「自身の想い、考えを論理的にまとめるセンス」
会社の規模に関係なく、ビジネス対応の中では、論理的な考え、行動が
必要とされるが、物事を筋道立てて考えるコトは少なからず、発想の
強化とその訓練、そして、絶えずそれを意識するセンスが必要と思う。
企業人として、社会人として、自身の考え、想いを相手に分かり易く
伝えることは、己の大きな資産でもある。コレは、中小企業のビジネス支援
の中でも、強く感じる。
ロジカルシンキングはその大きな1つであり、そのセンス、スキルを身に
つけると、物事を論理的に、体系だてて考えられるようになるため、
全体像が把握しやすくなり、相手にもわかりやすく伝えられるようになる。
コレは、ビジネスだけではなく、地域活動の中でも、重要なはずであるが、
多くの活動の中で、まだまだ、と言う感は逃れられない。
1.基本的なスタンス
社会の変化が急激な中、「当たり前が変わる」時でもある。「当たり前と思わない」
ことが一番肝要な態度かもしれない。考えるセンスが必要である。
自分の中でものごとを組み立て、意味のつながりや事実の関連を見つけたり
(論理力)、新たな問題を発見したり(発想力)、それをどう解決するかを見つけたり
(問題解決力)、何々はきっとこうなるのではないかと予測したり(推理力)、
何かを構想したり(構想力)等々することである。
そこで必要なのは、知っていることや、当たり前のことを当てはめている限り、
思考は、自分にとって必要ではない。良く言われるロジカルシンキングの活用
の前に自身の「当たり前の発想」を変えて欲しいものである。
1)意識を観念化しない
良く人の行動を制限するものに「意識の壁、知識の壁、行動の壁」の3つが
あると言われている。そして、「意識の壁」として、
①固定化(自身のことしか見ない) 自分の見方(知識・経験)を絶対と思う
②偏食化(自身のことしか見えない)過去の経験的な行動に頼り、その価値を色眼鏡化
③単眼化(1つ見えたことですべてと見なす)たまたまの結果が全てと思う
これらの罠に落ちないために以下のスタンスを取ることが必要である。
・他にも対応策があると思う(正解はひとつではない)
・自身の経験、知識は不十分と思う(知識、情報を広く感じる)
・見えないことへの配慮(見えている事象にのみ囚われない)
特に、中小企業のビジネススタンスでは、注意すべきことかもしれない。
2)考えを多様化するセンス
「多様な意見は何故正しいのか」の本にもあるとおり、集合知の効果を上げるには、
人々の多様さが重要といわれている。コレは、自身の考えをまとめる上でも
同じである。
①視点(立場)を変える
いまの位置・立場そのままでなく、相手の立場、他人の視点、子供の視点、
過去からの視点、未来からの視点、等々
②見かけ(外観)を変える
見えている形・大きさ・構造のままに見ない。大きくしたり小さくしたり、
分けたり合わせたり、伸ばしたり縮めたり、早くしたり遅くしたり、
前後上下を変えたり等 々
③意味(価値)を変える
分かっている常識・知識のままに見ない。別の意味、裏の意味、逆の価値、
具体化したり抽象化したり、まとめたりわけたり、喩えたり等々
④条件(状況)を変える
「いま」「ここ」だけでのピンポイントでなく、5年後、10年後、更なる未来、
あるいは5年前、10年前等々
「変える」とは、それを意識してみるという意味である。
例えば、「視点を変える」「視点を意識してみる」とは、「~と見た」とき、
「いま自分は,どういう視点・立場からみたのか」と振り返ってみるということだ。
特に、ビジネスの場合、まだまだ「顧客の立場で見たらどうなるか」等々。
コレは、他の3つも同じである。
2.「考える」ための基本スキル
1)「分ける」コト
人間の考える範囲は、限定的である。そのため、「考える」ことを効果的に進めるには
「分ける」行為が重要となる。
今見えているカタチ、いまある意味、いまある条件、いまある構造、いま
ある位置関係等々を分解することで、新しい関係づけを見つけるコトが容易になる。
①ツリーに分ける 垂直分解(系統図、機能分解、目的・手段)、水平分解(役割区分)
②フローに分ける 流れのパターン(時系列、因果関係、起承転結)
③配置に分ける 位置関係、配置関係等々パースペクティブ(遠近法)の関係
④構造に分ける 組成関係、骨格構造等々立体的関係
⑤状況に分ける 5W1H(ヒト・モノ・カネ)
やや大雑把になる中小企業の対応では、ビジネス強化として、考える必要がある。
「分ける」をチェックする目安は、
・もう少し細かくならないか
・もう分けられないか
・他の分け方はできないか
・何か前提にしていないか
・見落とし,ヌケはないか
・似た事例をベースに上記の項目を見直してみる
2)グルーピング
「グルーピング」は,バラバラになった情報、バラバラにした情報の中に、意味
のある「つながり」を見つけて、あらためて新しい基準(共通点)で、
まとめることにある。
いずれにしても、共通点があるのは、似ているから「共通点」が見つかるのでは
なく、「共通点」を見つけるから似ているのである。両者はつながるのではなく
つなげる。共通点は創り出すものなのである。
「グルーピング」をチェックする目安は、
・似たところはないかと考えてみる(まずは、共通点を適当に仮説化)
・違いはどこにあるか、を考える。似ても似つかないものはどれか、
を考えるのも一つ。
・別に言い換え(置き換え)られないか
・両者に関係づけられるものはないか、無関係なものはないか
・両者をそれぞれ別のモノ(似たもの、関係あるもの)に置き換えてみる
・それぞれを由来・背景・根拠・理由に遡ってみる
・似た事例をベースに上記の項目を見直してみる
新規事業を開発する場合、業種の定義や提供を別種にし直したりすることで、従来
と異なる市場を発見することが多々ある。例えば、「クロネコヤマト宅配便」は、
従来の郵便事業の定義をし直したものであり、「スターバックス」は、単なる
コーヒーを飲むと言うビジネス定義から「楽しい空間提供」と言う定義に
変えたことにより、新しい顧客を開発したものである。
最近は、元気のある中小企業経営者でも、このような発想が出てきている。
3)組み合わせ
「組み合わせ」は、異質の分野のもの、異なるレベルのものを組み合わせることで
新しい全体像を見つけ出す。全体だけでなく、その一部分同士からも新しい
組み合わせを見つける。
例えば、最近脚光を浴びている「3Dプリンター」は、Webの世界とリアルの世界を
上手く組み合わせて行くビジネスである。ディジタルコンテンツとしてのモノ作りの
データを実際の形に創っていくことで、これからの社会に大きな変化をもたらして
行く。また、ipodに代表される様な音楽配信サービスは、インターネットの
広さとディジタルコンテンツを上手く組み合わせたことによる。
コレは「組み合わせ」と言う考えが重要なポイントとなる。
中小企業でも、多くとは言えないが、異業種交流での他社との組み合わせで、
新しい製品を開発している事例もある。
3.ロジカルシンキング概要
ロジカルシンキングとは論理的(ロジカル)に考える(シンキング)ことであり、
行動への成功率を高め、確実に目標達成するために不可欠な思考法である。
1)なぜロジカルシンキングが必要なのか?
