾けること。
一般に言われる、マインドフルネスについては、
「今という瞬間に、余計な判断を加えず、自分の人生がかかっている
かのように真剣に、意識して注意を向けること」
と定義している。
シンプルな定義だと思うかもしれませんが、現代の混沌とした世界では、
何かに100%没頭することなど容易ではない。それは、同僚から同じ話を
聞かされて、もう3度目になるという時でも、ほんのわずかでさえ気を
そらさずに聞き入ることや、皿洗いや「バス停までの道」のような身近な
状況でも五感をフル稼働させることを意味する。
以下にその効用を上げてみる。
①常に新しいカテゴリーを創造する:マインドフルネスな状態であれば、
旧来の分類方法やレッテルにとらわれることなく、状況や文脈に注意を払い、
新たな特徴を見出すことができる。
例えば、レンガを単なる建材と見るのではなく、ブックエンドや武器、
ドアストッパーなど、いろいろな利用法を思いつくことができる。
②新たな情報を積極的に受け入れ、物事をさまざまな視点から捉える:
マインドフルネスな状態は、カテゴリーを創造できるだけでなく、常に新たな
情報を受け取り、新たな可能性に対してオープンになることも意味する。
例えば、あなたとパートナーはいつも自分のやり方にこだわって、同じこと
で喧嘩ばかりしているかもしれません。けれども、相手の視点に対して
オープンになることで変化が生まれる可能性がある。
③結果よりも過程を重視する:マインドフルネスな状態は、結果について
あれこれ心配するのでなく、ひとつずつのステップに意識の焦点を当てる
状態。
例えば、テストの出来を心配するより、その教科を本当の意味で学ぶこと。
つまり、マインドフルネスとは、すべての経験に焦点を合わせ、より意識的
になることであり、「だから何?」と思う人もいるが、マインドフルネスを
高めれば、集中力が増し、創造性や幸福感、健康、リラックス感が高まり、
もっと自分をコントロールできるようになる可能性がある。
生活上での例では、減量や健康的な食生活に役立つ。
マインドフルネスの考え方を食事に当てはめれば、五感をフルに使いながら、
一噛み一噛みを意識してゆっくり食べることになり、この食べ方を実施した
被験者たちのカロリー摂取量は、空腹時でさえ、対象グループに比べて低く
抑えられた、との研究成果もある。
意思決定能力を高める。いくつかの実験によって、マインドフルネス瞑想
を実施した人や、もともと性格的にマインドフルネスの状態に近い人は、
「サンクコストの誤り」を免れているという相関関係が確認されている。
サンクコストの誤りとは、それまでに費やした時間やエネルギーを惜しんで、
先の見込みのない交際や仕事にしがみついてしまう傾向を言う。
ストレスを減らし、慢性的な健康問題の改善を助ける。200の実証研究を
対象にしたメタ分析によって、マインドフルネスは、慢性疼痛、ガン、心臓病
などの患者の心身の健康をいずれも改善させることが明らかになった、と言う
成果もある。
残念ながらマインドフルネスは、直ぐにその成果が出るものではない。
けれども、徐々に高めていくことはできる。
マインドフルネスを実践するには、どんなに忙しくても、どんなにストレスの
たまる状況でも、いつも意識を研ぎ澄ましていなくてはいけない。
例えば食事中であれば、フォークを置くたびに、「一噛み一噛み味わって食べる」
という目標を思い出すようにするとか、職場でなら、「1時間ごとの時報」など
のリマインダーを設定して、ちょっと休憩をはさむと良い。
ほかの実践方法を見ても、感謝の心を持つ、物事をコントロールしようとしない、
など、意外に簡単なものがあり、ポジティブ心理では、他にも様々な手法を
考えている。
3)マインドフルネスの実践に向けて
具体的には、以下の6つのステップがある。
①背筋を伸ばして座り、足を組んで、視線を下に向ける。
②自然に浮かんでくる思いと、人為的な考えとを区別する。
③三繰り返し過去を思い出したり、未来への不安で気が散るようなら、
それそれを最小限に抑えるために、こう考え直してみる。
「過去も未来も、現在の私の心の中の想像にすぎない」。
