「個人の強みを再認識する」
少し前、NHKで中高年の再就職支援の様子を撮った映像が流れていた。
その中で強調されていたのが、自分の強みの再認識であった。
「多くの会社から外された人の意識を見ると皆さん、過去の小さな枠の中で
何かをしたいと思っているが、大きな間違いだ」。
私自身の経験からしてもそう思う。学校を出てまだ己の将来に色々な可能性を
信じていた頃の自分を再度思い返し、そこから今まで意識の底に閉じ込めてきた
自分を見てみることが必要であろう。会社と言う組織の中で生きていくための
智慧として持っていたものを棄て去り、己の強みを再度見てみたいもの。
多分、違う何かが出てくるはずである。
クリフトンの言う「強みのマネジメント」は参考になる。
1.自身の評価(ストレングスファインダーの評価)
The Gallup Organizationが長年に渡って実施してきた調査によると、仕事を最も
効果的に行うのは、自分の強みと行動を理解しこのような人たちは、仕事や家庭
生活で日々求められていることをやりこなす戦略的な能力に優れています。
自分にどのような知識やスキルがあるかを確かめることによって、基本的な能力は
わかりますが、自分の本来の資質「自分だけの特長的な資質」のレポートは、
あなたのStrengthsFinderの結果に基づき、上位5つの資質を強い順に並全34項目中、
これらの資質があなたの強みの上位5つです。
「自分だけの特長的な資質」は、資質を最大限に活かし、将来の成功につなぐ
手がかりとなります。
■最上志向
優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを
平均より少し上に引き上げるには大変努力します。
■収集心
あなたは知りたがり屋です。あなたは物を収集します。あなたが収集するのは情報、
言葉、事実、書籍、引用文等あらゆるものです。
■内省
あなたは考えることが好きです。あなたは頭脳活動を好みます。あなたは脳を刺激し、
縦横無尽に頭を働かせることが好きです。
■目標志向
「私はどこに向かっているのか?」とあなたは自問します。毎日、この質問を繰り返し
ます。
■戦略性
戦略性という資質によって、あなたはいろいろなものが乱雑にある中から、最終の目的
に合った最善の道筋を発見することに長けています。
私の感覚では、最上志向は、チョット違うような気がするが、他の4つは、
なるほど!!と思っている。
なお、この5つは個人の持つ資質であり、年齢や経験で変わることは無いと、
説明されているし、ほかに評価された人でも、自身の思いから大きなズレは
ないとも言われている。
ストレングスファインダーのサイト(http://sf1.strengthsfinder.com/)
にアクセスし、「新規ユーザーとして登録するにはここをクリック」をクリックます。
アクセスコードを入力する空欄に、本のカバー裏にあるIDをすべて半角で入力し、
その後は画面の指示に従って進めてください。
? 質問は全部で180問あり、平均所要時間は25分~40分程度です。
? ひとつの質問に、20秒以内にお答えいただくシステムになっています。
実施中は、深く考え込まずに、できるだけ直感でお答え下さい。
? 最後にあなたの上位5つの資質が画面に現れます。ご自身の控えとして印刷する。
ストレングスファインダーのサイト上でIDと登録時のメールアドレスを入力して
サインインしますと、いつでもご自身の上位5つの資質を確認することができます。
なお、ストレングスファインダーは、セリグマンのVIA(強みの発見テスト)
をレベルアップしたものであり、この場合は、24種類の強みである。
2.ストレングスファインダーを上手く活用
5つの資質(いくつか似たような才能の集まり)は、そのままではまだ“強み”
ではなく、“強みのもと”。皆さんの“無意識に繰り返される思考、感情、
行動のパターン”である。効果的に活用すれば“強み”になるし、
非生産的に使ってしまうと“弱み”になる。
34個の資質は、大きく4つの分野に分かれる。
①関係資質群:人と、どんな風に関係性をもっていくか、その方向性を示す
資質群。
人と横で手をつなぐときに、“声を荒げたり対立したりせずに和をもって共に
進もう(調和性)”と思うのか、“少数であっても、堅く強い信頼関係を作ろう
(親密性)”と思うのか。
もし、このグループに1つも該当するものがなくても、人間関係が作れないと
いうわけではない。上位10項目までには入っているかもしれませんから。
②影響資質群:人に影響を与えるときの方向性を示す資質群。
“相手の成長に無上の喜びを感じながら人と関わる(成長促進)”のか、
“相手のネガティブをポジティブな見方に変えたい(ポジティブ)”と思い
ながら関わるのか。関係資質群よりも、相手に対して背中を押すような
エネルギーの資質でもある。
③動機資質群:人と関わらなくても、頭の中で考えなくても、それぞれの
資質にもとづく欲求から言動がおきる、エネルギー源資質。
たとえば、“たくさんの物事をしたい(達成欲)”“思いついたら早くやりたい
(活発性)”“認められたい、誉められたい(自我)。
④思考資質群:文字通り、頭の中で考えている方向性の資質群。
“未来のことを考えるとワクワクする(未来志向)”なのか、“そもそも当初
の目的は何だったのか、これまでどんなプロセスを経てきたのか(原点志向=
過去、歴史志向)”なのか。“学びたい、知りたい(学習欲)”なのか、
“もし○○したらこうなるだろう、もし××したらああなるだろう(戦略性)”
なのか。資質によって、頭の中のセルフトークは大きく異なる。
ただし、これは絶対的な分け方ではない。「責任感」という資質は、
関係資質群に分類されているが、「自分の責任を果たしたい」という動機
で成果を出すという意味では動機資質群に分類されてもおかしくない。
あくまでも、34個もある資質を把握しやすくするための手段とお考えるコトが
肝要である。
3.各資質の簡単な説明
以下に、ストレングスファインダーに記述されている34項目の資質について
掲載する。ストレングスファインダーは過去の200万人のヒアリング等の
データから180項目の質問回答に応じて、5つのよく出てくる資質(強み)
を選び出してくる。
自身にありそうな資質を観てもらう参考になるのでは?
・達成欲
達成欲という資質を持つ人は、並外れたスタミナがあり、旺盛に仕事に取り組みます。
自分が多忙で生産的であることに、大きな満足感を得ます。
・活発性
活発性という資質を持つ人は、アイデアを実行に移すことにより結果をもたらします。
じっとしていることができないことが多いものです。
・適応性
適応性という資質を持つ人は、「流れに沿って進む」ことを好みます。「今」を大切に
し、それぞれの時点で進む方向をひとつずつ選択することにより、将来を見極めます。
・分析思考
分析思考という資質を持つ人は、物事の理由と原因を追求します。状況に影響を与える
可能性のあるすべての要素を考慮に入れる能力を備えています。
・アレンジ
アレンジという資質を持つ人は、たくさんの要素を構成し管理することができると同時
に、一度作り上げた構成にこだわらず、作り変えることをいとわない柔軟性をも備えて
います。すべての要素と資源をどのように組み合わせたら、最高の生産性を実現できる
のかを考えるのが好きです。
・信念
信念という資質を持つ人には、その人の中核となる強い価値観があり、しかもその価値
観は変わらないものです。その価値観を実現することが、人生の目標となります。
・指令性
指令性という資質を持つ人には、強い存在感があります。状況の主導権を握り、決断を
下します。
・コミュニケーション
コミュニケーションという資質を持つ人は、一般的に自分の考えを言葉に表すのが得意
です。話術に優れ、物事を印象的に説明するのが上手です。
・競争性
競争性という資質を持つ人は、自分の進歩を他人と比較します。一番になるため、また
コンテストで勝つために、相当な努力をします。
・運命思考
運命思考という資質を持つ人は、あらゆる人や物事は互いに結びついていると考えてい
ます。この世に偶然というものはほとんど存在せず、ほぼあらゆる出来事には何らかの
理由が存在すると確信しています。
・原点思考
原点思考という資質を持つ人は、過去や原型について考えるのが好きです。過去を調べ
ることにより、現在を理解します。
・慎重さ
慎重さという資質を持つ人は、決定や選択を行う時に細心の注意を払います。あらゆる
道のりには、危険や困難が待ち受けていると考えています。
・成長促進
成長促進という資質を持つ人は、他人の持つ可能性を認識し、それを伸ばし、目覚めさ
せます。他人の小さな進歩の兆候を見逃さず、このような進歩を実現することから充足
感を得ます。
・規律性
規律性という資質を持つ人は、日課や秩序正しい計画に従うことを好みます。世界は自
分が作った秩序の中に存在します。
・共感性
共感性という資質を持つ人は、自分を他人の状況に置き換えて考えることにより、他人
の感情を察することができます。
・公平性
公平性という資質を持つ人は、あらゆる人を平等に扱う必要性を確信しています。明確
なルールを定め、それに従うことで、世界のすべての人を公平に扱おうとします。
・目標志向
目標志向という資質を持つ人は、目標を定め、その目標にに向かってまい進し、目標達
成に必要な修正を行うことができます。優先順位をつけてから、そのとおりに行動しま
す。
・未来志向
未来志向という資質を持つ人は、未来がどのようなものかについて考え、そこからアイ
デアを得ます。未来についてのビジョンを語ることで、人々を高揚させます。
・調和性
調和性という資質を持つ人は、意見の一致を求めます。意見の衝突を嫌い、異なる意見
でも一致する点を探ります。
・着想
着想という資質を持つ人は、新しいアイデアを考えるのが大好きです。全く異なる現象
に見えるものの間に、関連性を見出すことができます。
・包含
包含という資質を持つ人は、他人を受け入れることができます。人の輪から外れている
人に注意を払い、そのような人を輪に入れようと努力します。
・個別化
個別化という資質を持つ人は、一人一人が持つユニークな個性に興味をひかれます。異
なるタイプの人たちの集団をまとめ、生産性の高いチームを作ることに長けています。
・収集心
収集心という資質を持つ人は、より多くの知識を求める知りたがり屋です。ものを集め
たり、あらゆる種類の情報を蓄積したりするのが好きな人が、このタイプに多くみられ
ます。
・内省
内省という資質を持つ人は、頭脳活動に多くの時間を費やします。内省的で、自分の頭
の中で考えるのが好きで、知的な討論が好きです。
・学習欲
学習欲という資質を持つ人は、学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいます。特に結果
よりも学習すること自体に意義を見出します。
・最上志向
最上志向という資質を持つ人は、強みを利用して、平均的ではなく最高の水準を個人
ないしは集団において追求します。単なる強みを最高レベルのものに変えようとする。
・ポジティブ
ポジティブという資質を持つ人は、情熱的であり、しかも自然にその熱意を人に分け与
えることができます。生き生きとしており、他人に活気を吹き込み、やる気を起こさせ
ることができます。
・親密性
親密性という資質を持つ人は、他人との緊密な関係を楽しみます。目標達成のために友
人と努力することから、大きな満足感を得ます。
・責任感
責任感という資質を持つ人は、一度やると言ったことは必ず実行する精神の持ち主です
。正直さや忠実さなどの普遍的価値観を達成することに、意義を感じています。
・回復志向
回復志向という資質を持つ人は、問題を解決するのが大好きです。どこに問題があるの
かを探りあて、それを解決することに長けています。
・自己確信
自己確信という資質を持つ人は、自分の能力と判断力に自信を持っています。まるで、
自分が正しい方向へ進んでいることを教えてくれる羅針盤が体内に備わっているかのよ
うです。
・自我
自我という資質を持つ人は、他人の目から見て非常に重要な人間になることを望んでい
ます。独立心に富み、人から認められたいと思っています。
・戦略性
戦略性という資質を持つ人は、目的に向かうための選択肢を想定することができます。
いかなる想定に直面しようとも、適切なパターンと問題点を直ちに予測することができ
ます。
・社交性
社交性というテーマを持つ人は、知らない人と出会い、自分を好きになってもらうのが
大好きです。見知らぬ人と打ち解けて親しくなることから満足感を得ます。
4.参考としての「強みのマネジメント」
ストレングスファインダーは、単に個人の強みを選別するだけではない。
各人がその強みを認識するだけではなく、上司が組織メンバーの強みを認識し、
相互補完的なチーム作りをするデータとなる。
メンバーの中で各人、上位と下位資質を強みとして持っている者とパートナー
を組ませる。
例えば、信念がその資質としては欠けるが、コミュニケーションにその強みを
発揮するものと競争性の高い者をチームとして組み合わせ、全体の行動力を
アップさせる。
また、組織メンバー間で「各人の強みを褒めあう」事で、組織全体の
モチベーションアップを図ることが可能となる。
組織やチームのビジネス目標を達成させるために、メンバー夫々の持つ独自の
上位資質(強み)をフルに使うことが「強みマネジメント」の基本となる。
同時に、自身の強みを認識し、「自分がそれを制御している」との当事者意識
を持たせることも必要となる。
更に、組織作りに大切なことは、
・個々の社員を方にはめ込むのではなく、その成果を正確に評価すること。
・個人の資質は永続的なものであり、最初の採用段階で選別する必要がある。
・社内でのレベルアップには、社員の弱点を矯正して、平均的な人間を