ロジカルシンキングしないと、モグラ叩き的な仕事、全体把握の欠如、失敗の繰り
返しがあり、経験、ノウハウの積み上げが難しい。
ロジカルシンキングを実施することにより、全体像の把握、体系的な思考、
最短距離の達成、確実な目標達成が可能となる。
従来から日本でロジカルシンキングが定着しないと言われているが、グローバル化
が進み、ビジネススピードで勝敗が決する時代となり、組織の目標、個人の目標
を論理的に展開する必要が出てきている。
例えば、ロジカルシンキングしない人には、以下の態度が多く見られる。
・やってみなければ分からない
・運が悪かった
・戦う相手が悪かった
・根拠無く他人のせいにするのが特徴
・どんぶり勘定的な判断
残念ながら、中小企業ビジネスでは、このような態度がまだ見受けられる。
2)どうすればロジカルシンキングが身につくか?
①まず全体像を把握する
・全体と部分の関係を把握し、構成要素の把握を行う。
・グランドデザインを明確にする
グランドデザイン・・・全体構想、将来のあるべき姿
グランドデザインの共有化を図り、意思統一を行う。
②目的と手段を区別する
目的と手段を間違えたり、同一として考えている場合が結構多い様である。
手段はあくまでも、どのように行うか?である。
また、目標には、上位目的と下位目的があることを認識する。
大目的と小目的を正確に認識し、目的と手段の混同原因としない。
③なぜなぜを考える
原因究明なしで対策を考えない。
成功や失敗の原因究明を絶えず行うことが重要である。
④情報整理法を身につける
氾濫する情報の中で、ロジカルシンキングの基本は意識したとしても、
的確な情報の入手と整理が大きな力を持つことになる。
それには、キーワードで整理するコト、情報をグルーピングし、階層化
して整理するコトが肝要である。
3)ロジカルシンキングの基本
①マクロからミクロに、まず全体を捉える
・ミッシー(MECE)の考え方をベースに、モレ無く、ダブリ無く把握する。
全体像把握にはMECEが効果的である。
・フレームワークを意識し、全体の構成要素の明確化を考える。
例えば、構成要素別分析、経営戦略のフレームワークとしての3C
(Customer,Company,Competitor)がある。
・モデル化して、単純明快に考える。
例えば、「ビジネスモデルジェネレーションキャンパス」などは有効である。
②既成概念の枠にとらわれない発想
コレには、ゼロベース思考(既成概念や常識にとらわれないゼロからの発想)、
オプション思考(解決策の選択肢、代替案を複数考える思考法)、ブレイン
ストーミング、マインドマップ手法などがある。
③情報整理の工夫
図解や図表を使って情報を整理する。
また、MECEを意識したツリー構造で、因果関係や大小関係を階層化する
「ロジックツリー」もその1つでもある。
一枚に情報を整理して全体像を把握する習慣化も有効である。
4)阻害要因
以下の点に配慮していく必要がある。
・過去の成功体験に酔いしれ、思考停止となる。
・失敗体験に囚われ、タブーを作る。
・mustとwantの区別が出来ない。
wantは望ましいコトであり、しなくても良い事でもある。
・過去の延長で思考することで、ワンパターン化、記憶に依存した判断をする。
また、ビジネス面に関わらず、自分が望む成果を得るためには、相手が望んでいる
ことを知り、期待する成果へと導くために、適切な伝え方をする必要がある。
相手が望む結果を得るための根拠を、漏れなく、抜けなく、わかりやすく
説明し、確実に成果が得られることを伝えるためのスキルとしても、
ロジカルシンキングは多いに活用出来るはずである。
是非、中小企業の組織、個人レベルでも更なる活用を進めてもらいたい。
「顧客理解とビジネスモデルゼネレーション的センスのアップ」
2年以上前から中小企業の新規ビジネスやWebサイト構築に、ビジネス
モデルゼネレーションキャンパスを使ったり、使うように支援して来た。
この手法は、9つのビジネス要素を参加者で討議しながら、全体を把握し、
各要素のシナジー的な動きを感じるのがポイントかもしれない。
この種の一覧性のマップ作りの重要な点は、メンバー間の意識化と共有化
にあるはずであり、その基本を認識するならば、様々な形に応用できる。
そのため、全社のビジネスモデルを再構築する、と言うような大きな行動
とは別に、自社のWebサイトをSEO的な手法ばかりではなく、
このマップ作りにより、サイトの見直し、再構築が結構有効でもあることは、
幾つかの中小企業のWebサイト構築からも分かった。
すべての組織はビジネスモデルを持っているはずであり、組織がどうやって
動いているかを書いたロジックでもある。しかし、中小企業では中々、
コレに答えられない場合が少なくない。自社の現在の事業をもう一度、
ビジネスモデルとして再認識するコトと自社の想定している顧客なるもの
を理解するセンスが必要ではないだろうか。
1.ビジネスモデルゼネレーションキャンパス
以下の9つの要素をベースとして、ビジュアルで絵みたいに書いて行く。
営業、総務、技術などの各部門のメンバーが参加し、ポストイットなどで、
話をしながら、ブレーンストーミング的な形で進めていくのが、良い
マップとなる。
①顧客セグメント
企業が関わろうとする顧客グループについて書き出す。
②与える価値
特定の顧客セグメントに向けて、顧客の望む価値を生み出す製品とサービス
について記述して行く。
③チャネル
顧客セグメントとどのようにコミュニケーションし、その価値を伝えていくのか
を記述する。
④顧客との関係
企業が特定の顧客セグメントに対してどのような種類の関係を結んでいるのかを記述。
⑤収入
企業が顧客セグメントから生み出す現金の流れを表現する。
⑥リソース
ビジネスモデルの実行に必要な資源、資産を記述する。
人材、モノ、お金、知的資産(IP、ブランド、技術)など必要なモノを書く。
⑦主要活動
企業がビジネスモデルを実行する上で必ず行わなければならない必要で重要な活動
を記述する。
⑧キーパートナー
ビジネスモデルを効果的に実現するためのサプライヤーとパートナーのネットワーク
について記述する。
⑨コスト構造
ビジネスモデルを運営するにあたって発生するすべてのコストを記述する。
以下の動画で見ると、もう少し理解が深まるかも。
<a href="https://www.youtube.com/watch?v=06kKApxIsPA&list=PLymIFHb5jZpXs-bHnYe9i50nTePU">https://www.youtube.com/watch?v=06kKApxIsPA&list=PLymIFHb5jZpXs-bHnYe9i50nTePU
AiUUW&index=1</a>以上のようなワークの効果として、
・各要素のつながりから特に、将来の組織モデルの見える化が可能となる。
・活動を全体的に考え、細部へのこだわりが無意味であることを気付かせて
くれる(一覧性による全体把握センスの向上)
・支援者、仲間との共通言語とフレームワークを共有化出来る。
・ビジネスを必要プロセス毎に把握できるため、各部門の相互理解、支援が高まる。
2.「顧客を知る」ことのセンスアップ
ビジネスモデルゼネレーションキャンパスの作成時に、よく分からない?と言われる
のが、上記①の顧客セグメントの具体的な洗い出しである。「自社の顧客?」が
分かっている様で、実際は、良く理解しているとは言えない場合が結構多い様である。
1)顧客セグメント?