④瞑想中は、ちょうど船の「錨」のように、呼吸が集中をつなぎ止めてくれる。
⑤息を吐くたびにひとつ数を数え、21まで数えたらまた1に戻る。
⑥思いが浮かんでくるのを無理に抑えようとせず、心を自然に任せる。
この一連の手順は、マインドフルネス瞑想として知られており、
マインドフルネスを育む最高の方法のひとつ。
これは一種の脳のエクササイズで、普段の生活を送りながらでも実践できる
(続けやすくするひとつの戦略は、シャワーや犬の散歩など、毎日の日課の
最中にこの訓練を行うこと)。
最後にひとつ注意事項すべきは、マインドフルネスの実践はとても有益だが、
心を自然に任せたほうが良い時もあるということ。ある報告では、創造性や
洞察力のためには、ぼんやりしたり空想にふけったりすることが
必要である可能性を紹介しているし、高度にマインドフルネスな状態は、
「潜在的学習」(無意識のうちに、新しいスキルや習慣を学ぶこと)における
効率の低さと相関している可能性があるとのこと。
「幸せを定量的に感じてみる。ウェルビーイングへの進化」
セリグマンの「ポジティブ心理学の挑戦」より」、
彼は従来の幸せの定義からさらに進め、ウェルビーイング(持続的な幸福)
を獲得することが重要と述べている。社会も金銭的な多さだけが、本当に
幸せなのか?という意識が強まっているようだ。
1.ウェルビーイング
主観的ウェルビーイングの構成とは、幸福感(気分)と人生の満足度(評価)
からなっている。人生の満足度の多くは、収入に伴って上がるが、気分の
大部分は国内の寛容度の増大によって上がる。それ故、ウェルビーイングが
収入に伴って上がる事は一概に考えにくい。それは、収入が上がるのに伴い
生活環境に対する判断も上がっていくが、気分はそうではない。
収入が増える事で、生活環境に対する評価におけるポジティブ度は上がるが、
一時的な気分には影響を与えない。気分と判断は剥離している。
ウェルビーイングの5つの要素(PERMAと言われている)
①Positive Emotion(ポジティブ感情):心の平和、感謝、満足、喜び、創造性、
希望、好奇心、愛情がここに含まれる。
自分は、どれくらい幸せと思っているのか。
主観的な要素であるが、幸福感や人生の満足度よりも上位に来る。
②Engagement(エンゲージメント):興味を引きつけられるがあまり、没頭し、
「我を忘れる」ほど打ち込むこと。興味関心が高いか。
③Relationships(関係性):他人と有意義かつ前向きな関係を築いている人は、
そうでない人よりも幸せである。ポジティブな状況の場合、多くは他人、他者の
存在がある。自分を気にしてくれる人がいるか。
④Meaning(人生の意味や仕事の意義、および目的の追求):意味や意義は、私たち
自身よりも大きな大義のために尽くすことから生まれる。信仰であれ、何らかの
かたちで人類の役に立とうという信念であれ、人はみな、人生に意義を
見いださなければならない。
⑤Accomplishment/Achievement(何かを成し遂げること):人生において大きな
満足を得るためには、何らかの方法で自らを高めていく努力をしなければならない。
他の要素が得られなくとも、これのために追及する。
さらに、従来から言われている「24の強み」がこれらの要素を
支え、さらに進化させる。
自身の最高の強みを活用することで、ポジティブ感情、エンゲージメント、
意味、達成、などをより多く得られる。
ウェルビーイングの向上について
①感謝の気持を表現する。
感謝の手紙を書く。
②上手く行ったことについて考える。
毎晩、今日上手く行った事を三つ書き出し、それらがどうして上手く
行ったかを考える。
更に、上手く行った事の中に自分の強みを考え合わせる事。
この実践は、自分の強みを自分の物にするように働きかける。
このため、VIA強みテストを受ける必要がある。上位5つが自身の強みとなる。
自身のウェルビーイングを更に高めるには以下の14のセッションを実行する。
①ポジティブな自己紹介を800文字程度に書く。
自分が最高だった時の事を具体的に、その中で自分の強みをどのように活用したのか