育てるのではなく、1人一人の強みを理解し、それを伸ばす工夫が必要。
・強みを活かせない業務を与えるような一律のキャリアパスではない個人
ベースの仕組み作りを考える。
「自身の集中力を高めるには!」
人の能力は無限である。しかし、その潜在能力は、黙っているだけでは、
何も形になって出てくる訳ではない。
私自身、その形化するのに、結構有効な手法がポジティブ心理学の
様々な手法と想っている。
今回のマインドフルネスや、一日再現法、ポジティブポートフォリオなど
キチンと成果を出すには、それなりの経験者が必要かもしれないが、
1人でも、十分に出きるものもある。
それは、複雑で、不安な日々の続く今日の社会では、是非、実践
してもらいたい方法でもある。
1)マインドフルネスとは
インドフルネスという言葉は、行為を指して使われることもあれば、
精神状態を指す場合もある。ここでは、集中力を研ぎすます脳の
トレーニングとして、マインドフルネス瞑想という「行為」として
考える。
これには大抵の場合、いつもより呼吸を意識するという方法をとり、
こうして鍛えた脳は、瞑想後も長い間、マインドフルな「状態」で
いられるようになる。マインドフルネスの状態にある時は、自分の
まわりで起こっていることに、意識を完全に集中できている。
なお、後述するように、マインドフルネスの実践には、瞑想のほかにも
いくつか別の方法がありますし、瞑想にもたくさんの種類がある。
ポジティブ心理の瞑想でも、具体的な指示をすることになる。
2)マインドフルネスの基本
マインドフルネスとは、単純に言えば、その一瞬に全力を傾けること。
一般に言われる、マインドフルネスについては、
「今という瞬間に、余計な判断を加えず、自分の人生がかかっている
かのように真剣に、意識して注意を向けること」
と定義している。
シンプルな定義だと思うかもしれませんが、現代の混沌とした世界では、
何かに100%没頭することなど容易ではない。それは、同僚から同じ話を
聞かされて、もう3度目になるという時でも、ほんのわずかでさえ気を
そらさずに聞き入ることや、皿洗いや「バス停までの道」のような身近な
状況でも五感をフル稼働させることを意味する。
以下にその効用を上げてみる。
①常に新しいカテゴリーを創造する:マインドフルネスな状態であれば、
旧来の分類方法やレッテルにとらわれることなく、状況や文脈に注意を払い、
新たな特徴を見出すことができる。
例えば、レンガを単なる建材と見るのではなく、ブックエンドや武器、
ドアストッパーなど、いろいろな利用法を思いつくことができる。
②新たな情報を積極的に受け入れ、物事をさまざまな視点から捉える:
マインドフルネスな状態は、カテゴリーを創造できるだけでなく、常に新たな
情報を受け取り、新たな可能性に対してオープンになることも意味する。
例えば、あなたとパートナーはいつも自分のやり方にこだわって、同じこと
で喧嘩ばかりしているかもしれません。けれども、相手の視点に対して
オープンになることで変化が生まれる可能性がある。
③結果よりも過程を重視する:マインドフルネスな状態は、結果について
あれこれ心配するのでなく、ひとつずつのステップに意識の焦点を当てる
状態。
例えば、テストの出来を心配するより、その教科を本当の意味で学ぶこと。
つまり、マインドフルネスとは、すべての経験に焦点を合わせ、より意識的
になることであり、「だから何?」と思う人もいるが、マインドフルネスを
高めれば、集中力が増し、創造性や幸福感、健康、リラックス感が高まり、
もっと自分をコントロールできるようになる可能性がある。
生活上での例では、減量や健康的な食生活に役立つ。
マインドフルネスの考え方を食事に当てはめれば、五感をフルに使いながら、
一噛み一噛みを意識してゆっくり食べることになり、この食べ方を実施した
被験者たちのカロリー摂取量は、空腹時でさえ、対照グループに比べて低く
抑えられた、との研究成果もある。
意思決定能力を高める。いくつかの実験によって、マインドフルネス瞑想
を実施した人や、もともと性格的にマインドフルネスの状態に近い人は、
「サンクコストの誤り」を免れているという相関関係が確認されている。
サンクコストの誤りとは、それまでに費やした時間やエネルギーを惜しんで、
先の見込みのない交際や仕事にしがみついてしまう傾向を言う。
ストレスを減らし、慢性的な健康問題の改善を助ける。200の実証研究を
対象にしたメタ分析によって、マインドフルネスは、慢性疼痛、ガン、心臓病
などの患者の心身の健康をいずれも改善させることが明らかになった、と言う
成果もある。
残念ながらマインドフルネスは、直ぐにその成果が出るものではない。
けれども、徐々に高めていくことはできる。
マインドフルネスを実践するには、どんなに忙しくても、どんなにストレスの
たまる状況でも、いつも意識を研ぎ澄ましていなくてはいけない。
例えば食事中であれば、フォークを置くたびに、「一噛み一噛み味わって食べる」
という目標を思い出すようにするとか、職場でなら、「1時間ごとの時報」など
のリマインダーを設定して、ちょっと休憩をはさむと良い。
ほかの実践方法を見ても、感謝の心を持つ、物事をコントロールしようとしない、
など、意外に簡単なものがあり、ポジティブ心理では、他にも様々な手法を
考えている。
3)マインドフルネスの実践に向けて
具体的には、以下の6つのステップがある。
①背筋を伸ばして座り、足を組んで、視線を下に向ける。
②自然に浮かんでくる思いと、人為的な考えとを区別する。
③三繰り返し過去を思い出したり、未来への不安で気が散るようなら、
それそれを最小限に抑えるために、こう考え直してみる。
「過去も未来も、現在の私の心の中の想像にすぎない」。
④瞑想中は、ちょうど船の「錨」のように、呼吸が集中をつなぎ止めてくれる。
⑤息を吐くたびにひとつ数を数え、21まで数えたらまた1に戻ります。
⑥思いが浮かんでくるのを無理に抑えようとせず、心を自然に任せる。
この一連の手順は、マインドフルネス瞑想として知られており、
マインドフルネスを育む最高の方法のひとつ。
これは一種の脳のエクササイズで、普段の生活を送りながらでも実践できる
(続けやすくするひとつの戦略は、シャワーや犬の散歩など、毎日の日課の
最中にこの訓練を行うこと)。
最後にひとつ注意事項すべきは、マインドフルネスの実践はとても有益だが、
心を自然に任せたほうが良い時もあるということ。ある報告では、創造性や
洞察力のためには、ぼんやりしたり空想にふけったりすることが
必要である可能性を紹介しているし、高度にマインドフルネスな状態は、
「潜在的学習」(無意識のうちに、新しいスキルや習慣を学ぶこと)における
効率の低さと相関している可能性があるとのこと。
「自分は、幸福ですか?チョット定量的に見る方法」
幸福度にしろ、感謝度にしろ、普段、それを考えることは少ない。
しかし、この不安定な世の中で、自身の状況を知っておくことも
ビジネスマンとしては、重要である。
セリグマンが、ポジティブ真理をベースに、以下の様なワークを考えている。
出来れば、以下の4つの設問から、少し自身の状況を知って欲しい
ものである。
1.自身の楽観度
楽観と希望は、仕事の業績を上げ、健康の増進に必要である。
自身の楽観度を見てみる。
以下の設問に回答する。
1)あなたと配偶者は、喧嘩したあとで、仲直りした。
・私の方が折れたからだ。0
・私はいつも寛大である。1
2)夕食会を主催して成功した。
・あの晩、私は、特にうまくホストを務められた。0
・私はホスト役が上手い。1
3)株で大儲けした。
・私の仲買人が新しい株に賭けようと思ったからだ。0
・私の仲買人の腕がよいからだ。1
4)スポーツ大会で優勝した。
・負ける気がしなかった。0
・一生懸命練習したからだ。1
5)就職の面接で素晴らしい成果を上げた。
・面接の時、自信に満ちていたからだ。0
・私はいつも面接をうまくこなす。1
6)配偶者がロマンチックな週末旅行に連れて行ってくれた。
・彼らは、何日間か日常生活から離れたかったからだ。0
・彼らは、新しい場所を散歩するのが好きだ。1
7)重要なプロジェクトを統率するよう要請された。
・私は、同様のプロジェクトをやり遂げたばかりだ。0
・私は、優れた監督者である。1
8)配偶者の誕生日を忘れた。
・私は、誕生日を覚えるのが、苦手だ。1
・他のことに気を取られっていたからだ。0
9)図書館の返却が遅れたので、遅延金を1000円払わねばならない。
・本に夢中になると返却期間を忘れることがよくある。1
・レポートを書くのに夢中で、本を返すのを忘れてしまった。0
10)確定申告書を期限内に提出しなかったため罰金を課せられた。
・私は、いつでも、申告を後回しにしてしまう。1
・今年は申告を怠けていた。0
11)友達から傷つけられる様なことを言われた。
・友達は、いつも思いやりがなく、つい口をすべらせる。1
・友達は、機嫌が悪く、その矛先が私に向けられるのだ。0
12)スキーでひどく転倒した。
・スキーは難しい。1
・ゲレンデが凍っていたからだ。0
13)休暇中に体重が増えて、元に戻らなかった。
・ダイエットは、結局効果がない。1
・私がやったダイエットには、、効果がなかった。0
14)密かにあなたに憧れている人から花をもらった。
・私は、相手にとって魅力的な人物だ。0
・私は、誰にでも、好かれる。1
15)地域の公職に立候補して当選した。
・選挙運動に全力投球したからだ。0
・私は、何事にも、全力投球する。1
16)ボスから与えられた時間は短かったが、なんとかプロジェクトをやり遂げた。
・私は、仕事がよく出来る。0
・私は、有能な人間だ。1
17)窒息しかかった人を助けた。
・私には、窒息しかかっている人を助ける技術がある。0
・私は、危機的状況にどう対処したらよいのかを知っている。1
18)雇用主から助言を求められた。
・聞かれたことが私の専門分野だったからだ。0
・私がよい助言をするからだ。1
19)苦しい時に助けてあげたことを友人から感謝された。
・私は、困っている友人を助けるのが好きだ。0
・私は、いつも人助けをする。1
20)医者に健康状態が良好だと言われた。
・頻繁に運動するよう努力しているからだ。0
・健康に非常に気をつけているからだ。1
21)会社の権威ある賞を受けた。
・私が重大な問題を解決したからだ。0
・私が優秀な社員だからだ。1
22)大切な約束を忘れてしまった。
・時々物忘れをすることがある。1
・時々、予定表をチェックし忘れる。0
23)大事な試験に不合格だった。
・他の受験ほど頭が良くなかったからだ。1
・あまり準備をしていなかったからだ。0
24)ご馳走を用意したのに、友だちはほとんど手をつけなかった。
・私は、料理が下手くそだからだ。1
・急いで支度をしたからだ。0
25)長いこと練習して来たスポーツ競技に負けた。
・私は、運動能力が劣っている。1
・私は、あの競技が苦手だ。0
26)
ある人にデートを申し込んだら断られた。
・あの日は、ついてなかった。1
・デートに誘った時、うまく話せなかったからだ。0
27)恋愛関係にある相手から暫く、冷却期間を置こうと言われた。
・私が自己中心的すぎたからだ。1
・相手と過ごす時間を十分に割かなかったからだ。0
28)保有株がずっと低迷している。
・購入当時、私はその会社の事業環境をよく知らなかった。1
・株式の選び方を失敗した。0
29)買い物をした店で、クレジットカードが使えなかった。
・口座にもっと残高があったと勘違いすることがあるからだ。1
・クレジットカードの請求の支払いを忘れることがあるからだ。0
30)友達に腹を立ててしまった。
・彼らがいつも私をしつこく苦しめるからだ。1
・彼らは、機嫌が悪かったのだろう。0
31)パーティーで頻繁にダンスに誘われた。
・パーティーでは、いつも社交的だ。1
・私は、あの晩、絶好調であった。0
このテストには、永続性と普遍性を判断する。
1)から13)、30)、31)が永続性を確認。
簡単に諦めてしまう人は、自分に起きた災いが永続的と考える。
簡単に諦めない人は、一時的なものと考える。
テストの評価について
・永続的に悪い出来事pb
8)から13)、30)の合計点数が0か1であれば、非常に楽観的である。
合計点数が2か3であれば、やや楽観的。4ならば、普通。5、6であれば、
やや悲観的。7、8であれば、非常に悲観的。
・永続的に良い出来事pg
1)から7)、31)の合計点数が7か8であれば、非常に楽観的である。
合計点数が6ならやや楽観的。4、5であれば、普通。3ならやや悲観的。
0、1、2なら非常に悲観的。
・普遍的に悪い出来事gb
22)から29)の合計点数が0か1であれば、非常に楽観的である。
合計点数が2か3であれば、やや楽観的。4ならば、普通。5、6であれば
やや悲観的。7、8であれば、非常に悲観的。
・普遍的に良い出来事gg
14)から21)の合計点数が7か8であれば、非常に楽観的である。
合計点数が6ならやや楽観的。5、4であれば、普通。3ならやや悲観的。
1、0なら非常に悲観的である。
以上の結果からあなたの希望具合が分かる。
・悪い希望 gb+pb
・良い希望 gg+pg
希望度は、良い希望から悪い希望を引いた値で判断出来る。
点数が、10から16であれば、非常に希望的。
6から9であれば、やや希望的。1から5であれば、普通。
マイナス5から0なら、やや絶望的。マイナス5以下であれば、
非常に絶望的。
重要なのは、楽観度を高めて、希望を持てる自身を作りだすことである。
重要なのは、自分自身に反論することである。その反論をきちんと
記録しておく事。
自身の思い込みの証拠を見出し、別の選択を選び、発想の転換をし、
検証する。
2.日常の幸福度
まずは、以下の4つの設問に答えてみる。
1)一般的に、あなた自身の幸福度は、どのレベルになりますか?