まずは、ブレーンストーミングなどを行い、想定している顧客セグメント(年齢、
性別、など)をすべて書き出す。更に、その中から幾つかの候補を選び、そのうちの
一つを使って顧客の具体的なイメージをまとめていく。
顧客にまず名前を付けて、性別、年齢、既婚かどうか、収入などの特徴を与える。
(他でもよく言われているペルソナ的なアプローチ)
まず、基本的な属性を定めることで、作業を進めていくうちでブレのないようにする。
それぞれの顧客イメージがずれないように、このような基本属性を定めることが重要と
なる。
2)何を見ているのか
顧客が日常生活をしている中で何を見ているのかを記述する。顧客が、どのような
環境に囲まれているのかを定め、職場、家庭、趣味仲間など、どのような提案
をしているのかをイメージする。
どのような友人がいて、どのような会話をしているのかを考え、どのようなタイプの
商品、サービスに日頃、触れているのかを考え、そこで、どのような問題に遭遇する
のかをイメージし、生活する中で自然に影響を受けそうなものを列挙していく。
3)何を聞き、感じているのか
「何を見ているのか」で書かれた環境の中にいる人たち、友人、配偶者、上司、
影響力あるメンバーが何を言っているのかを書き出す。誰がどのような発言を
して影響を与え、感じているのかを知るためのカテゴリーになる。
例えば、顧客属性を固めていくときに便利なのが雑誌であり、雑誌が細かく分けた
属性に対して記事を作成していることから、顧客の愛読誌を特定し、その雑誌の特集
をチェックしていくのは一つの手法でもある。
顧客の心の中で起こっていることを書きだし、感情を想像してみて、重要なことが
上手くいったとき、どんな感情を持つのか、その人の夢や願望を書き出せる。
4)どんな事を言い、どんな行動をしているのか
「何を見ているのか」「何を聞いているのか」「何を感じ、考えているか」を受けて、
その人がどのような行動をしているのかを知ることである。
5)顧客の得られるものは何か
本当に欲しいもの、必要としているものは何か?成功の基準をどこにおいていて、
どのようにして成功にたどり着こうとしているのかを考えてみるコトが上記②の
「顧客へ与える価値」となる。最終的に、顧客が何に対して価値を感じ、お金を払う
のかを理解するために必要となる。
3.ビジネスモデルゼネレーションキャンパスへのセンスアップ
事業を多角的視点で捉える「キャンバス」(マップ)を使い、既存事業のビジネス
モデル分析やビジネスモデル転換、新規事業のビジネスモデルデザインを行う。
1)顧客関係を起点としたプラットフォーム化
顧客との関係を起点としたビジネスモデル化については、単発の取引から継続した
関係の構築、さらには共創関係への顧客関係の変化を描くことが出来る。
こうした顧客関係の変革は近年、事業を安定させるためのビジネスモデル上の課題
となっており、ビジネスのプラットフォーム化についても考える。
2)新規事業と既存事業のビジネスモデル上のシナジー化
既存の企業で新規事業を立ち上げる際には、現業との関係が重要になる。また、新規
事業へ一貫性をもたせるためのビジネスモデルを考える。
3)収益モデルの構築と事業構造
ビジネスモデルの妥当性を検討する最終的なポイントは、その収益モデルにある。
適切な収益モデルなしにどのような事業も成立しない。収益モデルを変更すること
によるビジネスモデル変革について検討する必要がある。
4)ビジネスモデル変革のアプローチ
既存のビジネスモデルにイノベーションを起こすためのアプローチについて検討する。
新しいビジネスモデルを作るためには、業界にとって「常識」とされていることを
覆し、未来志向で新しいビジネスモデルを構想する必要がある。
組織を上手くビジネス的に整合するために、ビジネスモデルゼネレーションキャンパス
を大きくは、2つの視点で考えて行くコトが重要かもしれない。
右側のエリアでは、
まず「価値(VP:Value Propositions)」の要素を考えることが肝要である。
「新奇性」や「パフォーマンス」、「カスタマイゼーション」などビジネスが提供する
価値を考える。たとえば「外からネットで依頼すれば、事務所に戻らなくても請求書を
作成し発送できる」というサービスなら「場所に制約されない」という価値(VP)。
その様な価値(VP)を、誰のために創造し、提供するのか。それが顧客「CS(Customer
Segments)」である。この点で、2項の「顧客を知る」ことは重要である。
さらに顧客(CS)と企業の関係「CR(Customer Relationships)」を考える。
企業は顧客を獲得し、維持し、販売を拡大するために、関係(CR)を構築することを
重視する。最近は、ユーザー同士が教え合ったり、情報を交換し合う場を提供する
「コミュニティ」がネットを活用して実現できるものとして、重視されている。
更に、価値(VP)を届けるために顧客(CS)とどのようにコミュニケーションするの
か、企業の顧客へのインタフェイスである「チャネル(CH:Channels)」が必要である
。
VPを中心にCS、CR、CHを考えてまとめていくと、自然に「収益の流れ(RS:Revenue
Streams)」が見えてくる。右側のエリアは、「顧客との関係性」といったように
「価値」を考えるエリアになるはずである。
左側のエリアでは、エリアは価値(VP)を作り出し、実際にどのように提供していく
かが一番の課題である。ここにはコストがかかってくるため、コストを抑えるために
「効率性」が重要な指標となる。
価値(VP)を実現するために、必ず行うべき「重要な活動(KA:Key Activities)」を
考える。例えば、モノを作る「製造モデル」、サービスで悩みや課題を解決する
「問題解決モデル」などがある。そのため、ビジネスモデルの実行に「必要なリソース
(KR:Key Resources)」を考え、「主要なパートナー(KP:Key Partners)」
と組むことや選定も必要になってくる。
こうしたKA、KR、KPを考えていくと、自然に「コスト構造(CS:Cost Structure)」
が見えてくるはずである。
以上のように、右と左側のエリアの性格を十分理解しておくコトが社会環境などの
変化に対して、組織をキチンと動かしていくためには、必要である。
この考えをベースにして、更なる組織強化が図れる。
①マネジメントのネットワーク化
各グループの管理レベルのメンバーによるネットワーク化が有効となる。
②外部とのネットワーク化
地域の企業、団体、等自組織の重点活動に関係する部門との連携が図れる。
③職能ネットワークの構築
組織において対応出来る技術、技能を持った有機的なつながりを構築する。
④ローテーション化
個人レベルでの幅広い総合的な視野の育成を考える。
ビジネスモデルゼネレーションキャンパスのポイントは、9つのビジネス要素
を一覧化したことにある。細かな手法ややり方よりも、この全体フレームを
意識することだけでも、事業構築のセンスアップにはなるはずである。
なお、中小企業で必要になりそうなスキルの簡単が概要を示す。