説明する。
②VIAテストで自分の徳性の強みを特定する。
③「よいこと日記」を書き始める。毎晩、その日に起きた三つの良い事
を書く。
④怒りや恨みの感情を書き出す。それが今の自分への悪影響となっているかを
考える。
⑤「許しの手紙」を書いて相手の罪や関連した感情を説明して、相手を許す。
⑥いままでキチンと感謝の気持を伝えた事のない人に感謝の手紙を書く。
手紙を相手に直接届ける。
⑦上記の行動でポジティブ感情を高める事の重要性を再認識する。
⑧追及者になるのではなく、満足者になることで、自分の満足度を向上
させる事を確認し、自分のための自己満足計画を立てる。
⑨自分の目の前で逃がしたチャンスを考え、それを糧にどのような可能性
が拓かれたか、考える。
⑩自分の強みと自分の大切な人の強みをたたえる時間を持つこと。
⑪自分の自身の強みがどこから来ているのか、考える。
家族の強みを含む家系図を書く。
⑫何か新しい活動を計画し、それを実行する。
⑬かなりの時間がかかることで、自分の強みが求められる事を実行し、
時間の重要性を知る。
⑭「快、エンゲージメント、意義を統合する人生について話し合う。
2.自分の強みを認識する。
世界的に美徳とされているものに以下の6つがあるとされる。これは様々な文化、
宗教、風土に関わらず人類に共通したものといわれる。それには、「知恵と知識」
「勇気」「愛情と人間性」「正義」「節度」「精神性と超越性」がある。
そして、この美徳を構成しているものが以下の24項目となり、個人の性格
の強みとなる。
セリグマンの「世界で1つだけの幸せ」から自分の強みを見つけて欲しい。
1)知恵と知識
①好奇心と関心
・常に世界に対する好奇心を持っている。
・直ぐに退屈してしまう。
②学習意欲
・何か新しい事を学ぶとわくわくする。
・わざわざ博物館や教育関連の施設などに出かけたりはしない。
③判断力、批判的思考、偏見のなさ
・話題に対してきわめて理性的な考え方が出来る。
・即断する傾向にある。
④独創性、創意工夫
・新しいやり方を考えるのが好きだ。
・友人のほとんどは自分より想像力に富んでいる。
⑤社会的な知性、個人的知性
・どんな社会的状況でも適応する事が出来る。
・他の人が何を感じているかをさっちするのは余り得意ではない。
⑥将来の見通し
・常に物事を見て全体を理解する事が出来る。
・他人が自分にアドバイスを求める事はめったにない。
2)勇気
⑦武勇と勇敢さ
・強い反対意見にも立ち向かう事がよくある。
・苦痛や失望にくじけてしまうことがよくある。
⑧勤勉、粘り強さ、継続的努力
・やりはじめたことは必ずやり終える。
・仕事中に横道にそれる。
⑨誠実、純粋、正直
・約束は必ず守る。
・友達から「地に足がついている」といわれた事がない。
3)人間性と愛情
⑩思いやりと寛大さ
・この1ヶ月間に自発的に身近な人の手助けをした。
・他人の幸せに自分の幸せと同じくらい興奮する事はめったにない。
⑪愛する事と愛される事
・私には、自分のこと以上に、私の感情や健康を気遣ってくれる人がいる。
・他の人からの愛情をうまく受け入れられない。
⑫協調性、義務感、チームワーク、忠誠心
・グループの中にいるときが一番良い仕事ができる。
・所属するグループの利益のために自己の利益を犠牲にすることには抵抗がある。
4)正義
⑬公平さと公正さ
・その人がどんな人であろうと全ての人を公平に扱う。
・好ましく思わない人の場合、その人を公平にあつかうことは難しい。
⑭リーダーシップ
・口うるさくすることなく、いつでも人々に共同で何かをさせることが出来る。
・グループ活動を企画するのは余り得意ではない。
5)節度
⑮自制心
・自分の感情をコントロールできる。
・ダイエットは続いたことがない。
⑯慎重さ、思慮深さ、注意深さ
・肉体的な危険をともなう活動は避ける。
・友人関係や人間関係で、ときどき不適切な選択をしてしまう。
⑰謙虚さと慎み深さ
・人が自分の事をほめると話題を変える。
・自分の業績についてよく人に語る。
6)精神性と超越性
⑱審美眼
・ここ1ヶ月間に音楽、美術、演劇、映画、スポーツ、科学、数学など