1から7までのレベルから1つだけ。1は、それほど幸せではない。7は、
とても幸せだ。
2)友人や同僚と比較したときのあなた自身の幸せ度は?
1から7までのレベルから1つだけ。1は、彼らよりも幸せではない。7は、
彼らより幸せだ。
3)通常は、とても幸せだという人がいる。こう言った人達は、
現在の暮らしぶりとは関係なく、生活を楽しみ、何事であれ、
可能な限りのものを手に入れている。
1から7までのレベルから1つだけ。1は、まったく該当しない。7は、
カナリ該当する。
4)通常は、あまり幸せではないと言う人たちがいる。こう言った人たちは、
落ち込んでいないのだが、幸せであるはずなのに幸せそうには、見えない。
1から7までのレベルから1つだけ。1は、かなり該当する。7は、まったく該当する。
ポジティブでは、多くの事例から、幸福の公式と言うものを出している。
永続する幸福のレベル=人はあらかじめ設定された幸福の範囲を持っている
+生活環境から得られる幸せ+自分に定められた最高の幸せの状態を
持続させるために役立つ自発的コントロール
特に、自発的コントロールを進めるいは、
・過去が未来を決定してしまうと言う固定観念をすてること。
・絶えず感謝をする。
3.自身の感謝度
あなたの感謝の程度は
まずは、あなたの感謝の程度を以下の設問を通じて、確認しよう。
設問
1)自分の人生を振り返ってみると、感謝すべき事がたくさんある。
2)感謝しているすべての事柄を書き出すと非常に長いリストになる。
3)世界中を眺めて見たところで、感謝すべき事はたいしてない。
4)様々なタイプの人に感謝している。
5)年を取るい従い、自分の今までの人生に登場した様々な人々や
出来事、状況に深く感謝出来る様になった。
6)何かに、誰かに、感謝出来るようになるには、非常に時間がかかる
はずだ。
同意尺度
・強く同意する。 7点
・同意する。 6点
・やや同意する。 5点
・同意でも不同意でもない。 4点
・あまり同意出来ない。 3点
・同意出来ない。 2点
・まったく同意出来ない。 1点
採点について
・設問1、2、4、5の得点を合計する。
・設問3、6の得点を逆にする。6点ならば2点、4点ならば4点。
・上記2つの得点を合計する。
得点分布は、6点から42点となる。
得点を評価する。
42点 非常に感謝している。
39から41点 やや感謝している。
36点から38点 あまり感謝していない。
6点から35点 まったく感謝していない。
感謝具合が少なかった人の対処方法の1つは、
満足度テストと日常の幸せ度をもう一度やってみる。
その後、毎晩過去の24時間を振り返り、感謝する事柄を5つ書き出す。
たとえば、
素晴らしい友人、気持良い朝の目覚め、妻との楽しい会話 など
2週間後に、満足度テストと日常の幸せ度をもう一度やってみる。
効果があるようであれば、これを習慣化する。
4.自身の満足度
人生の満足度として、
ポジティブな感情には、
・未来に対するもの 楽観、希望、信念、信頼
・現在に対するもの 喜び、絶頂感、落ち着き、熱意、歓喜、快楽、完全な充足
・過去に対するもの 充足感、安堵感、達成感、誇り、平穏
この3つの状況における幸せの感情を正しく理解する事が重要である。
以下の設問について、7つの同意尺度から自分にもっとも当てはまるものを選ぶ。
設問
・私の人生はだいたい理想に近い
・私の人生の状態は上々である。
・自分の人生に完全に満足している。
・これまでのところ、人生に望む大切なものを手に入れた。
・人生をやり直せるとしても、全く同じ事をするだろう。
同意尺度
・強く同意する 7点
・同意する 6点
・やや同意する 5点
・同意でも不同意でもない 4点
・あまり同意出来ない 3点
・同意出来ない 2点
・まったく同意出来ない 1点
合計点の評価
・非常に満足している。 30から35点
・大変満足している。 25から29点
・やや満足している。 20から24点
・やや不満 15から19点
・不満足 10から14点
・たいへん不満足 5から9点
私の場合は、29点であった。
セリグマンによると、非常に満足している人は、
それほど多くないとの事。
時間を見て、是非、試して下さい。
「自身を元気にする1つの方法(一日再現法をやってみる)」
人は、何か上手くやれば、幸福感に浸されるし、失敗すれば、その逆もある。
しかし、全体的に自分の高揚感(ポジティブ)を上げるには、それなりの努力が
必要でもある。
ここでは、ポジティブ比の自己診断(インターネットでの診断が出来る。
具体的には、最後にあるポジティビティ比の自己診断テストのサイトに
アクセスすること)を一日再現法と言う手法にて自身の理解を深める。
その流れ
1)ポジティビティ比の自己診断テスト
自己診断のサイトを開き、個別ごとのエピソードの診断を
出来る様にしておく。
2)昨日の行動を思い出す。
ただし、この一日再現法を事前にやるとの意識は持たないこと。
1日を順序を追って思い出すと上手く行く。
3)一日を日記を書く様に、再現する。
起床から就寝までを細かいエピソードに分けて行く。
4)各エピソードに番号をつけ、その行動時間と内容についてメモをつける。
たとえば、7時から7時30分まで、食事とか10時から12時までは、資料
作成とか、、、、、、。
開始と終了時間は厳密である必要はありません。
5)各エピソード毎にポジティブ比の自己診断ページにてその比を
出します。
6)全体型ポジティブ比の算出
すべてのエピソードの2以上のポジティブ項目数をまとめます。
次は、すべてのエピソードの1以上のネガティブ項目数を数えます。
その比は、ポジティブ項目数をネガティブ項目数で割ったもの。
7)エピソード毎のポジティブ比の算出
最もポジティブ比の低いものから高いものへと並べる。
エピソードを個別にランク付けすることにより、自身の
ネガティブに気付くことやポジティブに気付くことが出来ます。
ポジティブ比は、意志と努力によるライフスタイルの転換が
有効とわかって来ました。
状況とそれをどの様に解釈して行動するか、の組み合わせなのです。
基本は、この思考の習慣化なのです。
多くの人のポジティブ比が3:1の閾値(ある反応を起こさせる最低の刺激値)
を超えると、単に幸せで満足だと言うだけでなく、創造性が豊かで、
立ち直りが早く、生産的で、日々成長していける人になれるのです。
ポジティビティ比の自己診断テスト
<a href="https://www.positivityratio.com/index.php ">https://www.positivityratio.com/index.php </a>
サイトは、英語版なのでテスト項目を訳書から抜粋します。
今のあなたのポジティビティ比はどのくらいでしょうか?試しに測ってみましょう。
「自己診断テスト」で、現在のポジティビティ比を調べることができます。
「過去24時間にどんな感情を味わいましたか?」。1日を振り返って、
それぞれの感情を最も強く感じた度合いを「0~4」までの数字で答えてください。
0=まったく感じなかった
1=少し感じた
2=中くらいに感じた
3=かなり感じた
4=非常に強く感じた
1 面白い、愉快、バカげていておかしい
amused, fun-loving, or silly
2 怒り、いらだち、不快
angry, irritated, or annoyed
3 恥辱、屈辱、不面目
ashamed, humiliated, or disgraced
4 畏敬、驚異、驚嘆
awe, wonder, or amazement
5 軽蔑、さげすみ、見下す気持ち
contemptuous, scornful, or disdainful
6 嫌悪、嫌気、強い不快感
disgust, distaste, or revulsion
7 恥ずかしかった、人目が気になった、赤面したこと
embarrassed, self-conscious, or blushing
8 感謝、ありがたい気持ち、うれしい気持ち
grateful, appreciative, or thankful
9 罪の意識、後悔、自責の念
guilty, repentant, or blameworthy
10 憎しみ,不信、疑惑
hate, distrust, or suspicion
11 希望、楽観、勇気
hopeful, optimistic, or encouraged
12 鼓舞され、高揚感を覚え、元気づけられたこと
inspired, uplifted, or elevated
13 興味、強い関心、好奇心
interested, alert, or curious
14 うれしさ、喜び、幸せ
joyful, glad, or happy
15 愛情、親しみ、信頼
love, closeness, or trust
16 誇り、自信、自分への信頼
proud, confident, or self-assured
17 悲しみ、落胆、不幸
sad, downhearted, or unhappy
18 おびえ、恐怖、恐れ
scared, fearful, or afraid
19 安らぎ、満足、平穏
serene, content, or peaceful
20 ストレス、緊張、重圧感
stressed, nervous, or overwhelmed
自己診断テスト(英語)
<a href="https://www.positivityratio.com/single.php">https://www.positivityratio.com/single.php</a>
継続してテストする場合は登録が必要です
サインアップのページ(英語)
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登録後のログイン(英語)
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「ビジネスマンに必要な心の糧」
ここでは、ポジティブの考え方をベースにした自身の行動改善、
それによる新しい自分作りのやり方について述べる。
自分たちを取り巻く世界、社会をよく理解し、状況に上手く
対処する事は、肉体的な年齢とは、関係なく、自身を1つ上へ
アップする事になる。
以下に、タル・ベン・シャハーが学生向けに、多くのワークの
実践方法を述べている。その中から、いくつかをお試しとして
実践し、少し変わる自身を感じて欲しい。
実践すべきワーク
1)感謝ノートを創る。
この1週間、感謝することを毎日5つ書き留める。
書いている事を目の前に浮かべたり、書きながらもう一度その
経験をしている様に感じる事が肝要。
2)2つの習慣を実行する。
習慣を作るには、自身の確固たる価値観により、決められた行動
を、特定の時間に行うことが必要。
これをすれば、自分がもっと幸せになれると思う2つの習慣を
考え、実行すること。
例えば、
2日に一度は、2時間を趣味に充てる。
週に一度は、美味しい店に、友達と出かける。 などなど
これを無意識に出来るようになるまで、続けること。
3)運動する。
運動を習慣化するために、キチンスケジュール化する。
例えば、
週に2回、20分間のウォーキングをする。 などなど
4)行動表を記録する。
2週間、毎日の行動を記録する。
一日の終わりに、その日に何にどのくらいの時間を使ったか
を書き出す。
例えば、
テレビを見るのに2時間、昼寝に2時間、など一日の様子
が分かる程度でよい。
5)思いやりの心を持つ。
人を助けるなど他の人に約に立てば立つほどに、自身の
幸福感は、大きくなります。
誰かのために思いやりのある行動をして、感謝された時の
事を思い出す。
ただし、それを静かな場所で心を落ち着かせて、心地よい
状態で行うこと。
6)過去のつらい経験を書き出す。
人生で、もっとも怒りを感じ、それが心のしこりとして
残っている経験を書き出す。
この場合は、4日間に、毎日15分間ほどの少し時間を
掛けた形で、行う。
7)自身の生活スタイルを再認識する。
将来の役に立ち、現在も楽しめる活動をしたことを思い出す。
この場合も、4日間に、毎日15分間ほどの少し時間を
掛けた形で、書き出す。
例えば、
目の前の楽しみだけを求めて過ごした日々
悲観的になって投げ出して自堕落な生活をしていた時期
8)失敗から学ぶ
過去に思い切って挑戦し、失敗した経験やその状況について
書き出す。
何をし、どの様に思い、堂感じたか、等
9)自身にとって、価値ある行動
自身にとって、意義深く、楽しいこと、幸せにしてくれること
をリストアップする。
例えば、
家族との夕食の時間、一人静かに音楽を聴く時間、など
その項目に対して毎月どのくらいの時間を使っているか?