<a href="https://www.youtube.com/watch?v=C2qIkr_iJdg&feature=youtu.be">https://www.youtube.com/watch?v=C2qIkr_iJdg&feature=youtu.be</a>
「顧客の行動を理解し、新しいビジネスを紡ぎ出すセンス」
インターネットの世界は、益々深化し、旧来のマス的な顧客把握では、
不十分となっている。顧客対応では、リアルな行動をベースに、個人の
行動にある潜在的なニーズを把握し、顧客体験をより個人ベースで、
より高度にして行く必要がある。
単なる顧客行動分析やGoogleAnalytics活用では、把握できない個客の
想いや要望を、総合的に見るための「カスタマージャーニーマップ」的な
センスが必要とされる。コレにより、中小企業でも、多様化するチャネル
を総合的にまとめていくことのメリットに加えて、今までにない新しい
サービスの実現の可能性も出てくるのではないだろうか。
1.カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップとは、サービス設計の際に顧客の行動文脈を
旅(ジャーニー)のプロセスに見立てて可視化し、把握する手法やそのために
描いた図を指す。サービス全体の機能やタッチポイント(顧客接点)を示し、
その上を顧客がサービスを利用したり商品を購入したりする行動を描いた図は、
まさに「顧客の旅行地図」といえる。
カスタマージャーニーマップは、サービスのアイデア発想や設計のためのヒント
を発見し、よりよいカスタマーサービスを実現するために使われる。
よりよいカスタマーサービスを実現するという目的でジャーニーマップを
利用するには、サービスのフェーズやタッチポイントにおける顧客の
行動はもちろん、顧客の思考や感情まで把握する必要がある。
カスタマージャーニーマップの本質は「おもてなしにおける心遣い」の
可視化と共有化の戦略において、旧来型のおもてなしを提供していた経験
豊富な顧客担当者同様に、顧客がどんな状況のときに何を欲し、何を喜び
とするかを理解することにある。
顧客行動を包括的に見たうえでの理解することが、従来は存在しなかった
革新的な顧客体験を生み出すようなサービスを設計できるようになる。
2.カスタマージャーニーマップの考え方
その基本は、顧客とのつながりを5W1Hとして、把握することである。
即ち、
・Who(誰が、が基本となる)
・When(顧客の状況、サービスへの接触タイミングなど)
・Where(サービスへの接触場所、自宅、会社、交通機関など)
・What(コト、モノ、サービス等の接触内容)
・Why(接触時の顧客の考え、感情など)
・How(チャネル、タッチポイント、接触の手段)
特に、Whenは、顧客の行動プロセスを時間軸として捉え、接触の状況、
具体的なシーンを考えて行く。コレには、マーケティングのAISASを
考えるのが適当かもしれない。
AISASが想定する購買行動プロセスは5つである。
「Attention」(注意が喚起され)、「Interest」(興味が生まれ)、「Search」
(検索し)、「Action」(購買し)、「Share」(情報を共有する)
AISASにおける「Search」は、製品やサービスに関心をもった顧客が
「購入前に、Googleなどの検索サービスで情報を調べてみる」というプロセスを示す。
また、最後の「Share」は、ブログやSNS、クチコミサイトなどで、製品やサービスの
感想などの情報を投稿(情報共有)するプロセスを示す。
また、広告宣伝の視点でAISASを考えると「AttentionとInterestにてメディア
ミックスで宣伝広告を行い、検索サイトに誘導するクロスメディア広告モデル」と
捉えることもできる。
簡単なカスタマージャーニーマップ作成の流れを示す。
①顧客がいま、どんな流れでサービスを利用しているかを把握するため、フィールド
リサーチをする。
②フィールドリサーチの結果、サービス利用目的や行動傾向のパターンに応じて、
顧客をセグメント化~モデル化(ペルソナ)する。
③ペルソナごとに、行動の流れに沿って、顧客が接したタッチポイント、そこでの
インタラクション、考えたこと、感じたことなどの要素とその関係性を明確に
しながら、視覚的にマッピングを行う。コレには、多様なメンバーの参加が有効
でもある。また、マッピングを行う際は、フィールドリサーチで撮影した写真など
をそのまま貼り付けてもよい。
④現状のサービス体験のどこに新たなヒントが隠されているかを、マップを
見ながら検討する。
改善のためのヒントを探るためには、なぜ現状のサービス体験がそのように
なっているかを、サービスに関わるステークホルダー間の関係性なども別途考察
しながら、まったく別のサービスの形はないか、を考える。
顧客の体験を理解し、それをヒントにこれまでなかったようなより価値の高い顧客体験
について思いを巡らせる、その手助けをしてくれる手法の1つがカスタマージャーニー
マップであり、「カスタマージャーニーマップをどう作ればよいか」をいくら考えて
も、答えは見えてこない。しかし、「顧客の体験をとにかく理解しよう」と強く思い、
知っていること、教えてもらったこと、調べてわかったことを整理しようと紙の上で
作業をすれば、その結果がカスタマージャーニーマップになると思ったほうが、
良い結果がでる可能性はある。
3.何故、カスタマージャーニーマップなのか
インターネットやモバイルが普及したことで、近くにいない人の状況でも把握できる
ようになった。即ち、より遠く、より多くの人に、同時におもてなしを届けられる
可能性が生まれてきた。旧来のおもてなしとは違う形での新しいおもてなしを提供
できるようになったことで、新たなビジネスモデルの構築とチャンスが活発化
している。
顧客体験が重視される背景
①インターネットやモバイルの普及で従来にはない新しい方法でおもてなしが可能
になった。
②それを競争優位性として新しいビジネスを生み出そうとする動きがでてきた。
③「顧客体験」を戦略として採用することが重要になった。
企業が「これまでにはなかった方法で顧客の状況に応じた適切なサービスを提供するこ
とで、市場における競争優位性を獲得する」ために採用する戦略が重要となる。
描かれたカスタマージャーニーマップをもとに、顧客体験の向上というゴールに
つなげるにはどうすればよいのか。カスタマージャーニーマップは、顧客体験
そのものをキチンと理解し、その本質を明確にするのに有効である。
顧客体験の理解には、「What」と「Why」を明確にする必要がある。
多くの場合、「顧客体験とは何か?」という問い自体が、その理解を難しくしている。
「何か?」と問えば、それは「現状肯定として」の発想となりがちであり、そうでは
なく「何のために顧客体験を重視するのか?」と自身に、問うことが必要
となる。「What?」(それは何か?)ではなく「Why?」(なぜそれなのか?)と
問うことが重要となる。それは「これまでにはなかった方法」で顧客の状況に
応じた適切なサービスを提供することで、市場における競争優位性を獲得すること
になる。
Airbnb: <a href="https://www.airbnb.jp/">https://www.airbnb.jp/</a>