の素晴らしさに打たれたことがある。
・この1年間美しいものを創り出していない。
⑲感謝の念
・どんなささいなことであっても、必ず「ありがとう」と言う。
・自分が人より幸福であると思うことがめったにない。
⑳希望、楽観主義、未来に対する前向きな姿勢
・物事をいつも良いほうに考える。
・やりたいことのために、ジックリ計画を立てることなどめったにない。
21)精神性、目的意識、信念、信仰
・私の人生には強い目的がある。
・人生における使命はない。
22)寛容さと慈悲深さ
・いつも過ぎたことは水に流す。
・いつも相手と五分になろうとする。
23)ユーモアと陽気さ
・いつも可能なかぎり仕事と遊びを織り交ぜている。
・面白い事はめったに言わない。
24)熱意、情熱、意気込み
・やることは全てにのめりこむ。
・塞ぎこむ事が多い。
以上の24個の質問に対して、
とても当てはまる(5点)あてはまる(4点)どちらとも言えない(3点)
当てはまらない(2点)まったくあてはまらない(1点)として採点してみる。
得点が9点か10点になる項目がその人の強気である。また、得点が6点以下の項目が
弱点となる。
これでの私の強みは、
・将来の見通し
・希望、楽観主義、未来に対する前向きな姿勢
・精神性、目的意識、信念
の3つであった。
いずれにしろ、この強み発見は是非試してもらいたいものである。
3.ポジティブヘルス
この本では、多くの実践的な試みとその手法の開発により、健康面での大きな
成果が示されている。
その定義とは、
①主観的資産
楽観性、希望、健康の感覚、熱意、活力、人生の満足度
②生物学的資産
心拍変動の上限、ホルモン、低濃度のインターロイキン、テロメアなど
③機能的資産
すばらしい結婚生活、歳以上の体力、豊かな人間関係、充実したライフワークなど
その成果より
・心血管の健康資産
この疾患(例えば、心臓発作)に対する抵抗力を平均以上に高める主観的、
生物学的、機能的な資産は存在するのか?
→結論的には、楽観性が心血管疾患から保護する事に強く関係している。
・風邪等の感染症対応
ポジティブ感情の高い人は、平均的なポジティブ感情を持つ人よりも風邪に
罹りにくい。重要なのはネガティブ感情の大きさよりもポジティブ感情の
強さにより抵抗力は大きくなる。
以上などからここでは、ウェルビーイングの因果関係と身体への影響について
以下のように考えている。
①楽観性は心血管の健康に、悲観性は心血管の危険性に強く関係している。
②ポジティブな気分は、風邪やインフルエンザの予防に、またネガティブな
気分は風邪やインフルエンザに対するより大きな危険性に関係している。
③非常に楽観的な人はがんになる危険性が低い可能性がある。
④健康な人で、良好な心理的ウェルビーイングにある人は、全死因死亡に
対する危険性が少ない。
その要因は、
①楽観主義者は行動的であり、健康的なライフスタイルを実践している。
すなわち、食事に気をつけ、喫煙せず、定期的に運動する傾向がある。
②社会的な支援が多い。
人生で友人と愛情に多く恵まれている人は病気になりにくい。
③生物学的メカニズムが高い。
脅威に対する免疫力が高い。また、度重なるストレスにより上手く対処できるが、
悲観主義者はそのストレスに一層苦しむ様になる。
また、国レベルでの調査では、
・人生の満足度は国民一人あたりのGDPが高い国ほど高くなっている。
P399の表がそれを明瞭に示している。
しかし、金をたくさん儲けることにより直ぐに人生の満足度において
収穫逓減の点に達する。これを対数表で見ると終点のない上向きの直線
となり、国が公共政策として幸福の増大を目的とすると更なる富を生み
出さないと幸福は得られない事にもなる。
この調査で重要なのは、「あなたはどれくらい幸せですか?」ではなく、
「あなたは自分の人生にどれくらい満足しているか?」である。
この点でみると、最も裕福なアメリカ人の幸福度は平均的な原住民の
幸福度と大きな差異はない。
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