を書き込む。
項目の中で、8割以上の満足感を与えてくれる項目を
2割ほど選択する。
(自身の価値と実際の行動が合っているかの検証)
10)一歩踏み出す
やりたいと思っていながら、失敗を恐れて、出来ていないこと
を実行する。
例えば、
サッカー教室に入る。
陶芸を学ぶ など
11)感情を素直に出す
怒りや喜びなどの感情が出てきたとき、それを理解しようと
したり、変えようとしたりするのではなく、あるがままに
受け入れ、そのままにしておく。
12)人間関係を見直す
文章完成ワークを実践する。
1つの前半文章に対して、3つの後半文章を創る。
それが、意味をなすのか、矛盾が無いか、などを考える必要は無い。
心に浮かんだままに書き出すこと。
最後に、書き出した文章について、自身にとって大きな意味のある
文章を選別し、それを実行すること。
例えば、
あの人との関係をもっと親密にするために、、、、、、、、、
別の考え方をするとすれば、、、、、、、、、、、、、、、、 等
13)親切な行動をする
適当な日を決めて、普段より3つ多く親切な行動をする。
14)感謝する。
お世話になった人に感謝の気持ちを表す手紙を書き、その人を訪問
して手紙を読み上げる。
①感謝している人の名前をリストアップ
②手紙にその人がしてくれたことを素直に書く
③その時の気持ち、今の気持ちを書く
④手紙を出す。
感謝の手紙は毎週1回書くこと。
15)自身の解釈を変える。
不安な感情を以下の形で、和らげる。
①自身が人間であることを許し、起こった出来事とそのときに感じた
感情を素直、あるがままに受け入れる。
②その出来事がもたらした良いことが何かをジックリと考える。
③その状況を広い視野で眺めなおす。
16)適切な目標を立てる
既にある目標、これから考える目標,いずれでも、5つの目標を
創る。
5つの目標夫々に達成可能なレベルとチャレンジできそうなレベルを
書き出す。
17)自身に優しくする
生きていく中で、自身に対して、もっと思いやりや許しの心を
持つこと。
以下の文章の後半を3つほど、思いつくまま書くこと。
例えば、
自分に対して、あと少し優しくするためには、
周りの人にあと少し優しくするためには、
自尊心を高めるためには、
18)本来の自分に戻る
本来の自分に戻る時間を持つこと。
信頼する友人に気持ちを語ったり、心に浮かぶあらゆることを
日記に書いたり、自分の部屋で一人で過ごす時間を作る。
以下の文章の後半を最低6つづつ、思いつくままに書く。
例えば、
自分の気持ちにあと少し正直になるためには、
自分が恐れていることにあと少し気付くことが出来れば、
あと少し本来の自分に戻るためには、
文章をジックリ見直し、実行すること。
19)自身の無知を受け入れる
知らないものへの不安を畏敬の念、驚きの気持ちに変える。
「ただ歩くこと」を習慣とする。
外に出かけ、ただゆっくりと時間を過ごす。そこから、街の
息遣い、静けさ、森の生命力などを感じる。
20)嫉妬から学ぶ
嫉妬の対象を知ることが重要。
自身が、嫉妬や妬みを感じたことを5つリストアップする。
21)あるがままの自身を感じる。
今、自分が感じていることを感じるままに受け入れること。
以下の手順で実践する。
①楽な姿勢で座る。
②深く域を吸い、ゆっくりと吐く。
③自らの感情、感覚に集中する。
④自分を許し、あるがままに自身を解放す。
⑤想像の中で、様々な感情を味わう。
22)自身を受け入れる。
自身と自身の感情を全て受け入れた時のことを思い出す。
以下の文章の後半部分を夫々、最低3づつ思いつくまま書き出す。
例えば、
あと少し現実的になれば、
自身の感情を拒絶した時には、失敗を受け入れれば、
私が恐れていることは、
私が望んでいることは、
文章をジックリ見直し、実行すること。
23)自身の可能性を信じること
我々の能力は、柔軟で、生きているうちに変えることが出来るもの。
自身の能力や技能で、何かのきっかけから低く見てしまう様に
なった経験を5つ書き出す。
24)決断すること
失敗をしたくないので、決断をしたくないと思うのは、当然の
行動。
過去1年間で、自身の決断が直接の原因で、失敗した物の中、
最悪のものを3つ書く。
25)自身の活動でちょうど良くする。
自身の今後の活動を考えた場合、したいことを全てするのではなく、
大切な自身の分野の中で、どの程度の活動が「ちょうど良い」
のかを考える。
「諦めること」を決めること。
何を諦めるか、何が絶対必要かを決め、絶対に必要なものを
「ちょうどリスト」に書き出す。
26)幸せを阻む内的外的要因を排除する。
多くの人が、幸せになろうとするとき、最大の障害となるのは、
人が「自分には、幸福になる価値が無い」と考えてしまうこと。
以下の文章の後半部分を思いつくまま書き出す。
例えば、
私の幸せを妨害しているものは、
他人の価値観を拒否すれば、
もし私が成功すれば、
自分の価値を高く評価すれば、
分かり始めてきたことがあります。それは、
いくつでも良いので、直観的に文章を書くこと。
完成した文章を週の終わりなどに見直し、どのように行動する
のか決めること。
最後に、上記の26の行動から行動宣言リストを自分なりに作ること。
たとえば、
・共感と思いやりを持つこと。
・自身を理解し、理解してもらうこと。
・ポジティブなこと。
・失敗して学ぶか、学んで失敗するか。
・日々の生活に喜びと楽しさを感じる。
等など
私自身も、少し前からこの中の3つほどを実践して来た。
まだまだ、その明確な効果は、出ていないが、少し変わった
自分を感じることがある。
「ビジネスマンは心の元気が必要!」
景気は、良くなったと言うものの、多くの中小企業で、頑張る
人達からは、余りのその実感が伝わってこない。
しかし、その状況に、甘んじ、また、不満を言っても、根本的な
解決には、ならない。まずは、個人としての意識改革が必要でもある。
今回のエクササイズを少しでも、継続的に実践してもらいたい。
クリストファー・ピーターソンは、ポジティブな特性の発達や
発現を促進するための10のエクササイズを進めている。
ここでのエクササイズは、おざなりのものではない。エクササイズが
意図された通りの効果を発揮するかどうか分からないし、
実験をするという精神を持ってアプローチすべきである。
1)自分の遺産を書いてみる。
自分の人生における最期の瞬間を思い描いて、自分がどんな生き方を
してきたのかをじっくりと考える様子をそうぞうしてみて欲しい。
・感謝の手紙対許しの手紙
習慣的に他人に感謝している人は、そうでない人よりももっと幸せだ。
・楽しい活動対慈善活動
自身の楽しみを追い求める姿勢よりも、他人のしあわせを考えることの
できる姿勢を持っている方が、高い満足度が得られる。
・時間の贈り物
重要なのが、私を支援してくれた人達が、何を与えてくれたではなく、
どの様にじかんを与えてくれたか、である。
・3つの良いこと
一日の終わりにその日に上手く行った三つの出来事を書き留めること。
2)どうぞ良い日を
一日の終わりにその日の全体の評価を書き込む。
・自分の人生で最高の一日であった。 10点
・特別に良い日であった。 9点
・素晴らしい一日だった。 8点
・とても良い一日だった。 7点
・良い一日だった。 6点
・平均か普通の一日だった。 5点
・平均以下の一日だった。 4点
・ひどい一日だった。 3点
・とてもひどい一日だった。 2点
・自分の人生で最悪の一日だった。 1点
3)深く味わう
経験をした出来事を深く味わう。
・人と共有する。自分の経験を共有できる人を探してみる。
・記憶を構築する。出来事について、記憶、記録する。
・自分で祝ってみる。自身に語りかけ、自身の気持ちがどれほど
になっていたか?
・知覚を鋭くする。ある特定の要素に意識を集中する。
・喜びに浸る。経験から得た喜びに完全に浸る。
幸せは単なる意志の産物ではなく、意志は、幸せの構成要素なのである。
幸せ=セットポイント(それ以上向上できない値)+生活環境+意志に
基づく活動
4)幸せのデータ
幸せに至る道としては、快感の追求、エンゲージメントの追求、
意味の追求、勝利の追求と言う4つの可能性があるとのこと。
ここでは、以下の16の設問に対して回答することにより、
あなたの主な志向性が分かる。
設問に対しては、
・とてもよく当てはまる 5点
・よく当てはまる 4 点
・やや当てはまる 3点
・少しだけ当てはまる 2点
・まったく当てはまらない
1点
の五項目から選ぶこと
設問開始
1)自分の人生にはもっと高い目標がある。
2)人生は短いので、楽しみを先延ばしにすることなど出来ない。
3)自分のスキルや能力が試されるような状況を探し求める。
4)自分がキチンと生きているかいつも確認している。
5)仕事でも遊びでも、ゾーンにはいる、ことが多く、
自分自身を意識しない。
6)自分がやることにいつもものすごく夢中になる。
7)自分の周囲で起きていることに気が散ることはめったにない。
8)自分には世界をよりよい場所にする義務がある。
9)自分の人生には永続的な意味がある。
10)たとえ、何をしていても自分が勝つことが重要である。
11)何をすべきか選ぶ時には、それが楽しいことかどうかを
いつも考慮する。
12)自分がやりことは社会にとって意義のあることだ。
13)他の人より多くのことを達成したい。
14)人生は短い、大いに楽しもう、と言う言葉に同感する。
15)自分の感覚を刺激するすることが大好きだ。
16)競いあうことが大好きだ。
採点方法
設問に対する点数を採点して行く。
先ほどの4つの可能性を示す設問は、
・快感の追求が 2)、11)、14)、15) となる。
・エンゲージメントの追求が3)、5)、6)、7)となる。
・意味の追求が1)、8)、9)、12)となる。
・勝利の追求が4)、10)、13)、16)となる。
4つの可能性の集計点数が最も高いものがあなたの主な
志向性である。
また、4つの得点構成をみるとあなたの充実度も判断される。
4つの全てで、15点を超える高得点であれば、人生の満足度が
高い傾向にある。
逆に、4つの全てで9点未満であれば、あなたの人生の満足度
は低い傾向にある。
5)窮地で楽観的になることを学ぶ。
楽観的思考の事例の多くが、悪い出来事をいみじくも他人や
状況のせいにしてしまう事例が多いが、楽観的であるというは、
責任を転嫁することではない。
人間には、いくつかの核となる美徳が幅広く支持されている。
具体的には、
知恵、勇気、人間性、正義、節制、超越性。
この6つの美徳から24の強みが考えられており、評価することが出来る。
6)とっておきの強みを新しい方法で使ってみる。
とっておきの強みとは、
・強みに関して、所有意識と本来感がある。
・特に初めて強みを発揮する時には、高揚感がある。
・強みを発揮を発揮する方法を素早く学ぶことに長けており、
実践される。
・強みを発揮するのに、常に新しい方法で学ぶことになる。
・強みに従って行動したい切望する意識を持つ。
・強みを発揮することが必然であると言う感覚を持つ。
・強みには、突然の悟りで得られる様な発見がある。
・強みを発揮する時には、疲労でなく活力が得られる。
・強みを中心に、自分に与えられた根本的な課題を創造して
追求して行く。
・強みを発揮したいという内発的な動機つけがある。
人間の価値観の普遍的な構造とは、
・達成
・慈善
・適合
・快楽主義
・権力
・治安
・自己主導性
・刺激
・伝統
・普遍性
こうした価値観は二つの基本的次元に沿って構築されている。
一つの次元は、価値観が自己高揚を中心に展開する場合であり、
二つの次元は、維持である。
7)いつ、どの様に選択するかを選択する。
日頃から最善を尽くすことが出来る仕事というのは、あなたが好きな
仕事なのだ。
そのキーワードは、興味、達成、能力である。
興味目録法は、個人が表明した興味に対して、その興味を満たす傾向
にある特定の仕事と適合させる質問方式である。
8)自分の興味や能力を最大限に活かすために課題を作り変えてみる。
まずは、正直に自分自身を振り返ってみて、以下の7つの知能に従い、
自分が得意としていることを検討する。
7つの多元的知能とは、
・言語的知能
・論理、数学的知能
・空間的知能
・音楽的知能
・身体運動的知能
・個人内知能
・対人的知能
9)習慣を変えてみる。
自分自身の変化について観察が出来るような習慣を具体的な形で
決めておくことは、重要である。
小さな段階に従って習慣を変えて行く方が、自分の変化に気付き
ながら実行出来るため容易でもある。
二人の人間における関係には明らかに多様な形が存在する。
その形は、
・親和
・好意
・友情
・愛
例えば、良好な結婚生活のためには、確実にポジティブな要素と
確実にネガティブな要素の比率が、5:1を上回っている必要がある。
10)積極的、建設的な反応
良い知らせにはその都度、積極的かつ建設的な反応を心がける事。
自分の反応について、観察し続けてみて、積極的・建設的な反応
を示す回数が他の反応の仕方に比べて少なくとも、3:1で、
上回ることを確認する。
いずれも、そんなに時間の掛かるものでない。
是非、一度、トライしてみては!