Airbnbは、世界中の人どうしが、誰かの部屋を借りたり、逆に自分の部屋を貸し
出したりできるルームレンタルのプラットフォームサービスを提供している企業。
創業は2008年、現在は、192か国、3万4000都市の賃貸可能な物件が登録されている。
部屋を貸し出す「ホスト」という人たちが登録している物件には、個人の住宅
だけでなく、城やツリーハウス、イグルー、個人所有の島なども含まれる。
ホテルとは比較できないほど個性豊かな部屋のなかから宿泊先を選べる。
Airbnbのサービスがもたらしたのは、従来になかった新しい旅の体験といえる。
従来であれば、現地に既知の友人や知り合いがいない限り、旅行の宿泊はホテルなどの
宿泊施設に限られていた。しかし、Airbnbを利用することで、誰でも現地の一般家
庭に泊まることができる。単に宿泊料金が安く済むだけではなく、部屋の提供者と
知り合い、ともに過ごすことができるという、旅行の体験を大きく変えるきっかけも
得られる。部屋の提供者にとっても、利用してもらうことでいろいろな国からやって
きた旅行者たちと知り合い、その人々を通じて異国の文化に触れることができる。
顧客体験を戦略として採用することで、従来になかった顧客体験を生み出す新たな
ビジネスを展開し、それによって市場における競争優位性を獲得してい
る例として、Airbnbのやり方は、広く適用が可能である。
旧来のおもてなしでは、気配りによって顧客の状況を把握していたが、Airbnbの場合
は、それをインターネットやモバイルの活用によって実現し、より広範囲に提供
している。顧客の行動パターンと意識の動きについての知識、情報を活用する、
これを現在の顧客体験の戦略の文脈に当てはめると、なぜ「顧客の文脈を理解する」
ことや、そのためにサービスを利用する「顧客の旅」(カスタマージャーニー)の
文脈を把握することが重視されるのか理解できるはずである。
4.カスタマージャーニーマップ作成のポイント
特に、注意すべきは、新しい顧客の旅のアイデアが生まれる場づくりである。
顧客にとって理想的な新しい旅やサービス体験を生み出すためには、ブレーン
ストーミングなどの創造力を発揮するための技術が必要であるが、カスタマー
ジャーニーマップの作成を行なうワークショップに参加したメンバーが、その
創造的なプロセスに参加すること自体を楽しむことができ、それによってより
創造力や情熱が駆り立てられる状態を作るファシリテーションが欠かせない。
1)ステークホルダーの関係をマップ化する
まず最初のステップは、顧客やフロントスタッフ、バックヤードのスタッフなど、
サービスに関わる利害関係者をリストアップすること。関係者間のインタラクション
をマップ化して表現し、サービススタッフなど動きが、顧客の利益にどんな
影響を与え、顧客はそれに不満があるか、を説明できるようにする。
2)顧客モデル=ペルソナを作る
次のステップでは、顧客モデルとしてのペルソナを考える。顧客のプロファイルや
性格、ビジネス状況やそれに対する期待は何かをユーザーモデルとして作成しておく。
ペルソナ化は、ある特定の顧客プロフィールを具体的に創出することで、より
深いWebサービス化が可能として、活用されている。
更に、作成したペルソナがどんな結果を期待しているか、何を達成しようとして
いるかを明らかにする。
3)カスタマージャーニーマップ化
次ののステップは、2つ目のステップで明らかにした「結果」にペルソナがどのよう
なプロセスを経て辿り着くのかをカスタマージャーニーとして図示することで、
顧客の旅のプロセスを明らかにする。
顧客の旅の段階をリストアップした後に、それを時系列に並べた形に図的に表現する。
4)タッチポイントを考える
さらにこの顧客の旅の各段階で、顧客が実際にサービスに触れるタッチポイントとなる
スタッフや機器が何かを書き加えていく。顧客とサービスの接点を明らかにする段階。
多様化するチャネル含めて、まずは、コレをまとめると、全体が見えてくる。
5)最も重要な「真実の瞬間」
次に顧客がそれぞれのタッチポイントに接した際の重要度を評価し、最も重要な「真実
の瞬間」がどの時点かを判断する。
なお、「真実の瞬間」とは、「顧客が最良の選択だったと納得させるため」という
キーワードで、サービスマネジメントやサービスデザインの分野では使われるよう
になっている。
6)サービスデリバリーの責任者を明確にする
次のステップでは、各タッチポイントで顧客にサービスを提供する直接の担当者が誰か
を明記しておく。そうすることで、例えば顧客をイライラさせる待ち時間の要因が
、同じ人がサービスプロセスに何度も登場していてボトルネックになってしまっている
ことに気付けたりもする。
7)旅の途上の感情を描く
ここまでのステップで、顧客の旅の途上でのタッチポイントやそこでのインタ
ラクションあるいはサービスを実際に行なう担当者の関係性が図示されており、
その旅の途上で顧客の感情がどのように変化するか、ポジティブとネガティブの間
をどう動くかを評価することが重要となる。
8)全体設計図として落とし込む
カスタマージャーニーマップを作成しながらサービスデザインを行なったあとは、
実際にそこで考えられ決定されたことが、実際にサービスを提供する人びとの支援と
なるように、フロントスタッフ、バックエンドのスタッフ、サービスのインフラと
なるシステムの関係性を描いたサービスの全体設計図を描く。
「これから必須、情報の整理力とフェルミ推定的センス」
情報が氾濫している今の時代、企業経営者に求められるのは、必要情報を選別し、
全体の方向性を勘ではなく、数字的なアプローチと定量的感覚で把握しておく
ことである。
例えば、製造業の現場力を上げるために、5S(整理、整頓、掃除、清潔、躾)
の徹底を進める中小企業経営者は多い。しかし、コレも、モノの整理、整頓が
全面に出ているようであるが、モノに付随する情報の整理、整頓が重要なはずで
ある。モノと情報が整理・整頓ができた状態を明確ににして、整理・整頓の
実施にあたって問題点や障害を考えて検討をしていくべきである。中小企業
の戦略化、IT化の支援をしていても、5SとIT化の連携化、共通化などで、
必ずしも、十分な対応が出来ているとは思えない。
整理、整頓するという最大の目的は、頭の整理である。整理をすれば、自身
の持っている資源は何かが客観的につかめてくるし、何が重要で、何が不要
なのかも見えてくる。ヒト・モノ・カネ・情報の整理が出来て、どうすれば
有効に活用できるかを考える域に達すれば、相当な決断力、判断力アップになる。
1.フェルミ推定に学ぶ
フェルミ推定とは、実際に調査するのが難しいようなとらえどころのない量を
いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することを指す。
フェルミ推定では、回答を導き出すための考え方が重要視される。回答すること
が難解な解を導き出すために、推定するわけだが、とにかく数値を仮置きして
いき、最終的にそれに近い答えが出せれば良い。
例えば、
フェルミ推定で特に知られているものは、「アメリカのシカゴには何人のピアノ
の調律師がいるか?」を推定するものである。これはフェルミ自身がシカゴ大学