「組織活性化へのアプローチ」
ショーン・エイカーは、「幸福優位の7つの法則」で個人、組織が上手く
活動できる7つのポイントを述べている。
ここでは、ポジティブ心理を基本として、組織の活性化、個人の活性化に
必要なポイントをエクササイズなどを含め、少しまとめて行きたい。
この考え方、やり方は、人材育成、組織活性化に悩む中小企業でも、
有効であり、是非、実践をしてもらいたい。
1)幸福感を高めること
ポジティブ感情が多く幸せである人の人生は充実している。
ポジティブ感情がその認識や行動の幅を広げると、人はより創造的に
なるだけで無く、将来も含め、有効な知的資源や社会的な資源、
身体的な資源を生み出して行くとのこと。
googleなどの企業やベンチャー企業の職場環境(遊び感覚のスペースなど)
を楽しいものに整えたりしているのも、社員が束の間ではあるが、
幸福感を味わうたびに、ポジティブ感情が生じ、創造性と革新性が
高まるからである。この幸福感のお陰で、有効な解決へのヒントも出てくる。
この幸福感を持続して行くには、日々の自分が、どの様な感情を持つのかを
理解しておく必要がある。
それには、7つの方法があるとのこと。
①何かを楽しみにする。
1週間先のデートでも、休暇でも、楽しみな予定を考えてみる。
②意識して人に親切にする。
ある研究者によると、1週間の中で、1日だけ、5つの親切な行為を行うと
その人の幸福度は、非常に高まるとの研究もある。
③ポジティブな感情が生じやすい環境をつくる。
先程のgoogleなどの職場環境の有効性と共に、ネガティブな感情を
起こさせない環境作りも考えるべきである。
④運動する
⑤お金を使う
モノを買う行為では無く、経験を買うという意識に変える。
⑥固有の強みを発揮する
24の性格的な強みからその人が持つ固有の強み上位5つを見つける
総合的な調査方法がある。これにより、自身の強みをキチンと
認識し、行動する。
⑦瞑想する
5分間の瞑想により、人はより安らかで満ち足りた気分となり、
知覚と共感が高まる。
■組織の活性化と衰退を分けるロサダライン
組織が活性化し、成功をもたらすために、
メンバー間のポジティブな相互作用とネガティブな相互作用の比率が
最低でも、2.9013対1でなければならない。
1つのネガティブな意見や経験などの悪影響を打ち消すのに、三倍の
量のポジティブな意見や経験が必要となる。
組織の能力を最大限に活かすのは、この数字が6対1が理想との研究結果もある。
2)心の持ち方
自分の能力を信じることができる人は成功する。仕事に対するポジティブな
心の持ち方は、パフォーマンスに影響するだけでなく、能力を向上させる。
人の生き方に仕事の意味や自他の期待が影響する。
例えば、社員に自身の「職務記述書」の書き換えをしてもらい、自身の人生
の目標について考えてもらう。
・ピグマリオン効果の適用
誰かの可能性を信じれば、その可能性を高める。組織とそのメンバーの能力を
アップする。
ただし、リーダは以下の心がけが必要となる。
①部下の知性とスキルは、固定したものではなく、努力によって、改善できる
と信じていること。
②部下が仕事に意味と満足を見出したいと思っていることを信じている。
③自身の日々の行動や言葉によって部下にその信頼を伝えている。
3)テトリス効果(残像効果的思考)
人は自動的に考える思考のルートが出来ている。多くの人は自動的にネガティブ
なルートで考える。弁護士の考え方などがよい事例である。
ポジティブな習慣化で、重要な役割を果たすのが、幸福、楽観、感謝の3つである。
これを個人として、実践するには、「仕事や生活の中で、今日起こった3つの
よいこと」を書き出すと言う方法もある。
テトリス効果を十分に活かすには、全てのネガティブな思考を完全に閉め出す
のではなく、合理的、現実的で健全な楽観性を持つことが肝要となる。
4)再起力(レジリエンス)
あるポジティブ研究者によれば、「ものごとはいつも良い方に転がるわけでは
ない、だが、起きた事から最良のものを引き出すことが出来る人がいる」。
成功している人々は、逆境を単なる障害とは思わず、更に発展するための
踏み石と考える。
例えば、仕事で困難な状況になっても、常に立ち上がってくる人に共通な
ことがある。「楽観的な説明スタイル」と呼ばれるもので、困難な
状況の説明の仕方がポジティブである。即ち、逆境を「限定的で一時的
なもの」と解釈するのである。
逆境や困難から立ち直る方法の1つに解釈のABCDというのがある。
・A(adversity) 困難な状況の把握
・B(belief) 今信じていることが事実とは違うとして、反論する。
・C(consequence) ポジティブな結果を得られる。
・D(disputation) ネガティブな結果の場合は反論をする。
5)ゾロ・サークル(コントロール感)
自分をコントロール出来ているという感覚は大事である。
脳の感情システムと認知システムの働きを説明する。危機感を感じたり、
ストレスを感じると、アドレナリンとストレスホルモンにより、脳が感情系で
ハイジャックされる。これでは、創造的な仕事ができない。まずは、自身が
コントロールできるレベルまで戻り、そこから理性的な行動に戻る。
自分の行動が物事を変えるという信念、自分の将来は、自分で決められる
と言う信念が必要となる。
このコントロール感を持つには、
・自己認識(一番小さい円を描く)の円をキチンと把握する。
・全体状況の把握とどの部分がコントロール可能か、を見極める。
6)変化への実施は20秒以内
我々の行動は、単なる習慣の固まりである。
悪い習慣をどう良い習慣に変えるか、それは、よい習慣になるため
20秒以内で実施できる様に工夫すること。
悪い習慣はすぐに手のとどかないところへ持っていき、良い習慣を身に
付けるためにはすぐに手が届くようにする。自分が主体的にできる
ところと、出来ないことを明確に分けて、ステップ・バイステップで
実行する。
7)ソーシャルへの投資(仲間の大事さ)
仕事ができるようになるには、自分ひとりで集中ればよいと思いがちだが、
それは間違っている。仲間を持っている人の方が、いい仕事ができる。
ストレスや困難な状況を打破するには仲間が必要だ。
人間関係はレジリエンスの最重要要素のひとつだ。学習の時間、仕事の時間を
ふやせすことだけではよい仕事はできない。仲間が大事。仲間が生き残りと
繁栄を約束する。
組織の活性化している企業では、人間関係への投資をキチンとしている。
例えば、社内寄付制度や社員支援基金など、具体的な施策を実施している。
また、社員同士の絆が自然に生じるような時間と場所の提供をしている。
7つのポイントを具体的に組織の中で、実施していくには、それなりの専門
グループによるガイドが必要である。しかし、自社の独善的な「改善」だけを
繰り返しても企業はやがて疲弊してしまい、これからのビジネス社会では
生き残れない。これからは、「コミュニケーション活性化」「強みの発見」など
ポジティブなアプローチによって、外部の基準に合わせるのではなく、組織
の内側から、個人レベルも含め、改革を進める必要がある。
これは、会社の規模とは、関係ない。中小企業経営者も、十分その
必要性を認識し、実践する必要がある。
「己を知り活性化するセンス」
多くの中小企業が市場環境の変化に合わせ、既存市場での事業展開や
組織としての企業の変革が必要とされている。このため、企業でも個人でも、
「当たり前が変わる」時でもある。特に、中小企業では、そのトップが
会社組織そのものである場合も多く、社員以上に、自身の見つめ直し、
変革が必要なのではあるまいか。
1.ポジティブ心理的な自身の把握
我々の感情は思考に影響を与えており、それを抑圧したり無視したり
するよりは、感情のシグナル(情動)の意味をきちんと解釈し、また自身
の気持ちを適切な状態に持っていくことに注意を払った方が、仕事の生産性
も高まるはずであり、組織としても、適正に活動して行く。
また、よく言われている「成功するからポジティブになる」のではなく、
ポジティブであるからこそ、多くのことを学んで最終的に成功に結び
付けられる、ことを認識すべきかもしれない。コレは、個人としても、
組織を上手く動かしたい経営者としても、重要なことである。
ポジティブ心理学としても、様々な事例検証などから、以下の効果がある
と言っている。
・ポジティブな感情は知性を磨く
・幸福な人は多くの情報を覚え、評価し、理解する
・ポジティブな感情は健康や長生きを促進する
・ポジティブな感情は生産性を高める
・ポジティブな感情が高い人は災難にうまく対処する
・ポジティブな感情は社会性を培う
バーバラ・フレドリクソンの「3:1の法則」にも記述のあるポジティビティ比
の自己診断テストを試してみると面白い。
「過去24時間にどんな感情を味わったのか?
1日を振り返って、それぞれの感情を最も強く感じた度合いを「0~4」までの
数字で答える。
①面白い、愉快、バカげていておかしい ②怒り、いらだち、不快
③恥辱、屈辱、不面目 ④畏敬、驚異、驚嘆 ⑤軽蔑、さげすみ、見下す気持ち
⑥嫌悪、嫌気、強い不快感 ⑦恥ずかしかった、人目が気になった、赤面したこと
⑧感謝、ありがたい気持ち、うれしい気持ち ⑨罪の意識、後悔、自責の念
⑩憎しみ,不信、疑惑 ⑪希望、楽観、勇気
⑫鼓舞され、高揚感を覚え、元気づけられたこと
⑬興味、強い関心、好奇心 ⑭うれしさ、喜び、幸せ ⑮愛情、親しみ、信頼
⑯誇り、自信、自分への信頼 ⑰悲しみ、落胆、不幸 ⑱おびえ、恐怖、恐れ
⑲安らぎ、満足、平穏 ⑳ストレス、緊張、重圧感
0=まったく感じなかった
1=少し感じた
2=中くらいに感じた
3=かなり感じた
4=非常に強く感じた
これらをポジティブとネガティブな項目で数えることで、比率を出す。
継続的に実施するには、以下のサイトに登録すると便利。
自己診断テスト(英語)
<a href="https://www.positivityratio.com/single.php">https://www.positivityratio.com/single.php</a>
継続してテストする場合は登録が必要
サインアップのページ(英語)
https://www.positivityratio.com/signup.php
2.己を活気つける(ポジティビティポートフォリオの実践)
自身を知ることは重要であるが、その根底は、意識の活性化である。そのためには、
以下の様な心構えも重要となる。
・大切なものにできるだけ時間を割くように生活を設計・修正する
・今いる状況にポジティブな意味を見出す
・よいことは充分に味わう
わくわくし、味わい尽くすつもりで
・恵まれている点を数えよう
毎日嬉しかったことを3つ書き留めよう
・好きなことに夢中になろう
ポジティブで言うフロー(最適経験)を起こそう
・自分の強みを活かそう
・他者との絆を創る
・自然とのつながりを持つ
これらを実践的に行うには、
ポジティブな感情を引き起こすポートフォリオを作るコトが肝要である。
喜び、感謝、安らぎ、興味、希望、誇り、愉快等が
「それはいつだったか?」
「どこで何をしていたのか?」
「きっかけは何だったのか?」
「どんなことが起きていたか?」
を具体的に思い出す
写真、手紙、引用文、詩、思い出の品などをポートフォリオに入れる
人生のいい瞬間を思い出す
家族・友達から貰った言葉・手紙・メール・カード
泣けてくるビデオ(Youtubeや自作)
過去に感動した出来事、成功した話のリスト
何度思い出しても笑ってしまう話リスト(友達・家族)
いい思い出のつまった音楽・写真
個人的には、pinterestがコレを実践するには、極めて有効と思っている。
例えば、10のポジティブ感情(喜び、感謝、安らぎ、興味、希望、誇り、
愉快、鼓舞、畏敬、愛)について、それぞれの感情を「明確に」「深く」
感じた瞬間を写真や動画に記録して、カテゴリー別に「ポートフォリオ
(自分の作品集)」を記録して行く。
3.パーソナルキャンバスを描く
パーソナルキャンバスはその名のとおり、ビジネスモデルキャンバスを個人版である。
9つの要素がビジネスの場合と以下のように、少し違ってくる。
①「誰の為に役に立つのか」
要するに、あなた自身のお客さんは誰なのか?ということ。
②「自身のリソース」
もっている個人のリソースはスキル、知識、関心ごとなど。
③「主な活動」
やっている仕事について書く。
④「どのように役に立つか」
①で書いたお客さんに対してどういった価値を提供しているかを書く。
例えばITシステムを構築すること自体は価値ではなく、②である。
ITシステムを構築し、その結果として業務効率が改善されるなどが価値である。
⑤「価値を認知させ、届ける手段」
①で書いたお客さんにどうやって価値を知らせるかを書く。
⑥「コミュニケーションの取り方」
どうやってお客さんと関わっているか、になる。対面での打合せ、メール、電話、
SNSなどいろいろある。
⑦「支援者・協力者」
あなたのビジネスを支援したり協力してくれる人たち。
⑧「得るもの」
ほとんどの場合は「給料」が該当するが、お金以外に何を得ているのかを意識する
コトも必要。
⑨「自己投資」
時間や学習のための費用(書籍代、研修代)などがある。
これからのキャリアで重要なこと
「誰と繋がり、何をして、誰の役に立ちたいのか?」。
特に重要なのが、キーリソースが自身(興味・スキル・個性・財産など)を示すと
いうこと。コレには、1項のポジティブ心理的な自己診断結果も大きなリソース
となる。コストや報酬の要素には、ストレスや満足度など数値化できないものを
含めることであり、2項のポートフォリオの実践も有効な手段でもある。
単に、手法的なばかりではなく、自身の心理的要素、自身を取り巻く社会環境
要素がこのキャンパス作成には、問われると思う。
それが、ビジネスキャンパス作成と大きく異なるかもしれない。
このキャンパスを有効にするには、出来上がったキャンバスのいくつかをピック
アップし、参加者全員で意見交換を行い、ワークを通して明るみになった課題を
どのように解決すべきか、参加者同士でコメントを出しあい、相互にアドバイス
を行うのが有効である様だ。キャンバスを共有することで、課題に対する解決策
を参加者同士が共有・提供し合い、自然とグループが出来上がっていく。
この様子は、課題を共有し解決することで、「ゆるやかなコミュニティ」が
生まれていくような感覚があり、今後の新たな働き方、仕事を通じての人との
繋がり方を考えさせられる。
パーソナルキャンバスの作成手順は、色々とある。例えば、現状とは全く異なる
理想のキャンバスを作成するコトも有効である。初めにキーリソース書き出し、
次にその中から1つ選ぶ。選択した1つのキーリソースに合わせて、キャンバスを
理想のパーソナルビジネスモデルへと、全て書き直していくのである。
既存のパーソナルビジネスモデルでは得られなかった「自分が何に対して情熱
を注ぐことが出来るのか」ということをワークの中で発見し、モデルを
組み立てるのである。
自身のキーリソース(興味・スキル・個性など)を軸に、「誰にどう貢献できるか」
という視点から、個人の働き方を再設計・再構築する。しかし、今後の雇用環境
では、テクノロジーの発展やグローバル化によって、雇用数や給与額が減少する
と言われている。このような変化を含め、社会変化をキチンと認識することの
必要性を改めて感じることである。
PEST分析と言う手法で将来の「25のきざし」についてまとめたサイトがある。
<a href="http://www.hitachi.co.jp/design/25future/index.html">http://www.hitachi.co.jp/design/25future/index.html</a>
「25のきざし」は、PEST(P:政治/E:経済/S:社会/T:技術)の視点で2005年
から2030年までに起こり得るであろう事象を分析し、未来洞察を行ったものです。
さらにその過程の中で、社会システムの要件を生活者視点で捉えなおし、あるべき
将来像の仮説“ビジョン”を描出しています。
情熱を傾けられ、自身が最大限に活きるリソースを見つけなければならない。
そして次に、自身のリソースを、どのように社会に貢献し、価値を提供できるか
を考え、それに沿って、自らを積極的にデザインする。
そうすることによって現状に安住することなく、常に変化する環境にあわせて
新たな課題を持ち、主体的に活動することが出来るのではないだろうか。
「企業でも、必要なポジティブの発想」
私自身、ポジティブ心理のプロでもないが、自身の経験とその結果、
組織の活性化への影響などからポジティブ心理学は、個人でも、
組織でも、かなり有効なアプローチ方法では、と思っている。
そして、よく言われている「成功するからポジティブになる」のではなく、
ポジティブであるからこそ、多くのことを学んで最終的に成功に結び
付けられる、ことを認識すべきかもしれない。コレは、個人としても、
組織を上手く動かしたい経営者としても、重要なことである。
1.ポジティブな感情
良く我々は、ポジティブな感情、状態と言ったり、ネガティブな状態と
言ったりしているが、専門家に言わせると、ポジティブな感情には、
以下の10個が想定されるとのこと。
①喜び(Joy) 期待以上にうまくいっている
②感謝(Gratitude) 与えられた何かについてその価値を認めている
③安らぎ(Serenity) 今の瞬間の感覚に意識が集中し、これをゆっくり
味わっていたい、もっとこういう感覚をしょっちゅう味わいたいと思う
④興味(Interest) 新しいものごとに関心を抱き、謎を突き止めたい気持ちに
突き動かされる
⑤希望(Hope) 絶望的な状況のなかで、「最悪の事態を恐れながら、
よりよい状況を望む」感情
⑥誇り(Pride) 自分の努力と能力を投じて何かがうまくできた
⑦愉快(Amusement) 驚きや不調和から引き出された笑い
⑧鼓舞される感情(Inspiration) 奮い立つような感情がわいて、
意識はくぎ付けになり、心が熱くなる
⑨畏敬(Awe) 自分が何か偉大なものの一部であると感じる
⑩愛(Love) 10のポジティブ感情のすべてを含んでその上に位置する感情
ポジティブ感情は、人類の祖先にまでその起源をさかのぼれ、身の安全を感じた
ときや、何かに満足したときのよい気分が、
(1)祖先たちの精神の働きを広げ、
(2)身体的、社会的、知的、心理的リソースの形成を促し、長い時間をかけて彼
らによりよい変化を起こさせてきた。
もちろん、人間には両方の感情が重要であり、仕事の種類によってはネガティブな
気持ちになって取り組んだ方が成果が出るという研究もある、とのこと。
どちらにせよ、我々の感情は思考に影響を与えており、それを抑圧したり無視したり
するよりは、感情のシグナル(情動)の意味をきちんと解釈し、また自分の気持ち
を適切な状態に持っていくことに注意を払った方が、仕事の生産性も高まるはず
であり、組織としても、適正に活動して行く。
その効果は、
・ポジティブな感情は知性を磨く
・幸福な人は多くの情報を覚え、評価し、理解する
・ポジティブな感情は健康や長生きを促進する
・ポジティブな感情は生産性を高める
・ポジティブな感情が高い人は災難にうまく対処する
・ポジティブな感情は社会性を培う
等、あり、研究者によって、様々な実証、検証報告が出ている。
また、セリグマンは「世界で一つだけの」幸せ」という本の中で、
幾つかのポジティブ関連の測定を薦めている。
自身のポジティブな状態がどのようなレベルか、を診るには面白い。
①ファーダイスの感情度測定 24ページ
②日常の幸福度測定 64ページ
③人生の満足度測定 89ページ
④感謝度想定 102ページ
⑤罪の動機測定 112ページ
⑥自分の楽観度想定 122ページ
⑦自分にとっての強み 206ページから241ページまで
⑧仕事と生活の調査 252ページ
⑨パートナーの強み 292ページ
コレを試してみるのも、理屈はどうあれ、結構有効かもしれない。
2.個人、組織を活性化させるポジティビティ比
「ポジティビティ」(自己肯定的な心の状態)をポジティブな感情とネガティブな
感情の比として示すことは、個人、組織ともに、その目安として有効である。
ポジティブな感情というインプットと、心身の健康・良好なコミュニケーション
、仕事の生産性といったアウトプットの関係は、線形ではない。ポジティブな感情
がアウトプットにつながり、それがまたポジティブ感情を生み出すといった好循環
を形成するためには、あるポイント以上のポジティブ感情が必要とされる。
それがポジ:ネガ比=3:1だと言われている。
バーバラ・フレドリクソンの「3:1の法則」にも記述のあるポジティビティ比
の自己診断テストを試してみると面白い。
「過去24時間にどんな感情を味わったのか?
1日を振り返って、それぞれの感情を最も強く感じた度合いを「0~4」までの
数字で答える。
0=まったく感じなかった
1=少し感じた
2=中くらいに感じた
3=かなり感じた
4=非常に強く感じた
①面白い、愉快、バカげていておかしい amused, fun-loving, or silly
②怒り、いらだち、不快 angry, irritated, or annoyed
③恥辱、屈辱、不面目 ashamed, humiliated, or disgraced
④畏敬、驚異、驚嘆 awe, wonder, or amazement
⑤軽蔑、さげすみ、見下す気持ち contemptuous, scornful, or disdainful
⑥嫌悪、嫌気、強い不快感 disgust, distaste, or revulsion
⑦恥ずかしかった、人目が気になった、赤面したこと
embarrassed, self-conscious, or blushing
⑧感謝、ありがたい気持ち、うれしい気持ち
grateful, appreciative, or thankful
⑨罪の意識、後悔、自責の念
guilty, repentant, or blameworthy
⑩憎しみ,不信、疑惑 hate, distrust, or suspicion
⑪希望、楽観、勇気 hopeful, optimistic, or encouraged
⑫鼓舞され、高揚感を覚え、元気づけられたこと
inspired, uplifted, or elevated
⑬興味、強い関心、好奇心 interested, alert, or curious
⑭うれしさ、喜び、幸せ joyful, glad, or happy
⑮愛情、親しみ、信頼 love, closeness, or trust
⑯誇り、自信、自分への信頼 proud, confident, or self-assured
⑰悲しみ、落胆、不幸 sad, downhearted, or unhappy
⑱おびえ、恐怖、恐れ scared, fearful, or afraid
⑲安らぎ、満足、平穏 serene, content, or peaceful
⑳ストレス、緊張、重圧感 stressed, nervous, or overwhelmed
これらをポジティブとネガティブな項目で数えることで、比率を出します。
継続的に実施するには、以下のサイトに登録すると便利。
自己診断テスト(英語)
https://www.positivityratio.com/single.php
継続してテストする場合は登録が必要です
サインアップのページ(英語)
https://www.positivityratio.com/signup.php
登録後のログイン(英語)
https://www.positivityratio.com/login.php
・ポジティビティは気分が良い
・ポジティビティは精神の働きを広げる
・ポジティビティはリソースを形成する(拡張ー形成理論)
・ポジティビティは弾力性、立ち直る力を強化する。
・ポジティビティ比が3対1を超えると繁栄に向かう
・ポジティビティ比は上げることが出来る
個人レベルでは、一日再現法というのがあり、コレと組み合わせると、さらに、
自分達の考え方や行動の仕方を変えたりして「自己成長に関する問題を解決する」
と言える。
また、「ポジティビティ比が3対1を超えると繁栄に向かう」のは、組織レベル
でも、同じであり、組織での検証結果も多く出ている。
経営者は、是非、コレを考えに入れるべきと思う。
3.組織で考慮すべきこと
ショーン・エイカーは、「幸福優位の7つの法則」で個人、組織が上手く
活動できる7つのポイントを述べている。
1)幸福感
ポジティブ感情が多く幸せである人の人生は充実している。もちろん、
「ポジティブ心理学」は科学であるから様々な検証も加え、説明している。
意識して人に親切にする、等いくつも幸せ観をアップする方法を示している
2)心の持ち方
自分の能力を信じることができる人は成功する。仕事に対するポジティブな
心の持ち方は、パフォーマンスに影響するだけでなく、能力を向上させる。
人の生き方に仕事の意味や自他の期待が影響する。期待理論やピグマリオン効果
(誰かの可能性を信じ、その可能性を高める)についても説明している。
組織として、考えるべき点は多い。
3)テトリス効果(残像効果的思考)
人は自動的に考える思考のルートが出来ている。多くの人は自動的にネガティブ
なルートで考える。弁護士の考え方などを例に挙げ、ネガティブな自動思考
について解説している。幸福、楽観、感謝などを利用したポジティブな思考
を継続的に進めることにより、ポジティブな習慣化と自身の人生の変化を学ぶ。
4)再起力(レジリエンス)
逆境や困難から立ち直る道が3つあるという。グルグル回る道、さらに悪くなる道
、そして、立ち直り力、さらに、逆境から成長する力により切り開く道である。
5)ゾロ・サークル(コントロール感)
自分をコントロール出来ているという感覚の大事さや、その効用について教えて
くれる。脳の感情システムと認知システムの働きを説明する。危機感を感じたり、
ストレスを感じると、アドレナリンとストレスホルモンにより、脳が感情系で
ハイジャックされる。これでは、創造的な仕事ができない。まずは、自身が
コントロールできるレベルまで戻り、そこから理性的な行動に戻る。
6)変化への実施は20秒以内
悪い習慣をどう良い習慣に変えるか、それは、よい習慣になるため20秒以内で
実施できること。悪い習慣はすぐに手のとどかないところへ持っていく。
良い習慣を身に着けるためにはすぐに手が届くようにする。自分が主体的に
できるところと、出来ないことを明確に分けて、ステップ・バイステップで
実行する。良い習慣を作るための、行動改善のヒントが得られる。
7)ソーシャルへの投資(仲間の大事さ)
仲間や人間関係の大切さを主張している。仕事ができるようになるには、自分
ひとりで集中ればよいと思いがちだが、それは間違っている。仲間を持っている
人の方が、いい仕事ができる。ストレスや困難な状況を打破するには仲間が必要だ。
人間関係はレジリエンスの最重要要素のひとつだ。学習の時間、仕事の時間を
ふやせすことだけではよい仕事はできない。仲間が大事。仲間が生き残りと
繁栄を約束する。
7つのポイントを具体的に組織の中で、実施していくには、それなりの専門
グループによるガイドが必要である。しかし、自社の独善的な「改善」だけを
繰り返しても企業はやがて疲弊してしまい、これからのビジネス社会では
生き残れない。これからは、「コミュニケーション活性化」「強みの発見」など
ポジティブなアプローチによって、外部の基準に合わせるのではなく、組織
の内側から、個人レベルも含め、改革を進める必要がある。
「3:1個人の活性化の転換点」
ポジティブ心理学については、以前の記事を少し見てもらうとして、
http://kokusan.cocolog-nifty.com/ossan/2012/09/post-e2eb.html
今回は、私自身も興味が高い、個人での意識高揚、活動力アップに
ついてのポジティブ比の「3:1」について考えたい。
この比率は、ロサダ博士が組織の活力を検証していく中で、その
活性化のポイントとして、仮説化したものです。
今回は、「3:1の法則 バーバラ・フレドリクソン著」他の引用を
中心に、個人レベルでの3:1の面白さを理解してもらえれば、
と思います。少し前から、仕事や付き合いの中で、各人をそれとなく
観察していると、3:1の動きがなるほど、という感じで分かります?
と思っていますが。
ポジティブ心理学での、そもそも、ポジティビティとは何?
ポジティビティは、「笑顔で耐えよう」とか、「心配するのはやめよう。
いつも機嫌よくしていよう」などというモットーのようなものでは
ありません。そんなものは単なる表面的な理想です。ポジティビティ
は人間心理のもっとずっと深いところを流れているもので、感謝、
愛情、楽しみ、喜び、希望、感謝など、幅広い肯定的な感情を
含んでいます。
そして、幸せになるための大切なポイントの1つは、日常生活において、
ネガティビティを減らしてポジティビティを増やすことです。
ネガティビティとは、自己否定的な心の状態のことであり、
ポジティビティとは、自己肯定的な心の状態のことです。
ポジティブ感情の代表的な10の感情は、前回にも記述しています。
例えば、前向きな人の話や様々な活動を見たり、聞いたりすると、
「しっかりやらなきゃ!」と強く思うのですが、それがポジティブ感情!