の学生に対して出題したとされている。
この問題に対して、例えば次のように概算することができる。
まず以下のデータを仮定する。
・シカゴの人口は300万人とする
・シカゴでは、1世帯あたりの人数が平均3人程度とする
・10世帯に1台の割合でピアノを保有している世帯があるとする
・ピアノ1台の調律は平均して1年に1回行うとする
・調律師が1日に調律するピアノの台数は3つとする
・週休二日とし、調律師は年間に約250日働くとする
・そして、これらの仮定を元に次のように推論する。
シカゴの世帯数は、(300万/3)=100万世帯程度
シカゴでのピアノの総数は、(100万/10)=10万台程度
ピアノの調律は、年間に10万件程度行われる
それに対し、(1人の)ピアノの調律師は1年間に250×3=750台程度
を調律する。
よって調律師の人数は10万/750=130人程度と推定される。
この様に、フェルミ推定では、自身の持っている情報と全体把握能力が問われる。
「一見掴み所が無い事象、状況を単純化して計算を簡易化し、概数を算出する」
ビジネス化する、事業方針を固めていくと言う場合は結構有効と思われる。
よく市場調査をして、事業計画へ進める場合も、まず、全体の方向性、市場の流れ、
おおよその規模を設定し、それに合わせて、更に調査、計画を進めていく。
以前には、優秀と言われてきた人の基準に、「知識の豊富さ、経験の多さ」
があったが、インターネットの爆発的な拡大による情報量の豊富さとベスト
プラクティスからの事例の多さは、フェルミ推定的なアプローチと思考の出来る人
が優秀と言われることになる。
①結論の設定、仮説化
今ある情報からでも、可能性の高い結論、仮説を想定し、情報の精度を上げながら、
仮説検証をして行く。
②全体の把握
全体俯瞰する意識、視点の選択、分類による思考の集中化、因数分解による
構成要素の把握、全体の再構築と問題部分の把握
③単純化する
モデル化、そのための枝葉末節の切り落とし、ある共通点からの類推化
が重要な構成要素になる。
特に、②の全体の把握は、経営者にとって重要であり、フェルミ推定的アプローチ
から大いに学ぶべきである。
2.情報収集能力アップに向けて
1)情報収集を効率的に行う
インターネットの深化、拡大により、まずは、自動的に質の高い情報が毎日自身
に来ることの仕掛けが重要である。
また、グーグル検索でも、効果的に必要情報を集める人は、キーワード、キーフレーズ
の設定が非常に上手い。最近の検索エンジンの高度化により、2語から4語を
自身の視点で、選定している。
幾つかのやり方について、
・ツイッターで質の高い情報発信を発信している方をフォローし、移動時間などの空
き時間にチェックして行く。
・グーグルリーダーを活用しRSSで世界経済、政治、日本経済政治、等の記事を自動で
あつめる。
・アメブロなどのブログツールで考え方、ノウハウなどを発信していただいているブロ
グをRSSでチェックする。
・グーグルアラートによる必要キーワードでの最新情報の確認をする。
また、私のサイトでも、良く参考にする情報サイトを集めている。
http://www.kokusan-itsien.jp/参考となる情報/
例えば、三菱総研の「生活者市場予測システム」は、結構面白い情報がある。
https://mif.mri.co.jp/
このようなことを自動で集まる仕組みをまずは構築すること。
更に、「集まった情報を整理する能力し、効率化させる力」が必要となる。
例えば、
・エバーノートで気づいた内容、整理することなどをすべての情報をまずは保管する。
・マインドマップで論理思考と水平思考を掘り下げ、情報の本質を考える。
・ドロップボックスでフォルダを共有して自宅編集、会社編集できるものを使いわける
・グーグルドキュメントでオンライン上で書類、データーを共同編集して時間を効率
化させる。
等など
2)情報の整理
情報が氾濫している社会で上手くやっていくためには、自身の頭の中を常に整理して
いく必要がある。情報で溢れかえった脳内をきれいに整理整頓しなくてはならない。
そのために積極的な出力化が効果的となる。
出力化とは、頭の中にある情報を整理して吐き出す作業のこと。自分の知っている
ことを誰かに話したり、文章として書いたりして情報を外部に出す。それにより、
思考を整理することが出来る。
出力化のメリット
①記憶が定着する
米パデュー大学のカーピック博士の研究によると、人間の脳は入力よりも出力
を繰り返す方が、記憶の定着が良いということが分かっている。
つまり、繰り返し情報を読むよりも、文字として書いたりする方が覚えられる。
たとえば、英単語を覚えるのであれば、単語帳を読むよりも、実際にノートに
単語を書く方が記憶が定着する。書いた方が覚えられるというのは、昔から
よく言われているが。
②気づく力が付く
出力化が習慣化している人は、気づく力が圧倒的に付いて来る。たとえば、
毎日書いている人であれば、書くためのネタを探すクセが付いているはず。
結構、人間観察をしたり、窓の外を眺めたりして、色々な情報を無意識に
集めているので、普通の人が気付かないようなことに気づけるようになる。
③人に伝える力が付く
出力化は、自分の頭の中にある情報を形にする作業であり、これをやっていると、
自分の思っていることを、他人に伝える力を付けることが出来る。文章などを
キチンと書ける人は、論理性をもって、人との会話が出来ている。
ビジネスの場面でも、自分の意見を言うことを求められる機会は多いはずであり、
そういった時に、瞬時に思いを伝えられるのであれば、高印象を与えられるはず。
3)情報収集の基本スタンス
自身に情報が無ければ、出力化は不可能である。このため、効率よく情報を
集めることができるように、情報収集の仕方を考える。
①情報収集の目的を明確にする
質の良い情報を効率よく集めるためには、誰に話すのか、ブログに書くのか、
等を意識しながら、情報を集めていく事が肝要である。
これを意識していくことで、「使える情報」だけが意識に残ることになる。
ただ情報を集めるだけでは整理するのが大変であり、情報収集の段階で、ある程度
の情報精査をする必要がある。
②必要な情報だけを集める
自身の時間を有効に使うためにも、几帳面に情報を取っていこうとすると、無駄な時間
が増えるだけであり、必要な情報だけを読み取るようにすることを基本とする。
③スピードを重視し、完全な結果を求めない
情報というのは、直ぐに、腐ることを意識する必要がある。少し前まで最新だった情報
でも、数週間後には古い情報となってしまい、その鮮度は落ちる。スピードを意識し、
必要な情報だけを集めるかということがポイントとなる。
3.効果的な出力化に向けて
出力化の基本ポイントは、自身に対しても、見える化することである。
様々な経営者やキーマンと話しても、全て頭の中で、済ませようとする方の多くは、
あまり良い結果を生まない様である。
1)出力化のリストを作る
リストを作って視覚化すると、頭の中を効率よく整理することができる。
今まで得た情報を箇条書きとして、ノートの書いていき、それらを同じカテゴリー
毎に分類をすれば、情報がしっかりと整理される。頭の中の情報を視覚化する
ことで、効率よく情報整理することが出来る。
2)情報収集を基に自分の頭で考える
その情報について考え、自分なりの見解を持たないと意味が無い。得た情報を
無条件に受け入れては、自身の必要とする判断は出来ない。
目的と手段の混在、原因と結果が短絡的などが散見される事があるが、自身の軸
を持ち、5W1Hのようなガイドを持つと結構防げる。
3)文章化することを習慣にする
情報を収集して自分の頭で考えていくと、ある程度の方向性が出てくるはず。
それらを文章化する事が肝要で、ノートでもブログでも、自身の言葉で自身の意見
を書く事が必要である。コレを習慣にすることで、自身の理解度も高まり、自身の
間違いにも客観的に気づくことが出来る。
情報を効果的にまとめていくには、上記の様なやり方が有効ではあるが、
最も、考えるべきは、自身の視点を持つことである。
自身の視点を持つことにより、収集した情報に優先順位が付けられるし、そこから
選別した情報での因果関係、関係要素が明確に把握出来る。コレにより、自身が
必要とする結果や気付きが得られ易くなる。
「中小企業でも統計センスを磨こう」
多くの中小企業では、統計的な判断で、ビジネスを進めること、統計センスを
企業判断に持ち込むことはほとんどない。
経営トップの勘と経験”に頼った意思決定が基本であり、それが、当たり前の
世界でもある。
しかし、市場の動きが速くなり、その構造も複雑化することで、過去の成功体験が
通用する領域がドンドン狭くなっているのも、事実である。きちんと科学的に
検証可能な“事実”に基づいて、的確な意思決定を行っていかなければ、企業経営
すら脅かす失敗をもたらしかねない局面が増えている。
逆にデータを分析すれば、適切な意思決定を行うための判断材料を生み出せる上、
新しい市場や見えなかったニーズ、未来に向けた戦略など、これまで成し得なかった
ビジネスへの進化を起こすことも可能ではないのだろうか。
玉石混交の様々な情報や主張があふれている現代で、情報を客観的に吟味できる統計
センスとそのリテラシーが非常に強力かつ重要であり、「主観的な判断」「恣意的な
判断」「都合のいい判断」を防止することがビジネスとしても重要である。
1.データマイニングとは
小売店の販売データや電話の通話履歴、クレジットカードの利用履歴など、企業に
大量に蓄積されるデータを解析し、その中に潜む項目間の相関関係やパターンなど
を探し出す技術。従来は、こうした取引の「生データ」は、経理処理に必要なだけ
で活用されていなかったが、情報技術の向上により、潜在的な顧客ニーズが眠る
「鉱山」として「採掘(mining)」されるようになった。
よく引き合いに出されるのが、スーパーの販売データをデータマイニングで分析
することにより、「ビールを買う客は一緒に紙オムツを買うことが多い」「雨の日は
肉の売上が良い」など、項目間の相関関係を見つけることができる。
また、クレジットカードの利用履歴を解析することにより、不正使用時に特徴的な
パターンを見つけ出し、あやしい取引を検出するなどの応用も考えられる。
ここで、そのやり方を少しコメントする。
①相関ルール抽出
データベースに蓄積された大量のデータから、頻繁に同時に生起する事象同士を相関の
強い事象の関係、すなわち相関ルールとして抽出する技術。
例1 スーパーでビデオを買った人のうちガムテープを買う人が多い → 両者を同じ場
所に置く。
例2 本Aを買う人は、後に本Bを買うことが多い → 本Aの購入者に本Bを薦めるダイレ
クトメールを送る。
その他の頻出パターン、時系列やグラフを対象としたものもある。
②クラス分類
クラス分類は与えられたデータに対応するカテゴリを予測する問題。
例:薬品の化合物のデータから,その化合物に薬効がある・ないといったカテゴリ
を予測する。
③回帰分析
与えられたデータに対応する実数値を予測する問題
例:曜日、降水確率、今日の売上げなどのデータを元に、明日の売上げという実数値
データを予測する。
④クラスタリング
データの集合をクラスタと呼ぶグループに分ける。
クラスタとは、同じクラスタのデータならば互いに似ていて、違うクラスタならば
似ていないようなデータの集まり。
例:Webの閲覧パターンのデータから、類似したものをまとめることで、閲覧の傾向が
同じ利用者のグループを発見する。
これらは、ECサイトの効果を知るためのA/Bテストやダイレクトメールの
メッセージとデザインを何度かランダムに送り分け、そのうち最も反応が良かったもの
を全面展開するなど身近にも活用されている。
特に、回帰分析は、我々のビジネスにも、直接応用できる。
2.統計センスを高める。
企業ではよく、エクセルやBIツールを使って一生懸命きれいな円グラフを作る。
会議ではそれを見ながら経営方針を決めたりしているが、グラフ化は単なる「集計」
であって「分析」ではない。単なる「見える化」をしただけでは、グラフが見えた
としても、誰もがその内容まで理解しているわけではない。「その数値が何を
示していて、どう行動したらどれくらい利益が上がるのか」という判断を出せること
こそが重要である。
この様に、具体的な意思決定、アクションにつながるプロセスを科学的根拠に基づいて
導き出すのが統計やアナリティクス(分析)であり、まずは、その様な統計データ
を使っていく、企業文化の醸成が必要である。
データはある、でもそこから何が分析できるのか分からないという企業に、具体的な
アクションを起こさせるきっかけ創りは必要となる。社内に分析の専門家がいないなら
外部の知恵を借りてもいいし、サンプルデータで「このあたりの領域が重要だ」と
判断したら、すぐに分析を開始し、方向性と仮説を検証しながら、全社レベルの
データまで対象を広げていくことが肝要である。
その結果を、現場の人も含め、共有していくと「これならいけるんじゃないか」と
盛り上がる場面が多々出てくる。そうやって具体的な施策を打ち出しながら、企業文化
を変えていくことも重要なポイントでもある。
3.統計スキルを高める幾つかのキーワード
ビジネスで必要となる定量分析は、正規分布、標準偏差、Z値、T値、P値、標準誤差
などの統計学の基礎知識だけ知っていれば、統計センスアップと必要とされる
統計分析はできるものである。ただ、中々、取り組みにくいかもしれないが。
①正規分布とは平均を中心として、左右対称にばらけている分布を指す。
エクセルでNORMINV関数やNORMSDIST関数を使うことで、標準正規分布表や正規分布の
グラフを描くことができる。
正規分布は自然現象の多くがこのような分布に従っていることが知られており、「分布
が正規分布に従っている前提で、その事象が発生する確率は何%である」といった計算
の前提となる。
②標準偏差
正規分布の横軸の目盛りが標準偏差となる。標準偏差はσ(シグマと読む)。
正規分布では、1標準偏差の中に全体の分布の34.1%にあたるデータが含まれる。
したがって、中心から両側1標準偏差をとると全体の68.3%のデータが含まれる
ことになり、平均から両側1標準偏差とると全体の2/3、2標準偏差( 2σ)で
95%、となる。ちなみに標準偏差はZ値はとも呼ばれる。
また、標準偏差を2乗すると分散が求められる。
③標準誤差とは?