多分、多くの人は、
・ポジティビティは気分がいい
・ポジティビティは精神の働きを広げる
・ポジティビティはリソースを形成する
・ポジティビティはレジリエンス(立ち直る力)を強化する
・ポジティビティが3:1を超えると「繁栄」に向かう
今回は個人レベルでの3:1がポイントです。
・ポジティビティ比は上げることができる
しかし、心理学者は
・ポジティブ感情の特徴として、
しっかりつかもうとすると壊れてしまう。本当に移ろいやすい、微妙
なもの。ただし、それが積み重なると人生の進路を変えるほどの力を持つ。
・ネガティブ感情の特徴として、
その大きな1つが、ネガティブ感情と特定の行動との結びつき。
例えば、怖れ → 逃走本能、怒り → 攻撃本能、 憎悪 → 忌避行動
というように、特定の感情が特定の行動の誘因となることが生存に結び付き、
感情が人間にとって重要なものとなったとの事。
3:1の黄金比について
3:1の黄金比とは、ポジティビティのネガティビティに対する割合。
ある一定の時間におけるポジティビティ(P)の頻度を、その同じ時間に
おけるネガティビティ(N)の頻度で割ったもの(P/N)です。
人々の人生が上昇スパイラル(気分は高揚し、生き生きしている。行動は自由
で独創的で、どんどん成長していく)に乗り繁栄に向かうか、下降スパイラルに
乗って沈滞に向かうかの形勢をどちらに傾けるかの転換点がこの数字です。
何人かの学者が微妙で捉えどころのないポジティビティだが、その日常での頻度
が3:1を超えると繁栄に向かうことを実証的データに基づき確認したといいま
す。
ポジティビティとネガティビティは対称的ではなく、ネガティブ感情は
ポジティブ感情よりも強く感じられるため、ネガティビティを日常で頻繁に
感じていると誤解しがちですが(心理学ではこれを「ネガティビティ・バイアス
」
と呼ぶ)、実際には多くの人たちの日常の大半は、「ほどほどにいい状態」
にあると言います。それでも、大多数の人たちの比率は約2:1、うつ的な
状態にある人(1割程度)は1:1かそれ以下であり、繁栄に向かう3:1
以上の人は5人に1人以下という結果を報告しています。
「ポジティビティ比に転換点がある」というのは、画期的な視点です。
ポジティビティの効果が微弱であることは、分かっていたのですが、学者の中
では、「たとえ、かすかでも何らかの効果はあるはずなのに、それがさっぱり
現われないときがある」ということでした。
転換点という考え方は、この手品のトリックを解き明かしてくれました。
3:1以下のとき、ポジティビティは、ネガティビティの強大な力に圧倒されて
何もできません。3:1を超えたときにようやく、非力なポジティビティは
数の力で何とかネガティビティに打ち勝つことができます。ポジティビティ
が蓄積され、組み合わさって、転換点に到達すると、そこまできてようやく、
驚くべき効果が生活のなかで実感できるようになるのです。
上手くいっている夫婦のポジティブ比は凡そ5:1であり、うつ病患者の
ポジティブ比は凡そ1:1とのデータがあります。
それぞれが独自に研究したものですが、結果には一貫性がありました。
面白い人間行動と思います。
ただし、ここで注意すべきは、比が「3:0」ではないところです。
ネガティビティもまた大事だからです。ネガティビティなしの「繁栄」
などありません。どれほどポジティブな人でも、大切な人や物を喪失すれば、
涙を流すのは当然です。不当な行為に対して怒り、危険を恐れるのお自然な
ことです。吐しゃ物や残虐行為を目にすれば、不快になります。3:1
という比のよいところは、さまざまな人間の感情を包括する幅を持っている
ことです。何でも多ければ多いほどいい、というものではありません。
ポジティビティも多過ぎれば、それなりに問題が起こるでしょう。第一、
望むと望まないとにかかわらず、ネガティビティは私たちの生活に入り
込んできます。実際、「繁栄」する人生を作るために「適切なネガティビティ」
はなくてはならない材料なのです。
ポジティビティとネガティビティが適度な割合で組み合わさった場合は、
これら相反する力が、人を力強く現実的にし、腹の据わった状態にします。
適切なネガティビティが、必要に応じて引き戻してくれるため、現実を
見失わずに済みます。そして、心から感じるポジティビティが浮力を与え、
「繁栄」に向かって押し出してくれます。
では、私たちが「繁栄」に向かうためには何をすればよいのか?
ポジティビティ/ネガティビティ比に関して自分自身の現状を知ることが重要で
す。
様々な診断表を利用すると結構、面白いです。
そのうえで、
・ネガティビティをなくすのではなくネガティビティをできるだけ減らす
・ポジティビティを高める
心持次第で、自分の将来が切り開かれる。素晴らしい!!
「自分の強みを知る?ストレングスファインダー?」
各企業の経営戦略策定の支援を依頼されるが、社長含め、結構自社の強み、弱みを
認識されていない企業が多い様である。その時の状況と合わせ、基本的なアプローチ
手法をベースに、精度の高い企業のSWOTを導くのも、中々、骨のおれる仕事でもあ
る。
それと同様に、自分の強み、弱みをあらためて問い直す時、結構、曖昧であることがあ
る。
インキュベーションや個人起業のためのセミナーを開催した時に、まず、書き出しても
らうのが、自分の思い、そして、強み、弱み、人脈についての洗い出しがある。
中々、皆さん、書き出せないのが一般的?
ストレングスファインダーと言う自分の強みを特定してくれるサポートがある。
180項目の質問に答えると「自分だけの特長的な資質」のレポートがまとめてもらえ
る。
あなたのStrengthsFinderの結果に基づき、上位5つの資質を強い順に並べたもの。
全34項目中、これらの資質があなたの強みの上位5つ(開発者は順位付けはあまり
意味無いとも言っているが)。
「自分だけの特長的な資質」は、資質を最大限に活かし、将来の成功につなぐ手がかり
となります。個々の資質に着目したり全体を概観することで、自分にどのような資質が
あるかをよく把握することができ、さらにそれらを強みとして成長させ、仕事やプライ
ベートの両面で一貫してよい結果を得ることができる。
因みに、私の5つの強みは、
■最上志向
■収集心
■内省
■目標志向
■戦略性
との事。詳細な説明が個々の項目であり、概ね、合っている。
それでは、自分の資質が気に入らなければ、新たな資質を開発できるのか
ひとことで言えば、答えはノーとの事。
ストレングス・ファインダーは、何組もの質問に対する直感的な解答をもとに、
被験者のパターンを割り出し、被験者の最も強力な脳内回路、優位を占める
資質を測定するものだが、すでに述べたように、それらの資質は永続的なものだ。
どれほど変えようとしても、資質は絶対に変らない。
自分の特性を理解し、それを高める方向に持っていくことが望ましいようである。
■34の資質とは、
1.達成欲
達成欲という資質を持つ人は、並外れたスタミナがあり、旺盛に仕事に取り組みます。
2.活発性
活発性という資質を持つ人は、アイデアを実行に移すことにより結果をもたらします。
3.適応性
適応性という資質を持つ人は、「流れに沿って進む」ことを好みます。
4.分析思考
状況に影響を与える可能性のあるすべての要素を考慮に入れる能力を
備えています。
5.アレンジ
たくさんの要素を構成し管理することができると同時に、作り変えることを
いとわない。
6.信念思考
その人の中核となる強い価値観があり、しかもその価値観は変わらないものです。
7.指令性
資質を持つ人には、強い存在感があります。状況の主導権を握り、決断を下します。
8.コミュニケーション
一般的に自分の考えを言葉に表すのが得意です。話術に優れ、物事を印象的
に説明します。
9.競争性
競争性という資質を持つ人は、自分の進歩を他人と比較します。
10.運命思考
あらゆる人や物事は互いに結びついていると考えています。ほぼあらゆる出来事
には何らかの理由が存在すると確信しています。
11.原点思考
過去や原型について考えるのが好きです。過去を調べることにより、
現在を理解します。
12.慎重さ
慎重さという資質を持つ人は、決定や選択を行う時に細心の注意を払います。
13.成長促進
他人の持つ可能性を認識し、それを伸ばし、目覚めさせます。他人の小さな進歩の兆候
を見逃さず、このような進歩を実現することから充足感を得ます。
14.規律性
日課や秩序正しい計画に従うことを好みます。世界は自分が作った秩序の中に存在しま
す。
15.共感性
自分を他人の状況に置き換えて考えることにより、他人の感情を察することが
できます。
16.公平性
あらゆる人を平等に扱う必要性を確信しています。明確なルールを定め、
それに従うことで、世界のすべての人を公平に扱おうとします。
17.目標志向
目標を定め、その目標に向かってまい進し、目標達成に必要な修正を行うこと
ができます。
18.未来志向
未来がどのようなものかについて考え、そこからアイデアを得ます。ビジョン
を語ることで、人々を高揚させます。
19.調和性
意見の一致を求めます。意見の衝突を嫌い、異なる意見でも一致する点を探ります。
20.着想
着想という資質を持つ人は、新しいアイデアを考えるのが大好きです。
21.包含
他人を受け入れることができます。人の輪から外れている人に注意を払い、
そのような人を輪に入れようと努力します。
22.個別化
個別化という資質を持つ人は、一人一人が持つユニークな個性に興味をひかれます。
23.収集心
収集心という資質を持つ人は、より多くの知識を求める知りたがり屋です。
24.内省
頭脳活動に多くの時間を費やします。内省的で、自分の頭の中で考えるのが好きで、
知的な討論が好きです。
25.学習欲
学習欲という資質を持つ人は、学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいます。
26.最上志向
強みを利用して、平均的ではなく最高の水準を、個人ないしは集団において
追求します。
27.ポジティブ
情熱的であり、しかも自然にその熱意を人に分け与えることができます。
生き生きとしており、他人に活気を吹き込み、やる気を起こさせることができます。
28.親密性
他人との緊密な関係を楽しみます。目標達成のために友人と努力することから、
大きな満足感を得ます。
29.責任感
一度やると言ったことは必ず実行する精神の持ち主です。正直さや忠実さなどの普遍的
価値観を達成することに、意義を感じています。
30.回復志向
問題を解決するのが大好きです。どこに問題があるのかを探りあて、それを
解決することに長けています。
31.自己確信
自分の能力と判断力に自信を持っています。まるで、自分が正しい方向へ
進んでいることを教えてくれる羅針盤が体内に備わっているかのようです。
32.自我
自我という資質を持つ人は、他人の目から見て非常に重要な人間になることを
望んでいます。
独立心に富み、人から認められたいと思っています。
33.戦略性
戦略性という資質を持つ人は、目的に向かうための選択肢を想定することができます。
いかなる想定に直面しようとも、適切なパターンと問題点を直ちに予測することができ
ます。
34.社交性
知らない人と出会い、自分を好きになってもらうのが、大好きです。見知らぬ人と
打ち解けて親しくなることから満足感を得ます。
自分を本当に捉えているか?は個人の判断に任せるが、34の項目から5項目を選別
するのだから、約28万通りあり、また、多くの被験者のデータをベースとしている
点も考えると、結構的を得ているかも。
自分を理解することも大事な時代です。
「参考として、十牛図を考える」
禅宗への関わりは、3回ほど座禅を組んだ程度で、修養と言う点では、
何もしていない。しかし、その心で、人生の1つの生き方を感じるのは、
出来るはずである。十牛図は、その指針ともなると思うが。
十牛図」とは、逃げ出した牛を探し求める牧人を喩えとして、牛、
すなわち真実の自己を究明する禅の修行によって高まりゆく心境を十段階
で示したもの。
もとより漢文の素養もないため、その解釈文に頼るのであるが、わずかながら、
その意味が身にしみてくる。悟りを得ようなどと言う大袈裟なことではなく、
自身の行き方の指針として、読み解けば少しは人生変化に役立つとは思う。
十牛図は、中国・宋時代の廓庵禅師の創案と言われ、日本においては、
古くから現代に至るまで、禅を学ぶ絶好の入門図として重要視されてきた。
しかしこの図は禅宗だけが専有すべきものではない。
人生のさまざまな重要な問題を提起し、それに答えてくれる人生の指南図
でもあるからである。尋牛から入廛垂手までの十の図を前にして、
「いったいなにか」「いかに生きるか」という二大問題の解決を目指して
静かに観想して行くことが大切となる。
中国宋代の臨済宗楊岐派の禅僧・廓庵(かくあん)禅師によるものが有名。
■各図の説明
1)第一図 尋牛(じんぎゅう)
ある日、牧人の飼っている一頭の牛が牛小屋から逃げ出たことに気づいた
牧人は、野を歩き川を渡り山を越えてその牛を探し求めている。
ただ一人で・・・。
彼は「自己究明」の牛探しの旅に出かけたのだ。
従来不失(従来失せず)
何用追尋(何ぞ追尋を用いん
(始めから失ってもいないのに、どうして探す必要があろう)
在向塵而遂失(向塵に在って遂に
(目を覆った塵を払おうという在り方が牛を見失うことになる)
2)第二図 見跡(けんせき)
「もう牛は見つからない」とあきらめていた牧人が、ふと前方に目を
落とすと、そこに牛の足跡らしきものを発見する。
「ああ、牛は向こうにいるぞ」と牧人は喜んでその足跡をたどって駆け
寄っていく。
足跡とは経典や古人の公案の類を意味する。