標準誤差とは統計処理によって算出された値が、どれ程確からしいかを標準偏差で表し
たもの。
例えば、日本人の成人男性の身長の分布を算定するのに、ランダムに集めた30人の平均
でとるのか、それとも3万人のデータをもとにして計算するのか、または実際に日本人
の成人男性全員のデータで計算するのか、結果が異なる。
30人の場合は、たまたまその中に背の高い人が何人か混じっていれば平均値は大きくな
るし、サンプル数が小さければ小さいほど、そのような個別の特殊事情が反映され
る可能性が高くなる。一方、多くのデータを入手することがコストがかかったり、
手間がかかったりするので、できるだけ小さな数字で計算できれば楽である。
そこで、許容範囲内のずれかどうかを確認しながら、できるだけ少ないデータで
統計処理を行うためにこの標準誤差が使われる。
④P値とは?
P値とは、統計処理により計算された値の本当の答えがゼロである確率をさしている。
すなわち、実際には、何の差もないのに、誤差や偶然によって、たまたま、データ
のような差が生じる確率であり、通常は、5%以下を考える。
例えば、右足と左足の大きさから慎重を説明した回帰分析モデルが、重回帰式の
各項がそれぞれ意味がないかもしれない確率(=P値)の大きさを示している。
あるP値が29%ある場合、これの係数-3.64478が本当はゼロである確率が29%
あることを示している。回帰分析の手続きとしては、まずこのP値が大きい変数
から削除していき、全ての変数のP値が5%以下になったところで変数を確定させ
るのが一般的に行われる。
⑤t値とは?
t値は平均値から何個の標準偏差分離れているかを表す。
すなわち、2平均の差の検定であるt検定の、結果を表すものがt値で、そのt値が
絶対値で大きくなればなるほど「2平均の差がないことはない」確率、すなわち
「2平均に差があるといえそうな」確率が高くなり、有意差があるといえる。
⑥重回帰分析とは?
重回帰分析とは変数が複数ある回帰分析を意味し、エクセルによる重回帰分析の
ポイントは、正しい説明変数(Y=aX1+bX2でいうXのこと)を選択することにつきる。
例えば、回帰分析によるデータ分析の事例として、アパートの家賃を
総面積、部屋数、風呂数、、セキュリティー対策、駐車場の有無、駅からの距離
バス路線の有無、築年数で説明させる回帰分析を実施する場合など。
4.自身で統計データを分析する
まずは、回帰分析を体験的に行うのが良いかもしれない。
1)何のために回帰分析を行うのか整理する
何がどの程度の影響を及ぼす、のかについて分析する為の回帰分析なのか、
将来の予想モデルとしての回帰分析なのか?をはっきりさせる。
将来を予想するモデルでは、変数自体が将来どうなるかわからないようではモデル
ができたとしても役に立たない。
2)十分なデータ数のある変数の候補をできるだけ多く集める
十分なデータ数とは変数の数の15倍以上が目安。変数を2つ取った場合、1つの
変数に必要なデータ数は30程度。
5倍以下のデータ数ではデータ分析は難しいといわれている。
相互に高い相関関係にある変数でもって回帰分析を行うと「マルチコ
(Multicollinearity)」という事象が発生する。
相互に相関関係が高い変数でもって、回帰分析を行うと、
・係数の符号が正しく出ない
・t値が本当より小さく出てしまう
・少しのデータの変化で回帰分析の結果出てくる係数が大きく変わってしまう。
という事象が発生し、回帰分析を難しくする。
4)エクセルのツール→データ分析→回帰分析から回帰分析をおこなう。
エクセル回帰分析結果の読み方を理解しておくことも重要である。
分析のツールとしては、Excelは必須。レポーティングは必要であり、その点で
Excelは以前として使いやすさ・結果の見やすさ・覚えやすさのどれを取っても
バランスが取れている。
また、Excelだけでは追いつかないケースもちらほら散見されるから「R」が有効。
無料であり、OSS同様に世界中のコミッターが最新パッケージをどんどん提供して
くれるのでいつでも最新手法に触れられるというのも大きい。
5.統計センスを更に高める
以前なら処理できずに捨ててしまっていた膨大なデータも、ITの進化で低コストに
収集・蓄積できる時代になった。だが、このデータを“宝”にするか“ゴミ”と
して埋もれさせてしまうかが、ビッグデータ利活用では問われている。
データが“宝”になるか“ゴミ”で終わってしまうのか。その重要なポイントは
「分析のゴールをきちんと設定する」こと。自社にはどんな課題があり、分析結果を
どう経営に結びつけていくのか、そこから逆算して考えた方が投資対効果は
大きくなる。そのためにまず必要なのは、分析や統計のリテラシーを持つ人間
や企業文化を育てること。
また、「データから価値を生み出す」なら、まずは経営者自身で体験をしてみること
が必要かもしれない。経営者としてのめざすべきゴールは利益を上げることであり、
今あるデータの中で、何が利益とつながっていそうなのか、トライ&エラーを繰り
返しながら仮説を検証していく。
莫大なデータの中に隠された意味を解釈し、最適な利活用のシナリオを描き、実用化
していくには、適用業務を踏まえたデータやツールの活用方法、データを利用し
たビジネスモデル構築までの道筋を的確にナビゲートできる「総合力」が欠かせない。
例えば、「購買」向上について考えると、その背後には、ウキウキした人は商品を
買いやすいという「心理要因」や魅力的な広告に触れた人は購買しやすいという
「広告接触」、カワイイイメージや信頼感という「ブランド力」などは動かす
ことが可能な説明変数となるため、それに向けた商品作りにアクションを行うことが
基本的なやり方である。
一方、「性別」や「年齢」、「世帯収入」などは動かせない説明変数となるため、
結果につなげるためには狙い所をずらすという方法もある。女性や高齢の人も訪れ
やすい店構えに変えるとか、安価な商品のラインナップを増やすなど、原因を遡り、
簡単にコントロールできる地点にまで落とし込めば売上に結びつく可能性がある。
更に、「在庫ロス」という動かせない結果に対して、説明変数が「季節」、「景況
指数」、「仕入れ数」の場合はどうするか。季節と景況指数はずらすことさえ
できないが、仕入れ数は状況に合せて制御できるため、在庫の変動予測に従って
仕入れ数を最適化することができれば、データ分析からの価値が生まれる。
多くの企業では、何気ない毎日の仕事が、会社のどんな貢献につながっているのか
あまり意識していない。データを見てみることで、会社の中でのメンバーシップ
意識が高まり、やりがいが生まれるのではないかと思う。
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