「経典をたよりに道理を解し、祖師方の教えを読んで足跡を知る。
色々な器も皆金である事を見て通り、万物が自分と実感する。
正か邪かを判断できないのに、何で本物と偽者との区別が出来よう。
まだそうした教えの門には、入らないけど、仮に足跡を見つけたとしておこう」
禅では、三毒五欲として、怒りや欲望、怠惰を戒めている。
3)第三図 見牛(けんぎゅう)
牧人はとうとう探し求めている牛を発見する。牛は前方の岩の向こうに
尻尾を出して隠れている。牛が驚いて逃げ出さないように、牧人は足を
忍ばせて牛に近づいていく。
優れた師に出会い「悟り」が少しばかり見えた状態。
貶上眉毛(眉毛を貶上すれば)
但非他物(但し他物に非ず)
声をたよりに入り口を見つけ、眼をやればその場が根源と知る。
六根の動き一つ1つが、たがうことなく、日常の一つ1つが見事にそれを現す。
あたかも水に含まれる塩分や絵の具の膠のように。眼を見開けば、これこそ
まさにそのものだ。
4)第四図 得牛(とくぎゅう)
牛に近づいた牧人は持ってきた綱でついに牛を捕らえる。牧人は、再び
逃げ出そうとする牛と渾身の力をふり絞って格闘を始める。
何とか悟りの実態を得たものの、いまだ自分のものになっていない姿。
欲得純和(純和を欲得ほっせば)
必加鞭楚(必ず鞭楚を加えよ)
久しく野外に隠れていたその牛に、きょうやっとめぐり会う。あたりの景色
に見とれ、肝心の牛を追うのをためらう。牛も美しい草原に未練あり。
頑な心が依然として強く、まだまだ野生が抜けきらぬ。柔順さを得たいなら、
どこまでも鞭打つことだ。
5)第五図 牧牛(ぼくぎゅう)
牧人は暴れる牛を綱と鞭とで徐々に手なづけていく。牛はとうとう牧人
の根気に負けておとなしくなり、牛はもう二度と暴れることも逃げ出す
こともない。
悟りを自分のものにするための修行を表す。
在迷故而為妄(迷いに在るが故に妄となる)
忘念がすこしでも起これば、また次の妄想が付いてくる。
本心本性に目覚めることによって真実を完成するのであって、
それを見失っているから心が迷うのだ。他のせいでそうなるのではなく、
自分自身がそうしているにすぎない。だから、手綱を強くしっかりと
引け、もたついてはならぬ。
6)第六図 騎牛帰家(きぎゅうきけ)
牧人はおとなしくなった牛に乗って家路につく。牛の堂々とした暖かい
背中を感じつつ、楽しげに横笛を吹きながら・・・。
悟りがようやく得られて世間に戻る姿。
身横牛上(身を牛上に横たえ)
目視雲宵(目にうんしょうを視る)
人と牛の争いはすでに止み、捕らえることも逃がすこともさらさら
なくなった。樵夫(きこり)は村の歌をうたい、牧童は笛を吹。
牛の背に身を横たえ、眼は大空の彼方を見る。その人を呼べども
返らず、引きとめようとしても無駄なこと。
通常はこの6図までが一般民衆が事項すべき基本との事。
7から10図は、禅宗の人間が更に己を高めるための教えとなる。
なお、ここに出てくる「雲宵(うんしょう)」は朝空けとなる直前の
情景を示している。
7)第七図 忘牛存人(ぼうぎゅうそんにん)
とうとう牧人は自分の庵に帰り着き、牛を牛小屋に入れてほっとした
牧人は、庵の前でのんびりとうたた寝をしている。静寂の中、安堵の
気持ちで・・・。彼は「生死解決」をほとんど成し遂げたのです。
悟りは逃げたのではなく修行者の中にあることに気づく。
法無二法(法に二法なし)
牛且為宗(牛をしばらく宗と為す)
、、
一道寒光(一道の寒光)
威音劫外(この世のはじめ以前から変わらない)
8)第八図 人牛倶忘(にんぎゅうくぼう)
うたたねをしていた牧人が突然にいなくなる。あるのはただ空白だけ。
牧人になにが起こったのだろうか。
すべてが忘れさられ、無に帰一すること。悟りを得た修行者も特別な
存在ではなく本来の自然な姿に気づく。
凡情脱落
聖意皆空
迷いも抜け落ち、悟りも全てなくなる。
9)第九図 返本還源(へんぽんげんげん)
空の世界からふたたび自然が戻る。牧人の中に根本的な変革が起こった。
牧人は自然のようにすべてを平等視して生きることができるようになった。
原初の自然の美しさがあらわれてくること。悟りとはこのような自然の中に
あることを表す。
水緑山青(水緑に山青くして)
坐観成敗(坐ながらにして成敗を観る)
居ながらにして世の移り変わりを観ているのだ。
このような境地に成れるのだろうか。まあ、無理な気がするが、人は無限の
素地を持っているとも言う。なりたいものである。
10)第十図 入廛垂手(にってんすいしゅ)
牧人は再び人間の世界に立ち帰り、人びとが行き交う町の中に入った彼は
一人の迷える童に手を差し伸べている。牧人はとうとう「他者救済」という
彼が目指す最高の境地に至った。
この「十牛図」というのは、自分のあるべき姿ないし悟りを開いた自分を
未だに見いだせず、したがって悩みをかかえている人が悩みから脱し、
心神合一の境地を求めて自分探しをするプロセスを描いているが、ここでの
牛が理想であり、牧童が現実と読み取ることができる。
現実と理想の姿をキチンと理解、把握することが自身の生き方を見直す
こととして、必要である。
しかし、言うは易し、である。その実践と想いの具体化は中々に難しい。
「ただひたすら座禅せよ。道元を知る。」
道元は、知らなくとも座禅は名前ぐらい知っているでしょうし、結構一日ながらでも
経験している人が多いはず。
、
道元は、「南無阿弥陀仏」と言う念仏を唱えることで、衆生の
願い(仏の世界への旅立ち)を叶えられるという時代に、
「只管打座ーただひたすら座禅せよ」と唱えた。
そのために、「普勧座禅儀」を書いた。
「座禅は、即ち、大安楽の法門なり。もしこの意を得ば、自然に
四大軽安、精神爽利、正念分明、法味神助け、寂然清楽、日用天真なり。
すでに能く発明せば、謂つべし、竜の水を得るが如く、虎の山によるに
似たりと」と言っている。
道元の思想の根本は、
「修証一如」。
道を探り、悟りを求めて座禅すると言うそのプロセス自体の中に、
既に、悟りがあると言う。「修証一如」、つまり修行することと
悟りを開くことは1つである。
この根底にあるのは、「脚下を照顧せよ」として、普段の生活まで
自身の足元をみることを勧める。
正法眼蔵全95巻の「弁道話」には、
「修証はひとつにあらずとおもえる、すなわち、外道の見なり。
仏法には、修証これ一等なり。いまも証上の修なるゆえに、初心
の弁道すなわち本証の全体なり」
道元の基本的なスタンスは、まずは、既存の考えを否定すること
ではないか、とも思える。
例えば、
涅槃経の 「一切衆生 悉有仏性 如来常住 無有変易」
は、誰にでも、仏になる素質を持っている、と解するが、
道元は、違う。
「一切の衆生、悉有が仏性である」と説く。
一切の生きとし生けるものは、悉有の一部であり、草木草木
虫類に至るまで、そのまま仏性と考えている。
道元が、絶対真理を詠んだ素晴らしい歌がある。
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」
春に花が咲く、夏にはほととぎすが来て鳴く、秋には月が美しい、
冬には雪が積もる。ごく当たり前の情景で、何一つ不思議はない。
しかし、その当たり前のこと中に、夫々の現象が夫々の季節に
姿を現していて、それ以外には、季節の現れ方はないと言う
絶対的真理があると言っている。
すなわち、全ての季節を夫々に共通の世界の真実がそこに
現れていて、何一つ変わることはない。そう思えば、心は
非常に涼しいという境地を詠んでいる。
道元は、その92巻で、生死についても言っている。
「生死の中に仏あれば生死なし。また曰く、生死の中に
中に仏なければ生死にまどわず」
生死は、生と死という2つを論じているのではない。
仏教では、生死は、生き死にのあるこの煩悩の現世を言っている。
生死の中には、元々、仏がある。すなわち、絶対的な真実を
掴んでいればすでに、現世を越えている事となり、今更、
生きる死ぬと言うことを迷う必要はない。逆に、生も死も
只それだけの事実で、ことさら悟りや救いがある訳でもない
と観念していれば、生だ死だと騒ぐ必要もない。
そして、
「生より死にうつると心うるは、これあやまり也。
生は、ひと時のくらいにて、すでにさきあり、のちあり。」
生と死は、分けて考えてはいけない。その事実を事実として
徹底的に受け入れること。
先ほどの道元が詠んだ歌の境地でもある。
生きていると言うことは、死と比べて生きているといことではない。
そこには、絶対的な今しかない。
死を迎える心とは、
「生きたらばただこれ生、滅来たらばこれ滅にむかいてつかうべし。
いとうことなかれ、ねがことなかれ」
我々は、既に、生と死の中にいる。それであれば、いまさら、死や
死後の成仏を願うこともない。生の中にいて、生以外のものを
願うことはできないし、死の中にいて死以外のこともありえない。
元々、生きている日々は、最後の死へ近づく日々でもある。
「健康、健康と騒ぎ立てる」が、要するに、生きていることが
本人にとって、一番悪いのかもしれない。
達するべき己の境地とは、
「ただわが身をも心をもはなちわすれて、仏のいえに投げ入れて、
仏のかたよりおこなわれて、これにしたがいもていくとき、
ちからももいれず、こころもついやさずして、生死をはなれ、
仏となる。」
これは、正法眼蔵の、「生死の巻」にある、最大の真髄を
言っている。
全部の自分を捨ててしまう時、本当の真相が露わになり、それが、
人間を向こうから明らかにしてくれる。だから、力んでしまう
ことはない。そのまま生死を離れ、仏となることが出来る。
大事なのは、ただわが身、その心をも、放ちそして忘れること。
生死を分ける戦争のような狂気がない現在、この、「生死の巻」
をキチンと理解することの出来る人は少ない。
しかし、戦争時、これを真剣に、わが身で処した人々は、少なくない。
今回のような病気になっても、わが身では、まだまだ、
不十分。健康な人が生死を意識しないのを、意識するように
なったぐらいかもしれない。
正法眼蔵の、「生死の巻」
「この生死は、すなはち仏の御いのちなり。これをいとひすてんとすれば、
すなはち仏の御いのちをうしなはんとする也。
これにとどまりて生死に著すれば、これも仏の御いのちをうしなふなり。
…いとふことなく、したふことなき、このときはじめて仏のこころにいる。
ただし、心を以てはかることなかれ、ことばを以ていふことなかれ。
ただわが身をも心をもはなちわすれて、仏のいへになげいれて、
仏のかたよりおこなはれて、これにしたがひもてゆくとき、ちからをも
いれず、こころをもつひやさずして、生死をはなれ、仏となる。」
「仏となるに、いとやすきみちあり、もろもろの悪をつくらず、生死に
著するこころなく、一切衆生のために、あはれみふかくして、上をうやまひ
下をあはれみ、よろずをいとふこころなく、ねがふ心なくて、心におもう
ことなく、うれふることなき、これを仏となづく。」
この巻は正法眼蔵九十五巻の中では大変短い巻である。
そしてこれを書かれた年月もはっきりしていない。
しかし、道元の生死に対する見方が、短い巻の中に言い尽くされている。
この巻の書き出しの言葉は「生死のなかに仏あれば生死なし」であり、
これは修証義のはじめの言葉でもある。私たちにとって生死の問題
を究明することは重要で、だれしもこれを避けてはならない問題。
この世に生を受けたるものはいつか必ず死をむかえるのもこれは事実
であり、そして如何に死を迎えるかということが大切である。
それは如何に生きるかということでもある。
正法眼蔵諸悪莫作の巻には「生を明らめ死を明らめるは仏家一大事の
因縁なり」とあり、つまりこれこそが仏教の根本問題である。
「生死の中に仏あれば生死なし」という言葉の中に道元の生死観
が言い尽くされている。この言葉の意味は、生死というのは真理であり、
真理の外に生死はないということである。
ここでいう「中」とは「即」という意味であり、「仏」とは「真理」
という意味であります。ここに引用させていただいた言葉の大意
を現代語に訳して置く。
「この生死は仏の御生命であり、真理であります。これを厭い捨て
ようとすれば、仏の御命を失うことになります。生死の問題に
執着すれば、これも仏の御命を失うことになります。・・・生死を
厭うことも慕うこともなくなればそれは仏の心、つまり真理の世界
にいるのであります。身心を投げ出して生死に執着せず、」
仏の家に我が身心を投げ入れ、仏におまかせし、仏さまに導びかれて
ゆくならば、己は力をも入れず、心をも働かさなくて、それでいて
生死を離れることができ、仏となるのであります。
「仏となるに易しい方法があります。それはいわゆる悪の心を起こし、
悪行を行わず、生死に執着せず、全てのものに対して哀れみをかけ、
上を敬い、下を哀れみ、あらゆるものごとを厭い嫌うことなく、
願い慕うことなく、心に迷い煩うことなく、憂うることのない、
このような人を仏といい、外に仏はないのであります。」
これが現代語訳であり、生き死ぬということ、つまり生滅
ということは大宇宙の動かすことの出来ない真理であり、無常
こそ世の道理である。このことがわかり、而今を全機に
生きるならば「生死なし」である。これは物質的な生死は
人間だれしも避けられないが、それを厭いまた願うという
執着の心を離れ、生が来れば生を、死が来れば死を心静かに
受けるという、仏に任せきりの境地に到るならば、それは
心安らかで、まさに悟りの境地というべき。
「生まれてはつひに死すべきことぞのみ、さだめなき世のさだめ
なりけり」という古歌がある。生も大宇宙の真理、死も
大宇宙の真理、一日一日、今日今時を如何に生きるかということ
が私たちに与えられた永遠のテーマであり、日々仏法僧の
三宝に帰依する生活を送りたいもの。
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